公務員試験の問題の解き方

今回は、公務員試験の問題について、解き方のコツ、教養試験の問題集、公務員試験の問題数やその割合を紹介するとともに、公務員試験の問題作成の過程や、同じ問題が出ることがあるのか、公務員試験の問題形式(択一式)とは何かといった基本的な質問にも答えます。

まず、公務員試験の問題は、単に「できた」「できなかった」で済ませるのではなく、ひとつひとつの選択肢を精査し、それぞれの選択肢の「どこを間違っていたのか」を確認する作業を行いましょう。

公務員試験は頻出項目が繰り返し出題され、問題文や選択肢から練り直されることが珍しくありません。詳しくは後ほど公務員試験の問題作成の過程で紹介しますが、公務員試験の問題の選択肢をひとつづつ潰していくことは、極めて効果的な試験問題の活用法といえます。

もちろん、公務員試験のすべての問題でこれをやりなさいとは言いません。例えば、1回目は出来ても2回めに間違えた問題はこれをやるべきですし、1回目に間違えて選択肢の精査を行った問題のうち2回目以降できるようになった問題はこれを行う必要はありません。

つまり、公務員試験の問題を出来なかったときに出来なかった問題だけを徹底的に精査することで、頻出問題から自分だけの弱点箇所を抽出してピンポイントで補強する方法を、自然に普段の勉強のなかに取り入れていくわけです。

また、公務員試験の問題は、これでもかこれでもかと繰り返すことも重要です。単に問題集を1回目、2回目、3回目、、、と繰り返すのではありません。

公務員試験の問題は、ある科目の問題集に取り組むときに、前回同じ科目に取り組んだときに出来なかった問題を解き直すところから始めたり、週単位でその週に取り組んだ問題をザッと解き直したり、各章が終わるごとにでも解き直すなど、試験勉強のなかで同じ問題を反復して叩き直すということを習慣化すると良いでしょう。

これをやっておくと、1回目は相当しんどくても、2回目、3回目、、、と繰り返すうちうに、確実に自力で解ける問題が増えていき、トータルの勉強時間が減っていくはずです。

公務員試験の問題は「何回繰り返せばできますか?」という形式的なことではなく、各自が実質的に何を見ないでも解けるようになることが重要です。選択肢の精査と解き直しの習慣化は、本当に自力で解ける力を身につけるための非常に有効な勉強法といえます。

公務員試験の問題集(教養試験)

ここでは、公務員試験の問題集について、教養試験を取り上げます。ここでは、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)、市役所、国家一般職大卒、国家専門職(国税、財務、労基、矯正心理専門職/法務教官/保護観察官など)といった標準的な大卒程度の公務員試験を想定しています。

また、公務員試験の問題集は教養試験の場合、行政系・事務系、理系公務員(技術職)、福祉系・心理系など試験区分を問わず共通の試験内容であることが一般的であるため、どの区分の方でも参考になります。

まず、公務員試験の教養試験の問題集といっても、ある程度解法を習得する必要がある一般知能(知能分野)と、暗記部分が大半を占める一般知識(知識分野)では、要求される能力に伴って問題集の使い方も違ってくると思います。

一般知能のうち数的処理(判断推理、数的推理)では、まずは「みるみるわかる! 解法の玉手箱 実務教育出版」シリーズ(数的推理、判断推理の2分冊)をおすすめします。数的処理を初めて学ぶ初学者の方が、非常に基本的な典型問題の練習を通じて、公務員試験に必要な解き方のパターンを一通り習得するのに最適な基礎問題集です。

玉手箱で解法パターンを理解したら、本格的な問題集に取り組んで公務員試験の問題に見合った自力で解ける力を身につけます。これは「新スーパー過去問ゼミ4 判断推理」「新スーパー過去問ゼミ4 数的推理」をおすすめします。収録問題の精度の高さと本試験に対応できるだけの実力をつけることができる定番問題集です。

文章理解の基礎問題集としては、「速読速聴・英単語 Core 1900」をおすすめします。大学受験で使った経験があれば、「速読英単語(2)上級編」に替えても良いでしょう。

これらは、どちらも比較的長めの英文を豊富に掲載しており、英文を速く読む力と語彙力の向上を両立させることができる英単語集です。ともにコンパクトなサイズであり、スキマ時間を活用して随時どんどん進めるのが賢い使い方といえます。

文章理解や資料解釈の問題集にも、「新スーパー過去問ゼミ4 文章理解・資料解釈」をおすすめします。やはり本格的な過去問演習が、公務員試験には絶対に欠かせません。「スー過去」は、徹底的な反復学習によって本番の試験問題が解けるだけの力の養成には必須の問題集といえます。

その一方、教養試験のなかでも一般知識は、暗記部分が大半を占める科目ばかりです。高校の教科書~センター試験レベルの参考書をサッと読んでから「スー過去」というパターンもおすすめですが、教材を絞るのであれば「過去問新クイックマスター」がおすすめです。

「過去問新クイックマスター」は、同種の問題集にしては要点整理部分も詳しめで、人文科学と自然科学は2分冊となっており、単純な暗記でも通用しやすい一般知識にはスー過去よりも適しているといえます。

特に社会科学や人文科学の問題集は、「公務員試験過去問新クイックマスター 社会科学」および「公務員試験過去問新クイックマスター 人文科学」(2分冊)に絞っても良いかと思います。その一方、自然科学は非常に定型的な典型問題が頻出であるため、もっと基本問題を重視した「だからカコモンで克服 自然科学」がおすすめです。

公務員試験の問題集は、どの問題集を使う場合でも、先ほど取り上げた通り、出来なかった問題をそのまま放置せず、解説をよく読んで選択肢を精査したり、途中の過程や計算を省かずに解法をしっかり書き出して再現するといった勉強を徹底し、意識的に反復学習を習慣化することで、確実に実力を定着させることができます。

公務員試験の問題数とその割合

ここで、公務員試験の問題数とその割合を取り上げます。大卒程度公務員試験では最も標準的な地方上級を取り上げます。教養試験はどの区分の方も参考になりますし、専門試験は行政職(行政系・事務系区分)を対象に取り上げます。

教養試験の問題数と割合

教養試験で最も問題数が多く、高い割合を占めるのは数的処理(判断推理、数的推理)です。判断推理と数的推理が、総解答数50問の自治体なら9問と6問、40問の自治体なら5問と6問出ています。

文章理解も教養試験に占める割合の高い科目です。どの自治体でも9~10問出ており、現代文3~4問、英文5問、古文1問です。この出題数を考慮すると、古文を勉強するのはコスパが悪く、多くの受験生が行ってる通り、古文は捨て科目にして構いません。

資料解釈も1問です。こちらも捨て科目にして良いのですが、国家公務員や東京都、東京都特別区、警視庁、東京消防庁では2~4問出るので、これらを志望先にする方は勉強を怠るべきでは無いでしょう。

一般知識(知識分野)の問題数は、社会科学が10~12問、人文科学が8~9問、自然科学が7問という自治体が一般的です。

社会科学は一般知識で最も割合が高く、社会(社会事情)・時事問題が3~5問、法律と経済が3問づつ、政治が1問という問題数が一般的です。社会・時事には政治問題も含まれており、どの科目もまんべんなく勉強すべきでしょう。

人文科学は日本史と世界史が2~3問づつ、地理が2問、思想が1問という自治体が一般的です。文学・芸術、国語は警察官や東京消防庁で1~2問出ることがあるものの、その他の公務員試験では出ないため捨て科目にして良い科目です。

自然科学は化学と生物が2問づつ、物理、地学、数学が1問づつという問題数が一般的です。1科目あたりの割合が非常に低く、定型的な基本問題を勉強するだけでも取りやすい分野です。

教養試験の割合は、地方公務員なら知能と知識が45~55%づつで半々に近いのですが、東京消防庁は自然科学の割合が社会科学や人文科学より明らかに高めで、国家公務員や東京都、東京都特別区、警視庁、都道府県警察官では知能が6~7割、知識が3~4割となることは留意すべきでしょう。

専門試験の問題数と割合

専門試験の問題数は地方上級の行政系・事務系区分の場合、憲法4~5問、行政法5問、民法4~6問ですが、選択解答制の自治体では行政法や民法は7~8問づつ出ます。経済学(経済原論、経済理論)も8~9問(関東では12問)出ており、これらの科目は真っ先に勉強すべき最重要科目といえます。

財政学は3~4問出ており、上記の最重要科目のめどがついたら必ず勉強すべき問題数といえます。他の経済系科目(経済政策、経済政策、経済史)が1~2問づつ出る自治体もあります。どれも先に経済学をクリアしておけば、とても勉強しやすい科目です。

行政系科目では政治学、行政学、社会政策、国際関係が2~3問づつ出ており、社会学が2問課される自治体もあります。行政系科目は暗記が苦手で無ければ、どれも学習効果が高い科目ですし、最優先でなくても集中的に時間をとって勉強することがおすすめです。

このほか、刑法、労働法が2問づつ課されますし、自治体によっては経営学を2問課す場合もあります。労働法や経営学は勉強すれば点が取りやすい科目ですが、刑法は出題に占める割合に比べて範囲が広く学習効果がそう高くない科目です。

公務員試験の問題作成

公務員試験の問題作成は、国家公務員の場合は人事院、地方公務員の場合は公益財団法人の日本人事試験研究センターが手がけています。その一方、独自に試験問題を作成している試験もあります。

まず、国家公務員の試験問題の作成は、大部分は人事院です。ただし、国会職員(衆・参事務局、国立国会図書館職員など)や裁判所職員(裁事、家裁など)は三権分立の建前上、行政機関である人事院が問題作成に関与することはなく、それぞれが立法機関、司法機関の採用試験として独自に作成しています。

また、行政権が及ぶ国家公務員であっても、外専や防専などのように、専門性が高い公務員試験の問題作成は、それぞれの行政機関が関与しています。

その一方、地方公務員の試験問題の作成は、約94%の自治体が日本人事試験研究センターに委託しています。この機関は、試験問題の作成・提供から採点処理まで一貫して受託業務を行うだけでなく、面接試験についても全国の自治体の担当者に対し、技術的なアドバイスを行っています。

日本人事試験研究センターが作成した問題を利用する自治体は、地方上級で45道府県・19政令指定都市、市役所で751、事務組合等(消防組合など)で1,251、国の機関でも8つが利用しています。

このセンターが作成した問題を利用せず、独自の試験問題を作成しているのは東京都、東京都特別区、大阪府、大阪市などです。ただし、これらの自治体においても、試験形式が異なるといった違いが見られるものの、他の同等の自治体の試験範囲や難易度を参考に問題を作成しています。

このセンターでは、問題作成を受託した都道府県、政令指定都市を賛助会員と位置づけ、政令市以外の市役所とは問題作成において異なる扱いを行っています。このため、都道府県・政令市(地方上級、数的処理)と政令市以外の市役所では、難易度に若干の違いが見られます。

このように、どの公務員試験の場合であっても、問題作成は一貫した過程が確保され、択一式試験の解答結果はコンピュータ処理によって採点処理が行われます。公務員試験は、少なくとも一般的な筆記試験では、極めて公平に実施されるといえます。

公務員試験で同じ問題に出くわすことがあるのか?

「公務員試験で同じ問題が出ることがあるのか?」という点も、よくある質問ですが、この質問は2つの場合に分かれます。

このうち1つは、「同じ年度の異なる公務員試験の間で」同じ問題に出くわすことがあるのか?、という点です。これについては、「同じ問題が使われることは一般的だが、受験生が出くわすことは無い」といえます。

例えば、国家総合職(大卒)では、教養区分を除くすべての区分で、基礎能力試験(教養試験)は全く同じ共通問題が使われます。国家一般職(大卒/高卒)、国家専門職(国税、財務、矯正心理専門職/法務教官/保護観察官など)でも、それぞれの試験の異なる区分(職種)どうしで、基礎能力試験は共通問題です。

地方公務員では、地方上級や市役所といった自治体ごとに、同じ日程で実施される自治体どうしなら、全国的に幅広く全く同じ共通問題が見られます。

ただし、同じ年度で全く同じ問題が使われる公務員試験は、同一日程や異なる区分の共通試験といった場合のみです。これは受験生から見ると、同じ問題に遭遇することは無いといえます。

その一方、2つ目の「同じ公務員試験でも、過去に出題された問題から同じ出題があるのか?」という意味なら、全く同一は考えにくいものの、極めてよく似た問題や定型的なお決まりの問題が繰り返し出るということは非常によくあることだといえます。

先ほど説明した通り、公務員試験の問題は一貫した過程で作成されます。公務員試験は就職試験の一種である以上、年度によって人材のブレがあっては良くないため、結果として試験問題も同じ水準の頻出項目や難易度に偏ったものとなっています。

公務員試験の問題のうち、国家公務員試験は試験ごとに作成され、地方公務員も公益財団法人が受託して作成しています。地方公務員は都道府県・政令市・東京都特別区(地方上級、地方初級)と政令市以外の市役所で難易度が違うものの、同日日程なら共通問題が使われ、どの自治体を目指す場合も、一般的な地方公務員の試験勉強で対応することができます。

公務員試験は、担当者が数年おきに変わっていても、前任者までの問題を踏襲し、安定的な人材確保のため大きく傾向が変わることの無い試験といえます。過去問を徹底攻略すれば、本試験でも「どこかで見たことがある」問題に遭遇することが珍しくありません。

こうしたことから、国家公務員なら試験ごと、地方公務員なら地方上級、政令市以外の市役所、高卒程度の公務員試験といった志望先別に過去問を繰り返し反復学習することが、同じ問題が繰り返し出て来る公務員試験への最良の勉強方法だといえます。

公務員試験の問題形式とは

公務員試験の問題形式で最も一般的なものは、択一式(多肢選択式)と呼ばれる形式です。これは、それぞれの問題に対して5つの選択肢からマークシート方式で正答を選ばせる形式です。

択一式は、非常に公平な試験形式です。ただ、受験生からすれば、単に問題を解いて「できた」「できない」だけを確認するだけでは、公務員試験に必要な知識や解法の習得につながらず、一向に実力が向上しない点には注意が必要です。

択一式試験は、答えを書かせる短答式や論述を求める記述式とは異なり、要求された事柄を知ってるか知ってないかがストレートに反映される問題形式です。漢字の誤りや日本語の表現を間違えてるといった点だけで減点されることが無く、合格できるチャンスは非常に大きな問題形式といえます。

また、国家公務員試験や東京都など一部の専門試験では、記述式が導入されています。これは各科目の重要な知識を抑えた上で、主要論点に対する正確な知識と論述能力が問われる問題形式といえます。

これとは別に、論文(作文)試験は公務員試験で幅広く見られる問題形式です。専門試験の記述式試験(専門記述試験)と区別するために、教養記述(教養論文)と言われることもあります。

論文(作文)試験という問題形式で問われる課題は幅広く、自分自身の経験ややりがいなど、公務員のあるべき姿といった問題や、社会的な時事問題について取り上げる課題も見られます。

このほか、専門性の高い職種では実技試験、警察官や消防官では身体測定・身体検査も行われます。筆記試験で短答式や短文記述式が課される公務員試験はほとんど見られず、ごく一部の自治体で見られる問題形式です。

ここまで見てきて、公務員試験の問題を独学でこなすのは難しいと感じた方は、受験予備校の利用を視野にいれるべきだと思います。