労働基準監督官A(法文系)の学習計画(半年~1年/専願)

今回は、労働基準監督官A(法文系)を全くの初学者が独学で目指す、専願の学習計画を取り上げます。大学3~4年、既卒者、社会人を対象に、本試験まで半年~1年の学習期間を想定していますが、1年半を切った時期ならいつ始めても構いません。

労基Aは、基礎能力試験(教養試験)は国税専門官・財務専門官など同日実施の国家専門職と共通試験です。数的処理(判断推理、数的推理)や文章理解の出題数が多く、一般知識(知識分野)では時事を含んだ社会科学が多めです。

専門試験(択一式)では、労働法7問と労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係)5問の計12問が必須問題、選択問題の出題数は憲法4、行政法4、民法5、刑法3、経済学13、労働経済2・社会保障4、社会学1の計36問(28問選択解答)となっています。

また、専門試験(記述式)は、労働法と労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係)が1題ずつで、2題とも必須解答です。このほか、人物試験(個別面接)がありますが、論文試験は課されません。

労基Aでは、必須科目で記述式も課される労働法と労働事情、労働事情と一体的に学習すると相乗効果が高い社会政策(労働経済と社会保障)、単純な暗記だけでは通用しない憲法、民法、行政法、経済学、数的処理、専門科目が理解しやすくなる社会科学や時事対策が、真っ先に学習すべき最優先科目といえます。

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数的処理(判断推理、数的推理)

労基では判断推理8問、数的推理5問出ており、基礎能力試験の最重要科目と言えます。試験勉強の開始時点から、「新スーパー過去問ゼミ4 判断推理」「新スーパー過去問ゼミ4 数的推理」をおすすめします。

「スー過去」は、要点整理と過去問演習が一体となった過去問集です。1回目は要点整理を読み込み、代表的な例題である必修問題だけに取り組むことで、一通りの解法パターンが理解できます。

2回目以降は必修問題に過去問演習を加えて本試験まで繰り返します。こうすることで、基本から本試験レベルまで、スー過去1冊で備えることができます。難問や国家総合職の問題については、解説を読んでもわからないような問題は飛ばしていっても構いません。

社会科学

社会科学は時事問題が3問、法律、政治、経済が各1問出ています。一般知識(知識分野)で最も出題数が多いというだけでなく、専門科目の学習経験が無い方にとっては、先に社会科学をやっておくと、専門科目が理解しやすくなります。

社会科学のメイン教材には、「公務員試験過去問新クイックマスター 社会科学」をおすすめします。過去問集としては、要点整理が詳しめですし、標準問題のウェイトが高い良書です。

「クイマス」は、高校の教科書~センター試験レベルの問題が中心の知識分野では、最も適切な過去問集だといえます。社会科学も数的処理と同じく、試験勉強の初めから着手すると、あとの学習が進めやすくなります。

専門試験(労働法)

労働法は必須科目ですし、記述式も課されます。択一対策や入門書に先行して取り組み、これらの理解のめどが付いた時点で記述対策に取り組みます。

まず、「新スーパー過去問ゼミ4 労働法」をおすすめします。初学者でも全くの基礎から本試験レベルまで習得できるメイン教材であり、労働法の択一対策なら本書1冊で十分です。

労働法は専門記述試験(記述式の専門試験)も課されます。論点の整理に必要な基礎知識を習得するため、入門書として「公務員Vテキスト 労働法 TAC」をおすすめします。

Vテキストは、大手予備校TACの受講生向け標準テキストです。独学の場合でも、簡潔な記述で無駄がなく、何度も読み込むことで、初学者でも重要な論点の基礎知識をストレートに理解できる良書です。

労働法は、学習計画の初めから取り組み、まずはスー過去をメイン教材と位置づけて問題演習を繰り返しながら、Vテキストを読み込んで記述対策に必要な知識をインプットしておきます。

専門記述対策(労働法)

労基の専門記述試験(記述式の専門試験)のうち、労働法は、3つ程度の用語を100文字程度で書かせる用語説明問題、判例などを題材にした事例問題、ある事例の中から労働基準法などに違反する事柄など問題点や指導内容を抽出させる問題、という小問が出題されます。

労基の労働法の記述式試験は、ごく標準的な難易度です。司法試験のように自説と反対説を列挙して学説対立にも触れながら論証を展開するといった高度な記述は要求されません。独学なら、司法試験向けの入門レベルの概説書で対応出来るといえます。

労働法の記述対策としては、「プレップ労働法 森戸英幸 弘文堂」がおすすめです。司法試験向けの入門書として高い人気を誇る参考書です。笑いも交えた楽しく読める文体で、重要論点は漏れ無くまとめています。

また、これとは対照的で堅実な記述の「労働法 下井隆史 有斐閣」や、改訂の頻度が高くボリュームがある「ベーシック労働法 有斐閣アルマ」も、労基の記述対策には適切な分量です。「プレップ」の文体が合わなかった方や、大学の授業やゼミで指定教材になっている方は、これらのテキストに替えることもおすすめできます。

プレップ、下井労働法、ベーシックは、記述対策のメイン用途に使える参考書です。どの参考書も労基の出題傾向や難易度には最適な良書ですし、見た目や値段で選んでも構いません。重要なことは、理解の軸となる参考書を1冊定め、しっかりと論点整理を行うことです。

参考書とは別に、代表的な労働判例の確認を行うには、「労働判例百選」をおすすめします。労働法の理解に不可欠な最重要判例を解説し、近時の重要判例も加えた定番判例集です。

その一方、判例付き六法(「有斐閣判例六法」など)があると、参考書で出てきた判例で百選にも無いケースを調べる場合に便利です。

ここまで、労働法の記述対策は、参考書と判例百選を何度も読み込んで論点の整理を行い、分からなかった判例は判例付き百選で調べて知識の補充を行います。学説など専門的で高度な部分は、労基では問われないため飛ばして読んでも構いません。

労働法の専門記述対策は、入門書や択一対策をクリアした時点なら、いつ始めても構いません。

専門試験(労働事情、労働経済・社会保障)

労働事情は必須科目で記述式も課される重要科目ですが、労働経済・社会保障と一体的に取り組むことで、高い学習効果が得られます。出題数が多く、学習期間の初めから入門書に取り組むべき重要科目です。

労働経済と社会保障は、両者合わせて「社会政策」として取り組みます。社会政策という科目の労働分野が労働経済、社会保障(福祉)分野が社会保障であり、こうした知識を前提にした科目が労働事情といえます。

社会政策の入門書としては、やはり「公務員Vテキスト 社会政策」をおすすめします。Vテキストは初学者が全くの基本から学習し、択一対策や記述問題の基本レベルまで使うことができる優れた入門書です。

労働事情の入門書には、「労働経済学入門 太田、橘木 有斐閣」をおすすめします。テキストの割には時事的な課題を豊富に取り上げており、労働事情に加え、労働経済(=社会政策の労働分野)のうちVテキストでは足りない重要項目をカバーすることができます。

社会政策(労働経済・社会保障)と労働事情は、社会政策のVテキストで基本的な用語や典型論点の理解を深め、「労働経済学入門」で最新の論点に関する知識を補完することで、択一対策は十分ですし、記述対策に必要な背景知識もしっかりおさえることが可能です。

なお、労働事情や社会政策では、市販の過去問集がありません。労基の試験問題は人事院に請求できるため、入手することが望ましいといえます。ただし、人事院提供の試験問題は問題と解答だけですし、請求から入手まで数ヶ月かかる場合がある点は留意すべきです。

このため、人事院の過去問が試験勉強に間に合わないことも想定して、労基専願の方は、後述どおり模試を積極的に受けたり、過去問演習書や本試験問題集の活用をおすすめします。

労働事情や社会政策は暗記的な要素が強く、まずは入門書を中心に学習し、模試や過去問演習書/本試験問題集で理解度の確認を行えば、択一対策や基礎固めは十分に対応できます。このほか、後述の時事対策もしっかり行いましょう。

専門記述対策(労働事情)

労働事情の専門記述試験は、労働経済に関する3つ程度の用語を100文字程度で書かせる用語説明問題、特定のテーマに関して現状や施策などを述べさせる論述問題、という小問が出されます。

労働事情の専門記述試験も、ごくごく標準的な難易度です。用語説明問題では、「就業率」「実質賃金」「労働生産性」など、社会政策の労働分野としての労働経済・労働事情だけでなく、経済学の一分野である労働経済学からの出題も含まれています。

論述問題については、ある特定のテーマについて、説明を求められる設問ごとに、提示された3~4つのキーワードを使いなさい、という形式が続いています。どのキーワードも、以下の2冊の入門書にしっかり取り組めば、標準的な典型用語はクリアできるはずです。

論述問題でも、文章の核となる部分にキーワードを配置し、個々のキーワードを上手に結びつけ、要求された論点について厚みをつけた答案が書ければ、分量的にも内容的にも合格答案に達することができる問題がほとんどです。

やはりここでも、「公務員Vテキスト 社会政策」の労働経済・労働事情の章で基本項目を読み込み、経済学とも重なる内容や最新の論点は「労働経済学入門 太田、橘木 有斐閣」でしっかりと補強を行います。この2冊の入門書を徹底理解することが、記述式においても労働経済・労働事情の基礎固めにつながるといえます。

その一方、論述問題は、ほぼ毎年「労働経済白書」(かつての労働白書)からの出典が見られます。入門書だけでは対応できない、最新動向や議論を踏まえた出題可能性が高い論点の理解に、ぜひとも取り組むべき本だといえます。

労働経済白書は高価な本ですが、毎年9月に出ており、例年200~300ページで、択一式問題でも頻繁に引用が見られます。試験勉強の早いうちから入手して、何度も通読しておくと、択一・記述ともに、労働分野の知識と思考能力が体系的に高まると思います。

労働事情の専門記述試験は、キーワードを軸に入門書を徹底して読み込み、知識や論点を整理しておけば、定型的な典型問題に対処できるだけの基礎固めが十分できます。あとは、労働経済白書を熟読し、時事対策に取り組むことで、出題可能性が高い項目もしっかり把握しましょう。

労働経済・労働事情は、択一・記述対策を一体のものとして、試験勉強の初期のうちから入門書に取り組み、基本的なキーワードや重要な項目を整理します。その後、白書や時事対策で出題可能性が高い論点や最新の論点・キーワードを補充しつつ、体系的な理解を仕上げていきます。

専門試験(憲法、民法、行政法、経済学)

専門試験の選択問題のうち、憲法、民法、行政法、経済学は単純な暗記が通用せず、ある程度まとまった理解が必要な科目です。これらの科目も、数的処理、社会科学、労働法、労働事情などと同じく、学習期間のなるべく初期のうちから取り掛かるべき科目です。

専門科目の過去問集には、「新スーパー過去問ゼミ4」をおすすめします。スー過去は過去問集としては、類似問題の重複といった無駄が無く、網羅性と精度の高さを両立しており、専門科目には最適です。

専門試験の択一式試験には、スー過去だけで十分対応できます。要点整理を熟読し、必修問題から過去問演習という流れで本試験に備えます。その一方、スー過去だけでは分からないという科目や、記述式が課される科目では、入門書の併用をおすすめします。

入門書は、憲法、民法、行政法では、「まるごと講義生中継」をおすすめします。大手予備校TACの授業を再現した参考書で、読み物的な文体で何度でも読みやすく、初歩から非常にわかりやすい良書です。

経済学の入門書としては、「最初でつまずかない経済学」(マクロ編/ミクロ編の2分冊)、「らくらく経済学入門 週刊住宅新聞社」(マクロ、ミクロ、計算問題編、記述・論文編の4分冊)、「速習!経済学 石川秀樹」(速習!マクロ経済学、速習!ミクロ経済学、基礎力トレーニング(マクロ&ミクロ)の3分冊)の各シリーズから1つ選ぶことをおすすめします。

どのシリーズもとても読みやすく、初学者が何度も通読することで、経済学の基本から本試験に必要な知識を理解することができます。3シリーズとも定評のある人気参考書ですし、見た目や値段で選んでも構いません。どのシリーズの場合も、公務員試験にはマクロ、ミクロの2冊で十分です。

経済学は13問のうち、経済学(経済原論、経済理論)が9問、経済事情が4問出ており、労基の経済事情は難問であることが知られています。経済学はもちろんですが、経済政策や経済事情にも取り組むことをおすすめします。

これらの科目も、試験勉強の当初から先行して取り組み、スー過去をメイン教材にして問題演習を繰り返す一方、入門書を何度も読み込んで、各科目のアウトラインを掴み、理解の促進に役立てます。

時事対策

労基Aにおいて、時事対策は非常に重要です。まず、公務員試験の時事対策参考書の定番として知られる「公務員試験 速攻の時事 実務教育出版」は、厚生、労働に関する章もありますし、政治、経済、財政、国際、文部科学、環境、司法警察、社会問題という幅広い各章において、公務員試験に特化した精度の高い時事対策が出来る良書としておすすめです。

本書には「公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編」という併用教材があります。掲載問題のレベルにバラつきがあるため、問題の出来不出来はあまり気にしなくても大丈夫です。

トレーニング編の問題部分は、出題可能性が高い項目を知る手がかりとして、市販では貴重な問題集といえます。また、約400語の重要時事用語をスマートに解説しており、強力な時事用語集として単独でもおすすめできる良書です。

また、「直前対策ブック 実務教育出版」は、白書、法改正&新法、重要判例、各種統計やデータなど、公務員試験では頻出なのに受験生が見落としやすい最新項目を補充できる総合対策本としておすすめです。

このほか、公務員試験の時事問題では、ノーベル賞の受賞者やオリンピックのメダル数といった問題も見られます。「最新時事用語&問題 新聞ダイジェスト別冊」は原則として年に3回(春・夏・秋号)刊行されており、定期的な時事情報のチェックにおすすめです。

文章理解

文章理解はとても出題数が多い重要科目です。現代文・英文とも重要ですが、労基で古文が出ることは無いため、古文を学習する必要はありません。まずは、試験勉強の初めのうちに、「新スーパー過去問ゼミ4 文章理解・資料解釈」の必修問題を何問か解いてみましょう。

ここで、分からない英単語が多かったり、英文を読むのが遅いと感じた方には、「速読速聴・英単語 Core 1900」をおすすめします。大学受験で使った経験があるなら、「速読英単語(2)上級編」に替えても構いません。

どちらの英単語集も、比較的長い英文を豊富に掲載し、速読と単語力の向上を両立させて練習できる良書です。スキマ時間も活用してどんどん読み進め、英文に必要な基礎を固めます。

文章理解自体は暗記すべき事柄がほとんどなく、問題を解く勘に慣れていくことで点が取れる科目です。いきなり過去問集から始めても構いませんし、あまり早期から取り組む必要もありません。

とはいえ、出題数の多い重要科目です。「新スーパー過去問ゼミ4 文章理解・資料解釈」に着手したら、本試験まで毎日コツコツ、英文と現代文を1日1~2題つづ、1日あたりの勉強時間は少なくても良いので、勉強しない日を作らず、問題を解く勘を鈍らせないようにしましょう。

スー過去を解き切ったら、「公務員試験過去問新クイックマスター 文章理解」または「過去問500」に入っても構いません。文章理解は「習うより慣れろ」の科目といえます。

資料解釈

資料解釈は3問出ます。暗記的要素が少なく、いきなり過去問集から始めて問題を解く勘で解けるようになる科目です。文章理解と同じ時期に同じやり方で、本試験まで毎日1~2問づつ、練習を切らさずに続けて行きましょう。

資料解釈も、「新スーパー過去問ゼミ4 文章理解・資料解釈」がおすすめですし、これをやりきったら、「公務員試験過去問新クイックマスター 数的推理・資料解釈」または「過去問500」に入ります。

労基の資料解釈は3問という、そこそこ出ている科目です。問題演習を続けることで比較的容易に点が取れる科目ですし、文章理解のように必ず学習すべき科目といえます。

人文科学、自然科学

人文科学は日本史、世界史、地理、思想・倫理、自然科学は生物(または地学)、物理、化学が各1問出ます。一般知識(知識分野)は高校の教科書~センター試験レベルですが、人文科学や自然科学は社会科学よりも易しい問題が出る傾向が見られます。

このため、人文科学、自然科学は「上・中級公務員試験 20日間で学ぶ 日本史・世界史(文学・芸術)の基礎」「上・中級公務員試験 20日間で学ぶ 社会・地理(思想)の基礎」「上・中級公務員試験 20日間で学ぶ 生物・地学の基礎」「上・中級公務員試験 20日間で学ぶ 物理・化学(数学)の基礎」をおすすめします。

「20日間」は、過去問集としては効率性を優先して典型的な頻出問題を重視しており、要点整理と問題演習が一体となった速習型教材です。労基の人文科学、自然科学に最適ですし、要点整理を読み込んで、問題演習に取り組みます。

労基では人文科学、自然科学は単純な暗記で通用する基本問題が多く、主要な科目をクリアしたあとで取り組んで良い分野です。テーマごとの重要度や問題の難易度が3段階表示されており、時間的な余裕が無い方は、最重要テーマや無印の基本問題に絞っても構いません。

専門試験(刑法、社会学)

刑法や社会学は、出題数が多くなく、刑法は学習すべき量が多い割に点に結びつきにくく、学習効果が低い科目です。どちらも深入りせず、典型的な必修問題や基本~標準問題に絞って手堅く済ませれば十分ですし、後回しにして良い科目です。

これらの科目は、「新スーパー過去問ゼミ4 刑法」「新スーパー過去問ゼミ4 社会学」をおすすめします。択一式試験だけなら、本書だけでも、要点整理から必修問題→過去問演習という流れで、初学者でも全くの基本から本試験まで対応することが出来ます。

特に刑法、社会学は出題数を考慮すれば、国総や*3つの難問は飛ばす、過去問は必修問題と*1~2つの問題に絞るという学習で構いません。学習時間に制約のある方は、労基の頻出度の高いテーマに絞る、あるいは、社会学は学習しないことを検討しても良いでしょう。

刑法、社会学とも優先度は低く、後回しにしても構わない科目です。

面接対策

労基の人物試験は、個別面接です。まずは、自己分析を通じて自分のコアな部分を作り、あらゆる質問に対応できるアプローチを解説した「面接・官庁訪問の秘伝」を読み込みます。

これと同時に、採用する側つまり面接官の側から、面接試験を行う意味や要求されている回答を導く「公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」も合わせて熟読することをおすすめします。

2冊の参考書は、受験者自身と面接官という、面接試験を両面から分析した対照的な良書です。両方を読み込むことで、面接試験の実態と自分で出来る自己分析のノウハウを理解することができます。

試験勉強の早期から参考書を読み込んでおけば、あとになって模擬面接を受ける際に、自信を持って臨むことができます。模擬面接は、大手予備校の利用のほか、大学の学内講座・キャリアセンター、ハローワークなど、必ず各自で受験する機会を作ることをおすすめします。

模試

労働基準監督官Aの専願の方には、LECの「地上・国家一般職<行政系>スペシャル模試パック」やTACの「公務員 公開模試」がおすすめです。

先述の通り、一部の科目では、労基の出題科目に特化した市販の過去問集が無いため、なるべく多くの模試を受験して、問題練習を行う機会を確保すべきです。

模試は各回ごとに受験することもできます。受験前年の年末(在学生は大学3年の年末)~本試験の直前まで実施されます。理解度の確認にとどまらず、弱点分野の発見と補強に活かし、総合的な得点力の向上につなげましょう。

過去問演習書/本試験問題集

先述の通り、労基では労働事情、社会政策(労働経済、社会保障)に関する市販の過去問集が無いため、独学なら過去問演習書や本試験問題集の活用は必須だといえます。

国家専門職[大卒]教養・専門試験 過去問500」は、労基に関する専門科目の問題は少ないのですが、どんな問題が出題されるのかを知る貴重な問題集としておすすめします。

本試験過去問題集 公務員試験 TAC 労働基準監督官A」は、労基Aの直近の試験問題を年度別に復元した本試験問題集です。問題冊子を1年毎に取り外すことが出来るため、自宅で時間を測って予行演習を行うことができます。

TACの本試験過去問題集は、人事院への過去問の請求が間に合いそうに無い場合はもちろんですが、解説が詳しいため、しっかりと過去問攻略を行うことができます。

労働基準監督官A(法文系)の学習計画(半年~1年/専願):まとめ

労基Aでは、数的処理、社会科学、労働法、労働事情・社会政策が最重要科目です。また、憲法、民法、行政法、経済学は理解に要する負担が大きく、同様に先行して取り組むべき重要科目です。

労働法、労働事情の記述対策は、入門書や択一対策をクリアしたら、いつ始めても構いません。また、労基では、時事対策の重要度が高いといえますし、学習期間を通じて取り組むべきです。

文章理解、資料解釈も必ず取り組むべき科目です。先行する必要はありませんが、重要科目までのめどがついた時点で過去問演習に取り組み、本試験までコツコツ取り組みます。

面接対策も試験勉強を通じて参考書を読み込んでおき、模擬面接の機会は必ず確保すべきです。刑法、社会学、人文科学、自然科学は最低限の学習で後回しにして良い科目ですし、学習時間に限りのある方は、社会学、人文科学・自然科学の苦手科目は学習しないことを検討しても良いと思います。

労基の場合、一通りの学習が到達した時点で、模試、過去問演習書、本試験問題集は必ず積極的に取り組み、総合的な実力を上げていくことで試験本番に備えます。