地上・市役所(専門あり)・国一の学習計画(半年~1年/専願・併願とも対応)

今回は、地方上級(道府県、政令指定都市)、市役所(専門あり)、国家一般職大卒を、全くの初学者が安心して基本から本試験まで独学で目指す学習計画を取り上げます。

(東京都1類Bや東京都特別区1類の受験を含む方は、東京都1類Bの学習計画(半年~1年/専願・併願とも対応)東京都特別区1類の学習計画(半年~1年/専願・併願とも対応)を参考になさってください)

学習期間は本試験まで半年~1年を想定していますが、1年半を切った時点なら、いつ始めても構いません。大学3~4年、既卒者、社会人が対象となります。

ここでは、教養・専門試験ともに課される地方上級または市役所、および、国家一般職大卒について、1つだけ受験する(専願)、あるいは複数の試験を受験する(併願)場合のどちらにも対応します。

また、教養・専門試験ともに対応する学習計画ですので、専門試験が課されない国立大学法人や市役所との併願も可能です。今回の学習計画は、東京都や東京都特別区を除く全ての地方公務員(地方上級、市役所)や国家一般職大卒を対象としています。

なお、市役所といっても、6月に実施される市役所は、政令指定都市以外の市役所でも地方上級との共通問題が多くを占めています。6月実施の市役所の方は、なるべく地方上級と同等の試験勉強をおすすめします。

数的処理(判断推理、数的推理)

数的処理(判断推理、数的推理)は、教養試験(基礎能力試験)の出題数の3割を占め、単純な暗記だけでは通用しないことから、真っ先に取り組むべき最重要分野です。

数的処理のメイン教材には、「新スーパー過去問ゼミ5 判断推理」「新スーパー過去問ゼミ5 数的推理」をおすすめします。要点整理と過去問演習が一体となった過去問集であり、全くの初学者でも基本から本試験まで一貫して使える良書です。

「スー過去」は初学者なら、1回目は要点整理を読み込んで必修問題をこなし、一通りの解法パターンを習得します。2回目以降は必修問題と過去問演習を繰り返し、本試験に備えます。必修問題と*1つの問題は必ず取り組みます。

地方上級や国家一般職大卒の方は志望先の問題を中心にしつつ、国総以外の問題にも幅広く取り組み、市役所の方は、*2つの問題にも取り組みます。

どの志望先の方も、必修問題と*1つの問題は必ず自力で解けるようにすべきです。国総の問題は(市役所の方は*3つの難問も)飛ばしても構いません。

このほかの問題は、2度も3度も解説を読んでも分からない問題は飛ばして構いませんが、解説を読んで理解できる問題は自力で解くことを目指し、本試験までに何も見なくても解ける問題を1つでも増やすことが合否を左右するといえます。

社会科学

社会科学は、一般知識(知識分野)のなかで最も重要な分野です。地方上級・市役所とも、取りこぼす受験生が少なく、政治、経済、法律(法学)、社会、時事・社会事情がまんべんなく出ています。また、社会科学は、先に学習しておくと、専門科目の基礎固めにもつながります。

国家一般職が第一志望の方も、社会科学を先行しておくと専門試験が理解しやすくなります。ただし、国一では社会科学の出題数自体は多くないため、重要分野ではありますが、学習量はある程度絞って構いません。

社会科学は、数的処理と同様に、試験勉強の初めから取り組むことをおすすめします。メイン教材には、「公務員試験過去問新クイックマスター 社会科学」をおすすめします。こちらも、要点整理と過去問演習が一体となった過去問集です。

社会科学は高校の教科書~センター試験レベルの問題が中心です。「クイマス」は、過去問集にしては要点整理が詳しめで、標準問題を重視しており、初学者が基本から本試験まで一貫して社会科学を学習するには最適な教材といえます。

こちらのクイマスも、1回目は要点整理を読み込み、必修問題をこなします。2回目以降は、必修問題と過去問演習に取り組み、要点整理も必要に応じて再確認します。

クイマスの場合、必修問題と基本レベルの問題(基本問題)は必ず自力で解けるようにします。国総の問題は飛ばしても構いません。

このほか、応用レベルの問題(応用問題)については、地上の方は、志望先=地上の問題を中心にしつつ、それ以外の問題にも幅広く取り組み、市役所の方は「地上」の問題に絞って構いません。

国家一般職が第一志望の方も、応用問題は国一の問題に絞って構いません。また、どの試験の方も、志望先の頻出度が星1つの問題は飛ばして構いません。

どの志望先の方も、応用問題に関しては、2回も3回も解説を読んでも分からない問題はどんどん飛ばして構いませんが、解説が理解できる問題は、何も見ずに解けることを目指します。応用問題でどれだけ自力で出来る問題を増やせるかが、合否を左右するといえます。

専門科目(最重要科目)

数的処理と並行して、憲法、民法、行政法、経済学(経済原論、経済理論)も真っ先に取り組みます。これらは、専門試験の出題数で大きなウェイトを占め、時間があるうちに先行してクリアしたほうが良い最重要科目です。

専門科目の過去問集も、収録問題に無駄な重複が無く、網羅性が高い「新スーパー過去問ゼミ5」をおすすめします。

専門科目の場合も、やはり数的処理で説明したとおり、要点整理・必修問題・*1つの問題は必ず攻略→地方上級や国一は志望先を中心に幅広く/市役所は*2つの問題をなるべく多く自力で解けることを目指します。

また、憲法、民法、行政法、経済学は、単純な暗記だけでは理解しにくく、ある程度各科目の全体像からまとまった理解が必要な科目であり、入門書の併用をおすすめします。

憲法、民法、行政法の入門書には、「まるごと講義生中継」がおすすめです。大手予備校TACの授業を再現した講義調の文体で、初学者にもとても分かりやすく、何度も読みやすい良書です。

経済学の入門書としては、「最初でつまずかない経済学」(マクロ編/ミクロ編の2分冊)、「らくらく経済学入門 週刊住宅新聞社」(マクロ、ミクロ、計算問題編、記述・論文編の4分冊)、「速習!経済学 石川秀樹」(速習!マクロ経済学、速習!ミクロ経済学、基礎力トレーニング(マクロ&ミクロ)の3分冊)の各シリーズから1つ選んで読み込んでおくことをおすすめします。

どの入門書も、初めて学ぶ方が基本中の基本から本試験に応じたレベルまで理解出来る最適な参考書ですし、見た目や値段で選んで構いません。どのシリーズの場合も、公務員試験にはマクロ、ミクロの2冊で十分です。

専門科目は、過去問集を徹底的に繰り返すだけで択一式試験には十分対応できます。その一方、初めて学ぶ科目では、入門書を何度も通読して繰り返し読み込むことで、各科目のアウトライン(概要)の習得につながり、過去問集が進めやすくなります。

専門科目(重要科目)

財政学は、経済学をクリアしたらいつ始めても良い科目ですし、最重要科目の次に出題数が多い重要科目です。政治学は出題数はさほどでも無いのですが、行政科目のなかで最初に取り組んでおくと、他の科目が理解しやすくなる重要科目です。

このため、財政学と政治学は、最重要科目をクリアしたら着手すべき科目といえます。政治学は暗記科目ですし、財政学も経済学を学習済みなら、ほとんどが暗記だけで通用する科目です。択一対策に限れば、過去問集だけで効率よく学習できる科目といえます。

重要科目である財政学、政治学のメイン教材には、やはり「新スーパー過去問ゼミ5 財政学」「新スーパー過去問ゼミ5 政治学」をおすすめします。

この2科目についても、数的処理のところで説明したとおりの要領で学習します。スー過去を要点整理・必修問題・*1つの問題は自力で出来るように行い、地方上級や国一は志望先を中心に幅広い問題を、市役所は*2つの問題を少しでも多く、何も見ないで解けるようにします。

その他の専門科目

ここまで、数的処理、社会科学、専門試験の重要科目までこなしたら、その他の専門科目に順次着手します。過去問集で必修問題と*1つの問題は必ずこなし、あとは地上・国一と市役所で使い分けるのは、数的処理で説明した通りです。

地方上級では、経営学、経済政策、経済事情、経済史を課す自治体があります。これらは市役所では課されません。経営学も択一対策なら「新スーパー過去問ゼミ5 経営学」だけで乗り切れます。経営学は点が取りやすく、その他のなかでは比較的早いうちから着手して損の無い科目です。

経済政策、経済事情は経済学や時事対策、経済史は教養試験の日本史・世界史の知識(特に近現代史)の知識で解ける問題が多く、特に科目別教材は不要です。

ただし、どんな問題が出るのか知っておくためにも、過去問演習書の「地方上級 専門試験 過去問500」をおすすめします。また、都道府県や政令指定都市別の復元型問題集が無いため、東京都特別区以外の方も本試験問題集の「本試験過去問題集 特別区1類 TAC」をおすすめします。これらの問題集の詳細は後述します。

行政科目(政治学、行政学、国際関係、社会政策、社会学)は地上・市役所とも出題されます。ただし、社会学は地上の一部の自治体で課されますが、大半の地上や市役所では出ません。先述の通り、政治学は先に学習しており、他の科目に順次取り組みます。

行政学、社会学は「新スーパー過去問ゼミ5 行政学」「新スーパー過去問ゼミ5 社会学」をおすすめします。やはり他の科目と同様に取り組むべきですが、社会学に関しては学習時間に限りのある方は、必修問題、および、学習効果が高いアイコン付きの問題に絞っても構いません。

国際関係も「新スーパー過去問ゼミ5 国際関係」を同じように進めましょう。ただし、時間的な余裕が無い場合、「上・中級公務員試験 20日間で学ぶ 国際関係の基礎」に替えても構いません。こちらは典型問題に絞った速習型教材であり、要点整理部分をしっかり読み込んだ上で、問題演習にあたりましょう。

その一方、行政科目の入門書としては、「行政5科目まるごとパスワード neo」をおすすめします。

「パスワード」は、多くの受験生に幅広く使われているコンパクトな定番参考書です。本書を繰り返すことで、たくさんの暗記事項がある行政科目から、頻出事項だけを抽出してしっかりと重要事項をインプットすることができる良書です。

特に、社会政策は市販の問題集がありませんが、「パスワード」と時事対策だけで十分に対応できます。あとは先ほどの「地方上級 専門試験 過去問500」や「本試験過去問題集 特別区1類 TAC」で過去問のチェックをおすすめします。

刑法、労働法は地上・市役所ともに2問づつ出ます。刑法は学習量が多い割に点が取りにくく、労働法は学習量が少なく学習効果が高い科目といえます。やはり「新スーパー過去問ゼミ5 刑法」「新スーパー過去問ゼミ5 刑法」「新スーパー過去問ゼミ5 労働法」を他の科目と同様に進めるのがおすすめです。

本試験までの学習期間が限られている方は、刑法、労働法は、要点整理を熟読し、必修問題と*1つの問題だけでも構いません。出来れば、*2つの問題を少しでも多くこなしておきましょう。どちらかに絞るのであれば、学習効果が高い労働法だと思います。

その一方、国家一般職が第一志望の方は、各科目とも上記の通り地方上級と同様の対策に取り組みます。これとは別に、「国家一般職大卒専門試験 過去問500」や「本試験過去問題集 国家一般職 大卒程度・行政 TAC」を使った経済事情のチェックをおすすめします。

また、国一は民法や経済学が2科目に分かれて出題される一方、社会政策、刑法、労働法、経済史は出ません。こうした独特の出題構成を考慮して、国一が第一志望の方は、こうした問題集で専門試験を一通りこなしておきましょう。

どの志望先の方も、その他の専門科目は、重要科目をクリアしたら、順次取り組みます。当然ながら、志望先・併願先の自治体で出題科目に無い科目は、学習する必要はありません。捨て科目を作らず、なるべく多くの科目に取り組んで本試験に備えます。

文章理解

文章理解は地上・市役所とも、7~9問を占めますし、国一は11問出ています。出題数を考えれば、教養試験(基礎能力試験)で数的処理の次に重要な科目です。現代文・英文がほぼ同数出る一方、古文は0~1問です。古文は無理に学習する必要の無い分野です。

まず、試験勉強の初期のうちに「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」で、現代文と英文の必修問題だけをいくつかやってみましょう。

ここで、英文を読むのが遅いと感じたり、わからない英単語が多いと感じたら、「速読速聴・英単語 Core 1900」をおすすめします。大学受験で使った経験があれば、「速読英単語(2)上級編」に替えても良いでしょう。

どちらの参考書も、長めの英文を読みながら、数多くの英単語を習得できる参考書であり、英文の速読と語彙力の強化が両立できる良書です。試験勉強を通じて、スキマ時間も活用しながら、何度も読み返すことをおすすめします。

文章理解自体は、暗記的な要素がほとんど無く、「習うより慣れろ」という科目です。あまり早期から取り組む必要はありませんが、いきなり過去問集から始めても構わない科目です。出題数の多い重要科目ですが、1日あたりの学習時間は少なくても良いでしょう。

ただし、文章理解を始めたら、「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」の現代文と英文を1日に1~2問づつで良いので、毎日コツコツ本試験まで解き続け、問題を解く勘を失わないようにすることが重要です。

もちろん、国総の問題は飛ばして構いませんし、必修問題は必ず取り組み、それ以外は、地方上級・国一の方は志望先を中心に幅広く取り組み、市役所の方は*1~2つの問題を進めていけば十分です。

スー過去をクリアしたら、「公務員試験過去問新クイックマスター 文章理解」または「過去問500」に入っても構いません。

文章理解はとても重要な科目です。過去問集に入ってからは勉強しない日を作らず、たっぷり時間をとる必要は無いものの、こまめにコツコツと問題演習を続けることが肝要といえます。

資料解釈

資料解釈は、東京都や東京都特別区以外の地方上級や市役所では1問であり、他の科目を削ってまで学習する必要の無い科目です。国一は3問出るため、必ず取り組むことが望ましい科目です。

資料解釈は、問題練習を行えば比較的容易に点が取りやすい科目です。やはり「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」をおすすめします。文章理解と同じ時期に同じ要領でこなせば十分です。

資料解釈もスー過去をこなしきったら、「公務員試験過去問新クイックマスター 数的推理・資料解釈」または「過去問500」に入っても構いません。

資料解釈は学習の負担が小さい科目ですし、本試験まで毎日コツコツと1~2問づつ解き続ければ得点が取れる科目です。ただし、勉強しない日を作って問題を解く勘を鈍らせてはいけません。

なお、先述の通り、国一/東京都や東京都特別区以外の自治体なら、資料解釈は無理に学習する必要は無い科目です。

人文科学、自然科学

人文科学は日本史、世界史、地理は必ず学習すべきです。このほか、思想(倫理)が地方上級や6月実施の市役所で1問出る以外は、文学・芸術、国語が出ることは無く、これらは学習する必要の無い科目です。

国家一般職はより出題数が少なく、日本史、世界史、地理、思想が1問づつ出るだけです。取り組むべき問題量を絞り込んで構いません。

人文科学は文系の受験生なら取りこぼすことが少なく、一般知識(知識分野)のなかで社会科学に次いで重要な分野です。過去問集も、「公務員試験過去問新クイックマスター 人文科学」(2分冊)をおすすめします。

人文科学も社会科学で説明したときと同じく、必修問題~基本レベルの問題は必ず取り組み、応用レベルの問題も頻出度が星1つの問題は飛ばしつつ、地方上級は志望先を中心に幅広く取り組み、市役所は地上の問題、国一は国一の問題に絞って取り組みましょう。

自然科学は、地上は生物と化学が2問づつで物理・地学・数学が1問づつ、市役所は生物が2問で化学・物理・地学・数学が1問づつです。国一も化学・物理・生物が1問づつ出るだけです。

どの志望先の方も、自然科学は1科目あたりの出題数がとても少なく、単純な暗記だけでも通用する基本問題が頻出です。このため、後回しにして最低限の学習でも構わない分野です。

自然科学は、過去問集も「だからカコモンで克服 自然科学」をおすすめします。過去問集としては要点整理が丁寧で基本問題をとても重視しており、定型的な基本問題が頻出の自然科学には最適だといえます。

「カコモン」を使う場合、要点整理と典型問題は必ず取り組み、1回目はこれに絞って基礎レベルを攻略します。2回目以降は典型問題と過去問演習を繰り返します。国総の問題は飛ばしても構いません。

これ以外の問題は、地上の方は地上の問題を中心にしつつ幅広く取り組み、市役所の方は地上の問題、国一の方は国一の問題に絞って取り組みます。どちらの方も、問題ごとに表示されている地上の「重要度」が高い問題に絞って構いません。

また、各章の冒頭にテーマ別の出題頻度の一覧があります。1問しか出ない科目なら、「地上」で○~◎のテーマだけに絞り込んで取り組んでも良いでしょう。

人文科学は、社会科学、数的処理、専門科目の重要科目(財政学、政治学まで)をクリアした時点なら、いつ着手しても構いません。自然科学は後回しにして良い分野ですし、直前期に最低限の学習で乗り切っても良い分野です。

論文対策

論文対策には、まずは「1週間で書ける!! 公務員合格作文」をおすすめします。受験生が知っておくべき論文試験の基本的な注意点や、合格を引き寄せる論文の組み立て方・書き方が理解できる優れた良書です。

本書は、文の形式面に着目した第1編で、望ましい分量や接続詞の使い方など、論文の基本的なルールが理解できます。第2編は内容面から解説し、課題に対して問題点とその背景を探り当て、問題点から自己主張に持ち込んでいく論文の書き方を習得することができます。

「1週間」は、論文の「どこが採点されるのか」「どう書いたらよいのか」という不安に正面から応えてくれる良書としておすすめです。なお、第3編は、問題文→解説・答案構成→解答例で構成された、具体的なテーマ別対策の論点集です。

市役所だけなら、この「1週間」だけでも十分に対応できるボリュームだと思います。ただし、地方上級や国一であれば、第3編の論点集では物足りないかもしれません。

地方上級・国一を志望する方には、「公務員 論文試験の秘伝」を加えることをおすすめします。

こちらは、国一や全国の自治体の直近の試験問題を豊富に掲載し、25のテーマ別に、過去問・類題を提示→出題意図・キーワードを解説→対話形式による基礎知識と論文作成のポイント→実際の答案例と講評を詳しく掲載しています。

「秘伝」は実に多くの試験問題と詳細な解説のついた論点集として、国一や地方上級の方に幅広くおすすめです。ただし、論文の基本的なルールや書き方に関しては手薄ですし、この点は「1週間で書ける!! 公務員合格作文」を使うべきでしょう。

このように、基本的な心構えや書き方は「1週間」、テーマ別対策には「秘伝」を使うことで、独学でも強力な論文対策を行うことができます。2冊取り組む場合は「1週間」の第3編は飛ばして構いません。

これら参考書を読み込んでおくことは、余裕のある早いうちに済ませておくことをおすすめします。先に理解しておくことで、実際の答案練習を自信を持って取り組むことができます。

答案練習は早期でなくても構いません。大手の予備校を利用するのも良いですし、大学の学内講座・キャリアセンター、通信講座、知り合いの方にお願いするなど、添削指導を受ける機会を、必ず各自で確保することをおすすめします。

面接対策

国一は採用試験の面接試験とは別に、官庁訪問があります。地方上級・市役所では、個別面接、集団面接、集団討論など、形式は自治体によって異なります。まずは面接試験の準備・心構えを知り、実際の流れや質問例などを理解することが重要です。

こうした参考書として、「面接・官庁訪問の秘伝」をおすすめします。面接官に「当たり」と思わせる自分だけのコアな部分を作ることで、あらゆる質問に対応できるアプローチを解説しています。

その一方、「公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」は、コンピテンシー面接や採点方法の実態を取り上げつつ、面接官の本音や、どこを見ているのかを分析することで、評価が得られる方法を詳しく解説しています。

2冊の参考書を併せて読むと、受験生が出来る自己分析と、面接官つまり採用する側の分析という、面接試験を両面から研究して合格を勝ち取る強力な対策が、独学でもしっかりと取れるようになります。

どちらの参考書も、個別面接、集団面接、集団討論といったさまざまな形式に対応し、服装や準備すべきもの、入室から退室までの流れ、心構えやマナーといった記述も充実しています。

なお、国一の方は官庁訪問についてもしっかり読み込むべきです。地方公務員には官庁訪問はありませんので、地方上級・市役所どちらの方も、官庁訪問に関する章や項目は飛ばして読みましょう。もちろん、個別面接、集団面接、集団討論などの形式別対策については、志望先・併願先に合った部分だけ読めば十分です。

こうした面接試験の参考書は、試験勉強の合間でも良いので、なるべく早いうちから何度か熟読しておくと、模擬面接を余裕を持って受けやすくなります。模擬面接は早期からでなくて良いため、大手予備校の利用でなくても、大学の学内講座・キャリアセンター、ハローワークなど、各自で必ず受ける機会を確保すべきです。

時事対策

公務員試験では時事対策は必須です。特に地上・市役所では、教養・専門ともに時事的な出題が数多く含まれますし、社会事情、現代社会などの科目名で時事問題を課す自治体もあります。国一では基礎能力試験(教養試験)で時事問題が必ず3問出ます。また、論文試験・面接試験・集団討論などの課題別対策にもつながります。

公務員試験の時事対策といえば、「公務員試験 速攻の時事 実務教育出版」がおすすめです。政治、経済、財政、国際、厚生、労働、文部科学、環境、司法警察、社会問題をカバーしており、非常に多くの受験生が使ってきた定評ある良書です。

本書には併用教材として「公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編」があります。掲載問題ごとの難易度にブレがあるのが難点ですが、出来不出来はあまり気にせず参考程度にとどめれば、出題可能性が高い時事問題を探る優れた教材だと思います。

また、トレーニング編は直近の重要時事用語を約400語、スマートに解説しています。「速攻の時事」と併用して時事用語のコンパクトなチェック集として使えば、強力な時事対策になります。

その一方、公務員試験にしか出ないような時事問題は、受験生が後回しにしたり、見落としがちです。「直前対策ブック 実務教育出版」は、法改正&重要判例、各種白書&審議会の答申など、重要データ・統計といった、公務員試験に固有の頻出事項をよくまとめた良書としておすすめです。

時事対策はいつ始めるということはありません。参考書で一通り各分野の時事情報をインプットすることも重要ですし、直前対策ブックで公務員試験固有の時事対策を行うことも必須といえます。ニュースなども、スキマ時間を利用して随時確認しましょう。

模試

公務員模試は、学習の到達度を知るだけでなく、弱点項目を発見してその後の試験勉強に活かす意味でも大いに有効です。特にLEC、TACの模試がおすすめです。

地方上級や国一ならLECの「地上・国家一般職<行政系>スペシャル模試パック」やTACの「公務員 公開模試」がおすすめです。

政令指定都市以外の市役所でも、やはりLECのトライアル模試(2回)や市役所公開模試(2回)、クレアールの公開模試がおすすめです。自宅受験でも会場受験でも、実際の試験時間のなかでどれだけ点が取れるか、総合的な実力測定の予行演習になります。

LECのトライアル模試は、年末~年明けに実施され、現時点での実力試しに最適です。そのほか、多くの模試が年明け以降は毎月実施されており、各自の目標に応じて受験できます。もちろん、パックだけでなく、各回ごとに申し込むことも出来ます。

過去問演習書/本試験問題集

過去問演習書は、科目別の学習のめどがついた時点で取り組み、演習量の上積みを通じて、試験本番を控えた時期に総合的な実力の引き上げを目指します。また、過去問集が無い科目は適切な時期に取り組み、問題練習を補充します。

過去問演習書は、地方上級の方は「地方上級 専門試験 過去問500」および「地方上級 教養試験 過去問500」、市役所の方は「市役所上・中級 教養・専門試験 過去問500」、国一の方は「国家一般職大卒専門試験 過去問500」をおすすめします。解説が詳しく、年度別に直近の過去問を豊富に収録した総合問題集です。

その一方、本試験問題集は、実際の試験問題を復元した問題集です。実際の試験のように時間を測って取り組み、本番に備えたシュミレーションを行う予行練習に最適です。

本試験問題集のおすすめは、TACの本試験過去問題集です。国一の方には「本試験過去問題集 国家一般職 大卒程度・行政 TAC」がおすすめですが、これには道府県・政令指定都市・市役所別の問題集が無いため、できれば出題傾向に忠実な模試の受験をおすすめします。その一方、模試を受ける機会が無い方は、この問題集を代用しても良いでしょう。

このうち、地方上級なら「本試験過去問題集 東京都1類B (行政・一般方式)」がありますが、東京都は専門試験が記述式です。教養・専門とも択一式なら、地上よりやや易しい傾向ですがや「本試験過去問題集 国家一般職 大卒程度・行政 TAC」がおすすめです。なお、東京都・国一とも、一般的な地上に比べて知能と知識の出題比率が異なる点は留意しましょう。

また、市役所なら、一般的な地方の市役所より少し難しめですが、「本試験過去問題集 特別区1類 TAC」で代用できます。東京都特別区も、一般的な市役所に比べて知能と知識の出題比率が異なる点は留意しましょう。

本試験問題集は、試験問題が年度別に取り外し冊子になっています。模試を受験できる機会の無い方が、自宅でも実際の試験と同じ形式で取り組み、どの科目からどれだけ解けるかといったシュミレーションを行える問題集としておすすめです。

地上・市役所(専門あり)・国一の学習計画(半年~1年/専願・併願とも対応):まとめ

地方上級・市役所・国一で教養・専門とも課される方は、まずは数的処理(判断推理、数的推理)、社会学、憲法、民法、行政法、経済学(経済原論、経済理論)に取り組むべきです。

これがクリアできたら、政治学、財政学もこなします。経営学が課される自治体の方は、この時期にこなしても良いでしょう。

時事対策は、いつ始めるということは無く、学習期間を通じてスキマ時間も活用しながら積極的に取り組みます。経済学・財政学以外の経済系科目は、市役所で出ることはありませんが、地上や国一で課される方は、経済学・時事対策などの知識を土台に、過去問演習書・本試験問題集で問題練習を行っておきましょう。

文章理解も出題数の多い重要科目ですが、暗記的な要素はほとんどありません。過去問集に取り組むのは早期からで無くてもよいので、毎日コツコツ、現代文と古文をしっかりと解き進めて本試験に備えます。

行政系科目(政治学、行政学、社会学、社会政策、国際関係)は、政治学をこなしたらいつ始めても構わない分野です。出題数が重要科目についで多く、暗記的な要素が高いため、後回しでも良いのですが、必ず幅広く、順次手堅くこなすべきでしょう。

人文科学は社会科学をこなしたら、いつ始めても構いません。日本史、世界史、地理をしっかり学習します。自然科学は、直前期に集中的に取り組んでも構いませんし、項目も絞った最低限の学習で良いでしょう。

刑法、労働法は、地上・市役所とも出題数が少なく、専門科目では最も後回しにして良い科目です。国一では課されません。刑法は深入りせずに最低限の学習で良いでしょう。労働法は学習効果の高い科目で、しっかり学習しても損の無い科目です。

資料解釈は国一では文章理解と同様に取り組むべきですが、地上・市役所では無理に学習する必要の無い科目です。点は取りやすい科目ですから、文章理解と同じように過去問集に着手して良いでしょう。

論文試験・面接試験は、早いうちから参考書でそれぞれの試験種目の実態やアプローチを理解しておきます。その後、添削指導や模擬面接を受ける機会を必ず確保します。

各科目の学習をクリアしたら、過去問演習書や本試験問題集・模試を活用します。総合的な演習量を増やすとともに、予行練習を行って弱点分野の発見・補強を行い、試験本番に備えます。

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