裁判所事務官(大卒・総合職)の過去問(平成25~26年度)

今回は、裁判所事務官(大卒)の総合職の過去問について取り上げます。裁判所は大卒の総合職と一般職において、同じ試験種目では共通問題を課すと告知しています。つまり、1次試験は全く同じ試験問題で、2次試験でも論文試験(小論文)と専門記述の憲法が同じ問題ということになります。

ここでは、大卒・総合職にのみ課される試験種目の過去問を取り上げます。大卒・一般職と共通の試験種目や、過去問の公開状況・入手方法に関しては、次回の一般職の記事で取り上げます。

裁事・総合職大卒の過去問:専門記述(民法、刑法)

裁判所事務官のうち、総合職にのみ課される専門記述の民法、刑法は、憲法とは明らかに難易度が異なります。非常に長い問題文のためここでは割愛しますが、直近の過去問では、民法は2~3問の小問に分かれ、刑法は複雑で高度な事例問題が1題出ています。

記述の民法、刑法は、国家総合職レベルといえる難易度で、司法試験に近いものがあります。重要な論点は判例も含めて徹底的に整理し、高度な事例問題にも対応できる体系的な理解と論述展開力が必要だといえます。

裁事・総合職大卒の過去問:政策論文

政策論文も総合職のみ課されます。過去問は非常に問題文が長く、添付資料も多いため割愛しますが、出題されたテーマは以下の通りです。

平成25年度は、「甲家庭裁判所の少年事件の事件数は落ち着いているが、事件数に比べ補導委託、とりわけ身柄付補導委託があまり活用されていない」という趣旨の事例と、その実情を示した別紙「甲家庭裁判所における身柄付補導委託の活用の実情」(6項目の報告書のような文書、および別表1~2では補導委託件数の推移や家庭裁判所に登録された補導委託先の内訳が明示)が提示され、「資料1~2を参考に、身柄付補導委託の効果的活用のために甲家庭裁判所が取り組むべき課題を整理した上で、それに応じた対応策を検討しなさい」という課題でした。

2つの資料は、補導委託制度を説明した「1 家庭裁判所の補導委託制度」という文書と、「2 少年法(抜粋)」でした。

平成26年度は、家庭裁判所の利用者から寄せられた相談や質問等(6つほど箇条書き)が提示され、資料1~4を参考に、「家庭裁判所がより国民にとって利用しやすい裁判所となるための方策を、家庭裁判所の窓口業務の充実の観点から論じなさい」(提示された相談や質問等への個別の対応について検討を求めるものではない)というものでした。

4つの資料は、「1 家事事件手続法の概要等に関する説明文、2 家事手続案内についての説明文、3 インターネットの利用者数及び人口普及率の推移外、4 家事事件の推移」で、1~2は説明文、3~4は図表・グラフの統計でした。

裁判所総合職の政策論文は、裁判所が直面する課題への対処能力や、裁判所事務官としての適性をを問う論文試験といえます。非常に複雑な事例に基づく数々の別紙・別表・資料を読み解く力が求められます。

政策論文は問題文本文で問われている論点を書き出し、出題された別紙・別表・資料には出来る限りすべてのものに触れて書くことが望ましいといえます。それぞれの添付内容を精査して論点を書き出し、各論点を有機的につないで問題から結論に導くようにしましょう。

政策論文の課題は、裁判所を取り巻く問題が頻出事項です。近年は家庭裁判所からの出題が多いのですが、それだけとは限りません。

裁判所の公式サイト、パンフレット、定期的な刊行物は必ず随時チェックすべきですし、特に統計資料や各種報告書は見逃さず読み込みましょう。単に見るだけでなく、何が問題なのかを意識づけて読む練習を行います。

裁判所事務官(大卒)

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