専門記述対策(東京都1類B/国税/財務)(裁事/家裁の憲法)

東京都1類B(一般方式)行政区分、国税専門官、財務専門官の専門記述試験は、国家総合職レベルの高度で複雑な事例問題ではなく、いわゆる一行問題や説明問題が主流であり、標準的な専門記述対策で対応できます。

また、裁判所事務官・大卒(総合職/一般職大卒とも)や家庭裁判所調査官補・総合職大卒でも憲法に限れば、やはり東京都1類B/国税/財務と同じく、標準的な専門記述対策で対応できます。ここでは、こうした標準レベルの専門記述対策を取り上げます。

まず、専門記述の出題科目は以下の通りです。国税・財務では、同じ試験種目には共通問題が課されており、専門記述においても同じ科目どうしなら同じ問題です。

  • 東京都1類B(一般方式)行政区分:憲法、行政法、民法、経済学、財政学、政治学、行政学、社会学、会計学、経営学から10題中3題選択。
  • 国税専門官:憲法、民法、経済学、会計学、社会学から1科目選択
  • 財務専門官:憲法、民法、経済学、財政学、会計学から1科目選択

ここからの専門記述対策は、各科目の基本事項の習得を前提にしています。これを済ませていない方は、後述通り、まずは先に科目別の参考書や択一対策に取り組みましょう(以下のリンクは、それぞれの名称によるアマゾン(Amazon.co.jp)の検索結果ページを含みます)。

憲法は、「公務員試験 専門記述式 憲法 答案完成ゼミ 実務教育出版」をおすすめします。これが合わなかった方には、Wセミナー(TACグループ)の「公務員試験論文答案集 専門記述 憲法」に替えることもおすすめできます。

どちらも過去問と独自問題で構成され、未出の予想テーマも含め、論点整理と答案練習ができる良書です。どちらか1冊で十分ですし、全論点に取り組んで憲法をメイン科目(本命科目)にするのも、頻出度や難易度で絞り込んだ論点だけを勉強するサブ科目(予備科目)にするのも良いでしょう。

なお、「公務員試験対策1冊で合格シリーズ 憲法 伊藤塾」は、記述対策にとても使いやすい参考書です。基礎~標準的な論点をこれ1冊でひと通り整理することができます。使っている他の参考書が合わなかった方にも最適な良書です。上記の論点集と併用して、ベースとなる知識の整理に役立つ参考書としておすすめできます。

民法は、Wセミナーから出ておらず、「公務員試験 専門記述式 民法・行政法 答案完成ゼミ 実務教育出版」をおすすめします。民法をメイン科目にする方は多くないため、サブ科目として勉強するには十分な分量だといえます。

経済学は、メイン科目にするなら、一定の難問にも対応できる高度な内容も含んだ「試験攻略 新・経済学入門塾 論文マスター編」(中央経済社)をおすすめします。

これが合わなかった方には、週刊住宅新聞社の「らくらくミクロ・マクロ経済学入門 記述・論文編」に替えることもおすすめできます。本書も基本~標準的な論点を押さえることが出来ますし、サブ科目にするなら十分な良書です。

会計学では、「新スーパー過去問ゼミ5 会計学」が、国税・財務・東京都の専門記述の過去問を20問以上収録しています。解答例が冗長で、会計基準そのままの記述があるのも難点ですが、ほぼ毎年改訂されており、基本論点の確認に使える参考書としておすすめします。

このほか、税務経理協会「国税専門官会計学―記述式」も良くまとまった良書ですが、2002年以降全く改訂されていません。会社法や会計基準などが全く反映されていないことは要注意ですが、改正点に注意できる受験生なら、どんな問題が出るのかを知る参考に十分使えます。

会計学の場合は、「らくらく会計入門 週刊住宅新聞社」が択一・記述どちらの対策にも使えますし、非常にわかりやすい定番参考書として知られています。先ほど挙げた「スー過去」や「国税専門官会計学」で論点を参照しつつ、「らくらく」で知識を補完して論点整理を行う勉強が望ましいといえます。

財政学は、国家総合職・専門記述の試験委員経験者でもある井堀利宏・東大教授の「井堀 財政学 新世社」がおすすめできます。国税・財務・東京都のレベルなら、本書と過去問やスー過去を併用して主要項目ごとに論点整理する勉強をおすすめします。

専門記述の参考書は独自問題は本試験より難しく、模範解答はとても高度な傾向があります。専門記述で100%の満点答案が書ける受験生はいませんし、出来なかったことを過度に気にする必要は無く、答案例も要点を把握する参考程度に確認すれば十分です。

社会学は、TACの「公務員Vテキスト 社会学」をおすすめします。他の科目のように独学向けの専門記述の市販教材が無い場合には、Vテキストは論点整理のベースに使えます。

ここから先は、東京都1類B(一般方式)行政区分のみ課される科目です。

行政法では、Wセミナーの「公務員試験論文答案集 専門記述 行政法」が、40論点および事例問題5題を収録し、行政法をメイン科目(本命科目)として取り組むには十分おすすめできます。

一方、実務教育出版の「公務員試験 専門記述式 民法・行政法 答案完成ゼミ 実務教育出版」は25論点を収録し、サブ科目(予備科目)として勉強するには本書をおすすめします。

なお、行政法に限らず専門記述の参考書は、非常に難しい解答例が一般的です。満点答案が書ける受験生はいませんし、こんなに書けないからと心配する必要はありません。どの科目でも、模範答案はひとつの参考例として参照すれば十分です。

政治学、行政学、経営学は、専門記述に特化した公務員試験向けの参考書がありません。これら3科目は、TACの受講生向けテキスト「Vテキスト」シリーズ(「公務員Vテキスト 政治学」「公務員Vテキスト 行政学」「公務員Vテキスト 経営学」)が市販されており、これを専門記述の論点整理に活用することができます。

「Vテキスト」は独学を想定した参考書ではなかったのですが、改訂を重ねて最新の傾向を反映するとともに、見やすさや読みやすさが徐々に改善されています。重要論点を厳選したテキストであり、専門記述の論点整理に最適な構成といえます。

ここまで、標準的な大卒公務員の専門記述対策を取り上げました。

このうち、憲法、行政法、民法、経済学、財政学に関しては、基本事項の習得が済んでいない方は、先に科目別の記事で取り上げた参考書や択一対策を済ませておきましょう(財政学はスー過去を参考書代わりに使いましょう)。東京都は専門択一試験が無いのですが、やはり同様に科目別の記事で取り上げた参考書を読んでおきましょう。

政治学、行政学、社会学、会計学、経営学については、今回の記事の参考書で、初学者でも全くの初歩的な基礎から専門記述対策まで済ませられます。

  • →アマゾン(Amazon.co.jp)の「公務員試験」ページに行きます。