衆議院事務局一般職大卒:平成26年度・専門記述の試験問題

今回は、平成26年度・衆議院事務局一般職大卒の専門記述試験の試験問題を取り上げます。

憲法は以下の通りです。

以下の見解について論評せよ。
「公立学校において,カリキュラム上必修とされる授業の履修を信仰上の理由から拒否している生徒に対し,特別な代替措置を講じることは,宗教上の理由に基づいて有利な取扱いをすることになり,公教育に要求されている宗教的中立性を損ない,ひいては,政教分離原則に抵触することにもなりかねない。」

この問題は、神戸高専剣道実技拒否事件として、学校教育における信教の自由の保障が争われた有名な最高裁判例を取り上げています。精神的自由権の箇所で必ず学ぶ重要論点であり、判例百選にも収録された標準的な問題といえます。

行政法は以下の通りです。

行政争訟(広義)制度において,一定の情報提供を「行政庁」に義務付ける次のア~ウの条文について,以下の設問①~④に答えよ。
ア.行政不服審査法第57条第1項:行政庁は,審査請求若しくは異議申立て又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条において単に「不服申立て」という。)をすることができる処分をする場合には,処分の相手方に対し,当該処分につき不服申立
てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをするこ
とができる期間を書面で  A  しなければならない。ただし,当該処分を口頭で
する場合は,この限りでない。
〔第2項~第4項省略〕
イ.行政不服審査法第58条第1項:行政庁が前条の規定による  A  をしなかつたときは,当該処分について不服がある者は,当該処分庁に不服申立書を提出することができる。
〔第2項~第4項省略〕
第5項:(前略)第1項の規定により不服申立書が提出されたときは,はじめから当該処分庁に異議申立て又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。
ウ.行政事件訴訟法第46条第1項:行政庁は,取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には,当該処分又は裁決の相手方に対し,次に掲げる事項を書面で  A  しなければならない。ただし,当該処分を口頭でする場合は,この限り
でない。
第1号 当該処分又は裁決に係る取消訴訟の  B  
第2号 当該処分又は裁決に係る取消訴訟の出訴期間
第3号  C  
〔第2項,第3項省略〕
設問①
Aには同一の文言が入るが,それは何か答えよ。
設問②
B,Cは,いずれも取消訴訟の訴訟要件に関わる事項である。それぞれについて,いかなる訴訟要件に関するものか答えよ。
設問③
アの規定とウの規定がどのような関係にあるかを,ウの制定の経緯を簡潔に述べつ
つ説明し,さらに両者に共通する趣旨は何か答えよ。
設問④
ウの規定には,アの規定に対応するイのような規定が存在しない。仮に,取消訴訟の出訴期間について  A  が行われなかった場合,次の小問1及び小問2に理由を付して答えよ。
小問1
そのことのみを理由として,当該処分は取り消し得べき瑕疵又は無効な瑕疵を帯
びることになるか。
小問2
出訴期間の要件充足をめぐる判断において,どのような意味をもち得ると考えら
れるか。

行政争訟制度をめぐる重要な論点を取り上げた問題ですが、やや込み入った内容を問う設問や小問が混じっており、この年度は行政法を回避した受験生が多かったと思われます。

政治学は以下の通りです。

リプセットとロッカンの凍結仮説について解説し、その現代政治に対する妥当性について述べよ。その際に、キルヒハイマーとイングルハートの考えに言及すること。

「リプセットとロッカンの凍結仮説」自体はとても重要な論点で学習した方も多いと思いますが、「キルヒハイマーとイングルハートの考えに言及すること」で、どこまで書き切れたが合否の分かれ目だったかもしれません。いかに基本書を徹底して読み込んだかがストレートに反映される問題といえます。

経済学は以下の通りです。

フィリップス曲線とはインフレ率と失業率の関係を示したものである。短期と長期のフィリップス曲線を図示した上で,なぜ短期と長期でフィリップス曲線は異なる形状をとるのかを説明せよ。

この年の専門記述試験の選択科目のなかでは、最も選択した方が多かったかもしれません。フィリップス曲線はとても典型的な基本論点ですし、短期と長期の違いはミルトン・フリードマンの自然失業率仮説に触れておけば十分です。

衆議院事務局・大卒

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