裁判所事務官(大卒)

裁判所事務官(大卒)は平成27年度から試験制度が改正されており、裁判所事務官・総合職の採用庁決定方法の変更、試験名称の変更などが行われています。

このうち、試験の名称は、以下のように旧名称→新名称となりました。試験の傾向と対策や過去問演習など、旧名称を確認して進める際の参考にしてください。

  • 裁判所職員総合職(法律・経済区分)→裁判所職員総合職(裁判所事務官)
  • 裁判所職員一般職大卒→裁判所職員一般職(裁判所事務官、大卒程度)
  • 裁判所職員総合職(人間科学区分)→裁判所職員総合職(家庭裁判所調査官補)

裁判所事務官では、総合職と一般職大卒で重なる試験種目では、共通問題が課されると受験案内で明記されています。

また、裁判所事務官総合職の受験申し込み時に「特例」を希望すると、総合職で不合格となった場合に、一般職大卒の受験者としての取扱いを受けることができます。特例の有無が合否に影響することはありません。

特例受験の方は総合職の試験に加え、一般職大卒の試験種目である論文試験(小論文)を受験することが必要です。

なお、2次試験のうち、専門記述試験の憲法と論文試験(小論文)は、1次試験日に実施されます。

裁判所事務官は行政権から独立した国家公務員(国家特別職)ですが、司法に関する事務の権限を持った事務系公務員といえます。ここで、裁判所事務官(大卒)の試験内容を取り上げます。

基礎能力試験(多枝選択式)40題 3時間
知能分野 27題、知識分野 13題
専門試験(多枝選択式)30題 1時間30分
必須問題 憲法 7題、民法 13題
選択問題 刑法又は経済理論 10題

2次試験は以下の通りです。

論文試験(小論文) 1題1時間
※第1次試験日に実施
※一般職大卒および総合職の特例希望者のみ。
専門試験(記述式) 総合職大卒は3題、一般職大卒は1題
憲法(基本的な一行問題、説明問題が中心で、専門記述対策(東京都1類B/国税/財務)(裁事/家裁の憲法)で対応できます)
※憲法は第1次試験日に実施。総合職・一般職で共通問題
民法、刑法(非常に高度で難易度の高い事例問題が出るため、民法(専門記述対策/国総レベル)刑法(専門記述対策/裁事・総合職大卒、家裁・総合職大卒)で対応します)
※民法、刑法は総合職大卒のみ。
政策論文試験(記述式)1題 1時間30分
※総合職大卒のみ。
人物試験
個別面接

※3次試験は総合職大卒のみ課されます。人物試験(集団討論及び個別面接)が実施されます。

なお、裁判所事務官の総合職大卒と一般職大卒について、受験案内でそれぞれの試験種目の配点比率が明記されます。必ず確認しましょう。

裁判所事務官(大卒)の試験対策

裁判所事務官(大卒)の択一式試験は総合職・一般職で共通問題です。

基礎能力試験(教養試験)は40問必須解答です。一般知能(知能分野)27問、知識分野(一般知識)13問だと告知されています。

  • 数的処理(判断推理、数的推理、図形、空間)→数的推理10、判断推理4出ます。基礎能力試験の3割以上を占める最重要科目であり、試験勉強の初めのうちから取り組むべきです。
  • 文章理解→英文7、現代文4出ます。古文は出ません。出題数が多い重要科目ですが、毎日の練習の積み重ねで乗りきれる科目です。
  • 資料解釈→2問出ます。練習するだけ点が取れる学習効果の高い科目です。
  • 社会科学(時事対策含む)→時事3、法律、政治、経済から1づつ出ます。知識分野では最も重要な科目です。
  • 人文科学→日本史、世界史、地理、思想が1問づつ出ます。ここもしっかり勉強すべきですし、取りこぼす受験生が少ない分野でもあります。
  • 自然科学→化学、地学、物理が1問づつ出ます。優先度は低いものの、基礎・典型問題の勉強だけでも得点力に結びつく分野です。

裁事の基礎能力試験は地上・国一レベルの標準的な問題が多いのですが、1割程度は国総並みの難問が含まれる傾向だといえます。近年は難化傾向も見られており、地上・国一の問題を中心にしつつ、国総の標準的な問題まで見据えた試験勉強をおすすめします。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)に使える参考書・問題集について、当サイトでは、大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)で対応しています。

専門試験(択一式)は必須科目の憲法、民法は地上・国一レベルの問題が主流ですが、国総レベルの難問も2割程度は混じっています。

選択科目の刑法又は経済理論は、比較的高度な難問の割合が多いといえます。国総レベルの問題はもちろん、経済理論は演習書で経済政策や経済事情にも取り組みましょう。

使用教材は大卒公務員向けの一般的な教材で良いのですが、受験生のレベルや合格ラインを考えると、地方上級・国家一般職大卒の問題を中心にしつつ、国家総合職の問題にもしっかり取り組むことをおすすめします。

ここまで、裁判所事務官(大卒)の択一式試験では、国家総合職~地上/国一レベルの大卒公務員の試験勉強が必要といえます。

専門記述では憲法のみ総合職・一般職共通問題ということもあって、「労働基本権について論ぜよ。」(平成25年度)「国の唯一の立法機関」について論ぜよ」(平成26年度)「財産権の保障について論ぜよ。」(平成27年度)という、非常に基本的な一行問題・説明問題が続いています。

その一方、民法、刑法は非常に高度で難易度の高い事例問題が出ます。国家総合職レベルあるいは司法試験に近い試験勉強が必要です。

裁事では人物試験(面接試験)もあります。特に筆記試験では足りないという方は、人物試験対策(面接試験、集団討論、官庁訪問)(大卒程度)を読み込んだり、参考書を利用してシュミレーションを実践しましょう。裁事の面接試験固有の注意点については、裁判所事務官(大卒/総合職、一般職):2次面接対策が参考になります。