公務員と大学・学部の関係は?

今回は、公務員と大学・学部に関係があるのかどうかを取り上げます。

公務員は特定の大学・学部が有利か?

公務員では、特定の大学・学部が有利ではないかと言われることがあります。特に、いわゆるキャリア官僚と呼ばれる国家総合職では、東京大学の法学部など、一定の範囲の大学や学部の出身者が合格者を占める傾向が見られます。

この傾向は、他の公務員試験でも無いわけではありません。国家一般職大卒でも、地方上級(都道府県、政令指定都市)などの地方公務員でも、それぞれの試験において、合格者の上位を占める大学・学部が見られます。

確かに、特定の公務員試験に強い大学であれば、同じ大学や学部どうしで同じ公務員を目指したり、学内講座や勉強会・学習サークルなど、学習のモチベーションを高めたり、過去問や面接試験・官庁訪問などの情報交換の機会が豊富にあるといえます。

志望する公務員が決まっているのであれば、こうした大学に入って、同じ学部でも同志が見つけやすいというだけでなく、採用後も同僚であり、良きライバルとして人脈を築きやすいというメリットがあるといえます。

ただ、こうしたメリットと、特定の大学・学部が公務員で有利かどうかという点は、全く別の話です。公務員試験は筆記試験が重視され、とても公平性の高い採用試験です。ある大学のある学部だけが、それだけで優遇されるということはありません。

確かに国家公務員でも地方公務員でも、合格者が多い大学や学部は存在します。ただし、こうした大学・学部では、その公務員を志望する受験者自体も多いといえます。たくさんの受験者が存在する大学・学部なら、合格者が多いぶん、不合格者も多いものです。

どの大学や学部でも、公務員で受かる人もいれば落ちる人もいます。一部の大学や学部だからという理由で特別扱いされることはありません。大事なことは、それぞれの受験者が合格に達するだけの実力を身に着けて試験に臨めるかどうかにかかっているといえます。

大学・学部と公務員の職種・区分

大学・学部と公務員の職種・区分には、関係が密接な公務員もあります。土木、建築、電子・電気・機械、情報、農業、農業土木など、理系公務員(技術職)の多くは、それぞれの大学・学部出身者の方(あるいは大学院出身)が専門分野に応じて受験することが一般的です。

これは心理・福祉系公務員でもいえます。国家総合職の人間科学区分、家庭裁判所調査官補、法務省専門職員・人間科学区分(矯正心理専門職/法務教官/保護観察官)、地方公務員の心理職や福祉職は、それぞれの専攻を持つ大学の学部あるいは大学院出身の方が受験しています。

公務員のなかには、公立病院の医師や看護師、保健師、保育士、栄養士など、そもそもその職種に必要な資格の取得(取得見込みを含む)を受験資格にしている職種もあります(資格免許職)。

警察官や消防官のような公安系の公務員も、どの大学のどの学部出身の方も受験しやすい試験です。もちろん、一定の体力が要求されるため、体育大学や体育学部、教育学部の体育教諭養成課程、大学でスポーツ経験のある方が有利ではあります。

その一方、行政系・事務系公務員は、文系でも理系でも、幅広い大学や学部の出身者が合格しています。法学部や経済学部など社会科学系の学部に限らず、文学部や国際関係学部、理系学部でも合格する方がおられます。

国家公務員でも地方公務員でも、どこの大学が良いとか、どの学部が有利・不利とかいうことはありません。特に行政系・事務系公務員は、どの学部の方も教養・専門試験とも独学しやすく、誰もが受験できるチャンスのある公務員といえます。