地方中級

地方中級は、都道府県や政令指定都市の短大卒程度の採用試験の総称です。試験は自治体ごとに実施されます。

地方中級の受験資格は、事務系職種を中心に、短大卒(見込)であることを要求している自治体はとても少なく、他の受験資格を満たしていれば誰でも受験できます。

公務員試験でいうところの「短大卒程度」というのは、試験内容や採用後のキャリアの目安となるものです。地方中級においても、必ずしも受験資格で短大卒(見込)であることが必要とは限りません。

ただし、地方中級ではどこの自治体でも、受験資格において年齢要件が加わっていることに留意が必要です。また、資格免許職では、それぞれの資格や免許の取得(見込)が要求されます。

もちろん、地方中級の受験案内で、受験資格に「短大卒(見込)」が明記されていれば、それ以外の方は受験できません。

地方中級の試験の名称は、中級、2類、2種、短大卒程度、短大卒業程度、短大の部、高専・短大卒など、自治体によって異なります。なお、自治体によっては、2種や中級という名称でも、高卒程度の採用試験を行う自治体があります。

地方中級のうち事務系職種は、事務、一般事務、行政事務といった名称の「一般行政事務」、「警察事務」、市町村立学校事務、学校事務、教育事務といった名称の「学校事務(教育事務)」といった試験区分があります。

その一方、事務系区分を細かく分けずに採用試験を行い、採用後は警察事務や学校事務も含めた配属や異動を行う自治体もあります。

このほか、地方中級では、理系(技術系)や資格免許職の採用試験を行う自治体もあります。

地方中級の1次試験日は、ごく一部の自治体で地方上級と同一日(例年は6月下旬)というところがあります。そのほかの自治体は、9月下旬の日曜日に実施するのが通例です。

地方中級では、択一式の教養試験と専門試験、論文(作文)試験、人物試験が課されます。

教養試験や専門試験は、1次試験で課されることが一般的です。どちらも、同一日の試験なら、全国的に共通の問題が見られます。なお、専門試験を課さない(教養試験のみ)という自治体もあります。

教養試験は一部の自治体や区分を除き、区分を問わず共通の内容が課される試験です。どの区分の方も、基本的に同じ試験勉強で対応できます。

教養試験はほぼ全ての自治体で課されます。全問解答制・選択解答制どちらの自治体の場合も、解答数は40~50問です。選択解答制の自治体では、一般知能(知能分野)が必須問題、一般知識(知識分野)が選択解答という場合が一般的です。

神戸市では教養試験の代わりに基礎的能力試験を課しますが、一般的な教養試験と共通の問題が出題されています。

専門試験は区分ごとに内容が異なる試験です。専門試験のうち、事務系の区分で課されるのは、憲法、行政法、民法、労働法、経済学、財政学、政治学、行政学、社会学、社会事情、国際関係が一般的です。

2次試験は人物試験が中心です。自治体によって、個別面接、集団面接、集団討論、グループワークなど、さまざまな形式が見られます。人物試験は複数回行う自治体もありますし、なかには3次試験まで行う自治体もあります。また、稀に、1次試験で人物試験を行う自治体もあります。

論文(作文)試験は、1次~3次試験のどこで行うかは自治体によって異なります。ごく一部の自治体では、論文(作文)試験が課されません。

なお、静岡市では、筆記試験という名称で、記述式の試験も課されます(60分・70問)。これは、一般教養(漢字の読み書き、計算等)、時事及び市政に関する記述式筆記試験であり、時事及び市政に関する記述式筆記試験の出題形式は穴埋めだと告知されています。

地方中級は短大卒程度の出題内容が問われる試験ですが、地方上級よりは明らかに易しめの公務員試験で、大卒程度試験の併願先として最適だといえます。