高卒で就職するなら公務員

今回は、高卒の就職先としての公務員の魅力や民間企業との違いを取り上げます。

高卒で公務員に就職して良いことは?

高卒で公務員に就職した場合の最大のメリットは、やはりその安定性です。特に高卒の方は、民間企業に就職した場合の雇用の不安定さが高く、望まないままフリーターになった方も少なくありません。

公務員は景気変動の影響を受けにくく、不景気で経営状態が悪くなったから解雇されるといったことがありません。確かに景気が良くなれば、高卒の就職内定率も上昇しますが、公務員には景気変動に左右されない強みがあります。

公務員は、就職後の身分が高卒でも大卒でも関係なく法令に基づいて保証されています。よほどの問題行為や懲戒事案などに該当することが無ければ、自分の意に反して解雇されることがありません。

また、特に高卒公務員は就職後の初任給が安いと言われます。これに関しても、公務員は勤務年次と昇進によって昇給が決まるため、景気の良し悪しに関係なく、長く勤務すればするほど着実に給料があがります。

高卒公務員の就職先は?

高卒公務員で就職できる公務員には、国家公務員と地方公務員があります。国家公務員は中央政府、地方公務員は地方自治体の職員です。

国家公務員には国家一般職高卒、国家専門職、国家特別職があります。国家一般職は事務、技術、農業、農業土木、林業の5つの採用区分に分かれます。

国家専門職は行政分野の専門職、国家特別職は三権分立の建前上、司法権や立法権に関わる公務員を個別に採用する国家公務員のことです。国家専門職や国家特別職は、職種ごとに採用試験が行われます。

地方公務員は自治体ごとに採用試験が行われ、事務系と技術系の採用区分に分かれます。採用区分の名称は自治体によって異なります。採用後はそれぞれの自治体の職員として、それぞれの職種に応じた業務に従事します。

就職先として見たときに、高卒公務員は事務系、技術系、専門職に分かれるといえます。事務系は一般行政系の行政処理に従事し、国家一般職の事務区分や地方公務員の事務系・行政系区分が該当します。

技術系の職種は、国家一般職の場合は事務区分以外の区分であり、地方公務員の場合は建築、土木、機械、電気電子、農学など自治体によって募集区分や名称が異なります。どれもそれぞれの専門知識を活かした公務員です。

専門職とは、専門性が高い公務員を採用試験の時点から個別に採用する公務員です。国家専門職(税務職員、刑務官、入国警備官など)や、国家特別職(裁判所事務官など)が該当します。

就職後の高卒・大卒公務員の格差は?

高卒公務員で就職した場合、気になるのは大卒公務員との差がどれくらいあるのかという点です。結論から言えば、明らかに差があるものの、民間企業の格差に比べればそう大きくはありません。

大卒公務員では、国家公務員の指定職(中央官庁の審議官級以上)のように、破格の給与水準や待遇を得られる公務員も存在します。ただし、指定職の俸給(給料)は、民間企業の役員報酬に相当するものであり、このような特別な公務員と、一般的な公務員を比較するのは適切ではありません。

こうした特別に選ばれた例を除外すれば、公務員に就職したときに、例えば一般的な市役所なら、高卒初任給が15万前後ですし、地方の自治体では15万を切る場合も少なくありません。

その一方、大卒公務員で就職した場合、同様の前提で一般的な市役所であれば、初任給は17~20万円がボリュームゾーンといえます。だいたい大雑把にいって、同じ市役所なら、高卒と大卒なら3~4万円程度の差がつきます。

その後、就職時点から計算して10年、20年、30年、年齢でいえば20代、30代、40代、50代と徐々に、高卒公務員と大卒公務員では給与面で差がつくことが一般的です。

ただし、公務員の場合は、高卒公務員と大卒公務員の間で、民間企業ほど大きな給与格差がつくことはありません。特別に昇進した方を除けば、50代でも年収ベースで数十万程度の差に収まります。

さらに、昇進にもよりますが、同じ年齢なら高卒公務員のほうが大卒公務員より勤続年数が長いぶん、生涯年収は高卒公務員のほうが高くなるという方もおられます。

ここまで見てきた通り、高卒公務員は就職後も、昇進など大卒公務員のほうが有利ではありますが、民間企業に比べれば、はるかに恵まれた職場であり、就職先としてファーストチョイスに十分おすすめできる職業といえます。