東京都/特別区/道府県庁の作文試験(高卒程度)

今回は東京都3類、東京都特別区3類、道府県庁(高卒程度)の作文試験を取り上げます。東京都、特別区、および、道府県職員の問題例として埼玉県、千葉県、神奈川県を取り上げ、都道府県・特別区の作文試験の傾向と対策を一括して説明します。

東京都/特別区/道府県庁の作文問題(高卒程度)

東京都3類の作文試験は以下の通りです。

  • 「世界一の都市・東京」を目指すために私がやってみたいこと(600字~1,000字・80分)
  • 私が都民のために努力したいこと(600字~1,000字・80分)
  • 私が考えるこれからの東京の魅力(600字~1,000字・80分)
  • 東京都職員として取り組んでみたいこと(600字~1,000字・80分)
  • 私が実現したい東京(1,000字程度・80分)
  • 東京都職員として活かしたい私の長所(1,000字程度・80分)

東京都特別区3類の作文試験は以下の通りです。どの年度も600字~1,000字・80分でした。

  • 区民から信頼される公務員になるために必要なこと
  • 活気あるまちのために私ができること
  • 社会に貢献すること。
  • 安心して暮らすことのできる街。
  • 私が考える行政サービス。
  • まちを魅力的にするために私ができること。

埼玉県職員の作文試験は以下の通りです。どの年度も700字~900字・60分でした。

  • SNSやインターネットで顔の見えない相手とコミュニケーションを取るときに、あなたが気をつけていること
  • スポーツを通じて得られると思うもの。また、多くの人にスポーツに親しんでもらうためには何が必要か。
  • 「おもてなし」の向上についてあなたはどのように考えますか。
  • 誰もが健康に暮らせる社会づくりについて、あなたが考えることを書きなさい。
  • 人と人との「絆」が改めて認識される社会になっている。それについて自分の考えを述べよ。
  • あなたが公共施設や旅館などで受けたサービスで、心に残っているものは何か。具体的に挙げ、思ったことを述べよ。

千葉県職員の作文試験は以下の通りです。どの年度も900字・60分でした。

  • 住民から信頼される公務員に大切なこと
  • 今の公務員に求められているもの
  • 「成功体験」と「失敗体験」からあなたが学んだこと。
  • チームワークの大切さについて。
  • 理想の公務員像。
  • 公務員に必要な心構え。

神奈川県職員の作文試験は以下の通りです。どの年度も600字・60分でした。

  • 失敗から学んだことについて、あなたの経験を挙げながら述べなさい。
  • 今までの人生で心に響いた言葉との出会い。
  • これまでに学校生活であなたが得た達成感について。

東京都/特別区/道府県庁の作文問題(高卒程度)の傾向と対策

東京都は毎年、受験者が東京や東京都そのものに、いかに貢献できるのかを試す課題が頻出といえます。東京都特別区は基礎自治体らしく、街づくり、社会への貢献、区民への行政サービスといった視点が問われます。

道府県職員の作文試験の問題例として、ここでは埼玉県、千葉県、神奈川県を取り上げました。埼玉県はインターネット、スポーツ、健康、絆、おもてなしといった、一般的で時事的な話題も反映した課題を提示しています。

千葉県は、信頼される公務員、理想の公務員像、公務員に必要な心構えといった公務員そのものに関する課題をストレートに出す年度もあれば、成功と失敗の体験、チームワークといった、公務員そのものでは無いものの、社会人としての適性を試す課題が出ています。

神奈川県の場合も、千葉県の後者の傾向と同じく、今までの人生や学校生活で得た経験、言葉、失敗などから感じたことを書かせる問題が目立ち、それを通じて人間性や社会性といった適性を評価する課題が出ています。

このように、都道府県・特別区の作文試験では、東京都や特別区のように「地元(や当該自治体)にいかに貢献できるか」を試す課題、埼玉・千葉・神奈川などのように「一般的で時事的なテーマについてどう思うか」「公務員についてどうあるべきか」「人生や学校生活に関する事柄や感じたこと」といった課題が出題されます。

どのテーマの場合でも、問われているのは、「公務員として適切な人材かどうか」「社会人として必要な資質が備わっているかどうか」に尽きます。

テーマ自体は、地元の自治体・公務員・一般的で時事的な話題・自分自身や人生についてなど、さまざまにわかれますが、そこから受験者が何を感じたか、何を思ったか、どのように成長したのかに関する記述が求められる点では共通しています。

この「何を感じた(思った、成長した)」という部分が、公務員として採用する上で望ましい資質と合致することが重要です。社会人としての責任感、社会通念に照らして妥当な価値観、責任感や法令遵守の精神といった、公務員に無くてはならない要素が読み取れる答案づくりを意識的に行うことがポイントと言えます。

作文試験の学習法とおすすめ教材

その一方、こうした受験者の思いを、実際に答案という形で表現する能力も問われるのが作文試験です。「1週間で書ける!! 公務員合格作文」は、合格に繋がる答案作成を学べる良書としておすすめします。

本書は、第1編で形式的な心得が理解できますし、第2編では、まず全体像を把握して定義を書き出し、問題点から背景を探り当てて自己主張という結論に導くという、作文の書き方そのものを内容的な面に配慮して習得できます。

第3編では20以上の頻出テーマを取り上げてポイントや答案の作り方、解答例を掲載しています。ただし、本書の頻出テーマは格差社会、少子化、女性の社会進出、防災といった個別の時事的なテーマを掲載する一方、公務員像や自分自身に関する課題は含まれていません。

このため、「1週間で書ける」で文章作成のノウハウと時事的テーマ対策を行う一方、「実戦添削例から学ぶ公務員試験 論文・作文」で公務員像や自分自身に関するテーマ対策を行うことをおすすめします。こちらはメインの参考書として使うよりも、「自己を語る」「あるべき公務員像を語る」という章が設けられているため、「1週間」では足りないテーマ対策の補強に最適です。

作文試験は単に知識や解法を競うだけの択一式試験だけでは測れない、公務員としての適性や社会人としての人間性・価値観を問う試験といえます。それと同時に、課題に関して感じたことをどう表現するかは、やはりしっかりと専門の教材を使って習得すべきだといえます。