裁判所事務官(大卒・一般職)の過去問(平成25~27年度)

今回は、裁判所事務官(大卒・一般職)の過去問について取り上げます。ここでは、直近の傾向と対策、および、過去問の公開状況を紹介します。

裁事(一般職大卒)の過去問:択一対策

基礎能力試験は、平成27年度は自然科学は4問とも難しい問題でしたが、他のどの科目も時事的な傾向が強いこと以外は、比較的標準的な出題が続きました。地方上級・国家一般職・国家専門職(国税など)レベルの試験勉強をこなせば十分だといえます。

平成27年度の専門択一のうち、憲法は総論2問、人権5問で統治がゼロでした。ただし、それ以前は統治機構から3~4問は出ているため、油断すべきではありません。27年度はいきなり1問目が学説問題でしたが、そう難しい問題では無かったはずです。

民法は平成27年度は総則4問、物権2問、債権総論2問、債権各論5問で、従来より総則・債権各論が増えました。13問中7問は基本問題、5問は珍しい項目の出題ですが難問ではなく合否の分かれ目だったかと思われます。相当な難問は1問だったといえます。

刑法は平成27年度は総論から6問、各論から4問で、内容的には学説問題が2問、その他は基本的な判例の知識を問う問題でした。判例集をしっかりやっていれば容易に解けた問題ばかりで、基本的な論点と判例を重視する傾向が目立ちます。

経済理論は、平成27年度もマクロ経済学とミクロ経済学から5問づつの出題でした。マクロ経済学は応用領域からの基礎的な出題が目立ち、ミクロ経済学はマクロより難しめの出題も見られました。

このうち、マクロ経済学は細かい論点の貨幣の定義、3年連続出題の新古典派成長論のソロー・モデル、経済統計や経済事情を問う問題、開放経済下の45度線分析、ベバリッジ曲線やオークン法則などやや細かい論点を問う失業論でした。

マクロ経済学は5問とも基礎的な問題ではあるのですが、経済政策、経済成長論、開放経済下のマクロ経済学といった非常に幅の広い論点が目立ちます。こうしたマクロ経済学の「応用領域の基礎」をカバーした勉強が必要です。

ミクロ経済学は需要の価格弾力性、利潤最大化条件、カルテル、代替効果と所得効果、最適労働供給でした。カルテルは解くのに時間がかかる問題で地雷になったかもしれませんが、他の4問は基礎~標準的な問題といえます。

総じていえば、裁判所事務官の択一対策は、地方上級・国家一般職・国家専門職レベルの勉強を中心にしつつ、刑法や経済理論は判例集や応用領域(経済政策、経済成長論、国際マクロ経済学、経済事情)の基礎部分といった幅の広い勉強を徹底することが必要です。

裁事(一般職大卒)の過去問:裁事の論文試験(小論文)

裁事の論文試験(小論文)の過去問は、以下の通りです。

平成25年度
現代社会における価値観やライフスタイルの多様化が組織に与える影響を検討し、組織として取り組むべき課題や対応策について論じなさい。
平成26年度
いわゆる「ゆとり世代」の若者が社会で活躍していく上で、強みとなることと課題となることについて、あなたの考えを述べなさい。
平成27年度
いきいきとやりがいを持って働くことができる良好な職場環境を整える上で、あなたが重要と考える要素を検討し、その実現に向けた方策について論じなさい。

裁事の小論文は、変化する社会に対して、組織の取り組み、あるいは、個人のあり方や課題を問う出題が目立ちます。特に働くこと、社会に貢献できること、といった、社会人としての適性を試すような課題といえます。内容的には、地方上級・国家一般職レベルの標準的な公務員試験の対策で対応できるレベルです。

専門記述の憲法の過去問は以下の通りです。

平成25年度
労働基本権について論ぜよ。
平成26年度
「国の唯一の立法機関」について論ぜよ。
平成27年度
財産権の保障について論ぜよ。

裁事の記述憲法は、ここ3年近く、一貫して基本的な一行問題が続いています。基本書をしっかり読み込んで、重要な論点は漏らさず整理できていれば、まず落とすことの無い問題ばかりです。憲法に限れば東京都1類Bと同じような問題で、記述式も公務員試験向けの教材で十分対応できます。

当サイトでは、裁判所事務官(大卒)の試験内容や試験対策については、総合職大卒/一般職大卒を合わせて、裁判所事務官(大卒)にまとめています。

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