国家総合職・大卒:政策論文試験

今回は、国家総合職(大卒)の政策論文試験について取り上げます。

まず、国家総合職(大卒)の政策論文試験の直近数年分の試験問題を取り上げます。

設問:2050年において日本政府が優先的に取り組むべき政策はどのようなものか,あなたの見解を述べなさい。

資料1:未来社会を描くためには、自らをまず未来社会のなかに置いてみなければならない。そこでの常識は、現在からすれば、常識はずれのものかもしれない。つまり、われわれが現在の時点で未来社会をとらえるためには、その前提条件に未来社会の常識を置かなければならない。それを現在社会の常識で正しく判断しうるか否かは、まさに勇気と想像力に大きく依存する。その上で、現在社会のなかに、未来社会へと至る小さな芽生えを見つけることが目的となるであろう。

資料2:(英語による図表「COMPETITIVENESS ISSUES SCOREBOARD」。縦軸がIMPACT、横軸が2030~2050年のTIME HORIZON)

(この英文による図表の下には、「注:From cheap manpower to cheap brainpower: The world moves from a competitiveness model based on cheap manpower to one based on cheap brainpower. In total, India, China and Russia have 14 million university students, as many as the US. These students quickly become young professionals eager for success, who are relatively affordable and highly motivated. Through technology, these brains can be accessed from all over the world」と書いてあった)

資料3:『2052 今後40年のグローバル予測』における「20の個人的アドバイス」

  1. 収入より満足に目を向ける
  2. やがて消えていくことに興味を持たない
  3. 最新の電子エンターテインメントにお金を投じ,それを選ぶことを学ぼう
  4. 子どもたちに無垢の自然を愛することを教えない
  5. 生物多様性に興味があるなら,今のうちに行って見ておこう
  6. 大勢の人に荒らされる前に世界中の魅力あるものを見ておこう
  7. 気候変動の影響が少ない場所に住みなさい
  8. 意思決定能力のある国に引っ越しなさい
  9. 持続可能性の欠如があなたの生活の質を脅かすことについて知ろう
  10. サービス業や介護の仕事が嫌なら、省エネルギー関連か再生可能エネルギーの分野で働きなさい
  11. 子どもたちに北京語を習うように勧めなさい
  12. 成長はすべて良いことだという考え方から脱却する
  13. 化石燃料を基にした資産は、ある日突然、その価値を失うことを忘れないように
  14. 社会不安に敏感でないことに投資しよう
  15. 相応の義務以上のことをしよう。将来後ろめたい思いをしなくてすむように
  16. 持続可能性の欠如の中にビジネスの将来性を探ろう
  17. ビジネスで、販売量の伸びと利益の伸びを混同しないように
  18. 選挙で再選を望むなら、短期的に結果が出る公約を掲げよう
  19. 未来の政治は物質的制約に左右されることを覚えておこう
  20. 政治において、限りある資源への平等なアクセスは、言論の自由より重要であることを認めよう

設問:受益と負担を公平にするために、税の果たす役割は何か、あなたの意見を述べなさい

これ以前に、国家総合職の政策論文試験で出た過去問には、以下の出題例があります。これに複数の資料がつく場合もありますし、資料なしのいわゆる一行問題という年度もあります。なかには日本社会だけでなく、国際社会に関するテーマも出た年があります。

  • 現代世界における国境のもつ意味について
  • 日本社会のコミュニティ
  • 安心と安全
  • 受益と負担を公平にするために、税の果たす役割は何か

国家総合職(大卒)の政策論文試験の傾向

国家総合職の政策論文試験は、課題そのものがとても一般的なテーマである傾向が見られます。「未来社会における日本政府が優先的に取り組むべき政策」といった、個別の具体的なテーマよりも、非常におおまかで普遍的な課題が頻出といえます。

こうした課題では、自分の個人的な見解や独創性を打ち出すのではなく、なぜ添付された資料があるのかを考え、その資料からさかのぼって出題者の意図を見抜き、その意図に沿った論述を行うことが、合格答案への近道といえます。

国家総合職の政策論文試験のように、個別具体的では無いテーマでは、同じ資料から読み解いた答案でも、いくらでも異なった切り口が浮かんでくると思います。そこは、あくまでも出題者の意図を踏まえている範囲であれば、アイデアや論点の違いは問題にならないと思います。

むしろ、こうした政策論文試験の評価を大きく左右するのは、論理構成だといえます。添付資料から出題者の意図はいくらでも取れるのですが、それをどれだけ盛り込んで、論理的な説明ができているかが大きな合否の分かれ目と言えます。

資料をきちんと読み取れているか、その資料や設問を踏まえて誤りや矛盾の無い一貫した論述になっているのか、こうしたきちんと整合性のある文章かどうかが、大きなポイントといえます。

政策論文試験はユニークさを争う試験ではありません。好まれるのは、根拠の無い理想論や独自の記述よりも、出題者の意図を踏まえているか、文章の骨組みがしっかりしているか、論理的な一貫性を保っているか、という点です。

出題者が添付した資料は、解答者へのメッセージです。なんらかの書かせたい内容があるからこそ、その資料を付けて出題しているはずです。出題者がその資料をなぜ添付したのか、そして、そのことによって何を書かせたいのか、こういった点を論理的に盛り込むことで、合格と判定される答案を作ることが十分可能となります。

こうした論理的な文章の組み立てに関して、非常に初歩的な作文試験でも、国総のような高度な政策論文試験でも、ノウハウ自体は変わりません。あとは、課題を見て頭で考えるだけでなく、それを実際に紙に書きだし、正しい日本語で論理的な文章で表現できるかどうかの練習を行うべきでしょう。

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