国税専門官・財務専門官:専門記述の傾向

今回は国税専門官、財務専門官の専門記述試験の傾向を取り上げます。出題科目は以下の通りです。憲法、民法、経済学、会計学は同じ問題が出題されます。

国税専門官
憲法、民法、経済学、会計学、社会学から1科目選択
財務専門官
憲法、民法、経済学、会計学、財政学から1科目選択

憲法は、平成22~25年度は人権分野からの出題が続き、最新の判例も含む非常に高度な事例問題が続いていました。ところが平成26年度は、内閣の衆議院解散権の根拠を論じさせる、非常に基本的で典型的な出題でした。

それ以前の過去問を見てみても、基本的な論点を書かせるだけの説明問題から、最高裁の重要判例や最新判例に触れた高度な事例問題など、年度によって難易度にブレがあり、予測しがたい科目といえます。

民法は、平成26年度は不法行為法という予想が難しい出題でしたが、典型的な論点の知識で書ける基本的な事例問題でした。平成21年や平成13年の出題はこのような基礎的な論点で出来る事例問題が出ています。

その一方、平成22~25年度は非常に長文で高度な事例問題でした。どれも最新の判例を踏まえ、詳細な論述が求められる難問でした。民法も憲法と同じく、年度によって難易度や出題傾向に大きな幅があるといえます。

経済学は平成18年度以降、3つの小問の出題という形が続いています。1~2問は基本的で容易に書ける問題ですが、1~2問はかなり難しい難問が出る傾向にあります。指定された用語や数式を用いたり、図やグラフを使って説明することが求められる説明問題が主流です。

会計学は平成11年度から一貫して2~3問、あるいはそれ以上の小問が出る傾向が続いており、難易度も大きなブレがありません。平成26年度は有形固定資産の減価償却という典型テーマで3問中2問は楽勝問題でしたが、3問目はかなり難しい難問でした。

国税専門官の社会学は、平成20年度以降、2つの小問形式が続いています。1問は説明問題、1問は特定の論点について論じなさいという問題です。予想外のテーマが出た年度もありますが、特別難しい出題は少ないといえます。

社会学は主要論点に関連する知識や、具体例を交えて論じる設問が多く、極端な難問は出ません。とても標準的な難易度で比較的書きやすい科目ですが、頻出項目ではなく珍しいテーマが出ることもあり、予測しにくい科目でもあります。

財務専門官の財政学は2つの設問が出題され、平成25~26年度はとても長い問題文でさらに小問が出ました。設問1は容易な説明問題ですが、設問2は極めて難しい難問だったため、回避した方も多かったと思います。

財政学は、平成24年度以前は簡単な説明問題が2つという年度もありましたが、数式を用いて詳しく論証することが求められるなど、複雑で難しい出題の年度も多く、難易度にブレがある科目です。

ここまでの傾向をまとめると、憲法、民法は年度によって難易度のブレがありますし、経済学、会計学、財政学は小問中1~2問は難問が出る傾向があります。

財務専門官の方は比較的易しい社会学に絞るという選択肢もありますが、出題テーマが主要な論点とは限らず、出題予想に基づく対策がしにくい科目でもあります。

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