市役所(教養のみ)の学習計画(5ヶ月~超短期)

今回は、教養試験のみが課される(専門試験が課されない)市役所の合格を短期間で目指し、初学者が全くの基本から本試験まで独学で取り組む学習計画を取り上げます。大学生、既卒者、社会人の全ての方が対象となります。

学習期間は、本試験まで2~3ヶ月程度を標準的な時期として想定しており、3~5ヶ月あれば問題無いと思います。その一方、2~1ヶ月未満の方でも、この学習計画で十分に対応できるよう考慮して説明を進めていきます。

この学習計画では、市役所(教養のみ)以外にも、専門試験が課されない国立大学法人や経験者採用試験(事務)にも対応します。

数的処理(判断推理、数的推理)

数的処理(判断推理、数的推理)は、教養試験(基礎能力試験)で3割の出題比率を占めており、単純な暗記では通用しない科目です。真っ先に取り組むべき最重要科目といえます。

数的処理には、「新スーパー過去問ゼミ5 判断推理」「新スーパー過去問ゼミ5 数的推理」をおすすめします。要点整理と過去問演習が一体となった過去問集で、初学者でも基本から本試験まで一貫して使うことができるメイン教材です。

数的処理の「スー過去」は、1回目は要点整理をよく読んで、必修問題をこなします。2回目以降は必修問題と学習効果が高いアイコン(「本書の構成と使い方」で説明されています)の付いた問題を繰り返します。本試験まで3~1ヶ月未満という方は、これでも精一杯と思います。

3ヶ月以上の学習期間が取れる方は、これに加え、*が1~2つの問題に1つでも多く挑戦します。ここは、難易度が低い問題を優先し、各章の冒頭で示された頻出度(A~C)が低い項目、あるいは、市役所で全く出ていない項目は飛ばしても構いません。

数的処理は、必修問題と学習効果が高い問題は必ず自力で解けるようにします。あとの問題は、2回も3回も解説を読んでも出来ない問題は飛ばす一方、最初は出来なくても解説を読んで自力で解ける問題を1問でも多く増やすようにしましょう。また、国総の問題は飛ばしても構いません。

社会科学

社会科学は、知識分野(一般知識)のなかでは取りこぼす受験生が最も少なく、時事問題も含んでいる重要な分野です。科目別出題数を考慮すると、どの科目にもまんべんなく取り組むべきでしょう。

社会科学は、「公務員試験過去問新クイックマスター 社会科学」をおすすめします。

「クイマス」は、過去問集にしては解説が詳しめで、標準的な問題を重視しています。高校の教科書~センター試験レベルの問題が中心の一般知識では、クイマスが最適です。

社会科学の「クイマス」の場合も、1回目はインプット部分(要点整理部分)と必修問題に取り組み、2回目以降は必修問題と直前復習問題(本書冒頭のおすすめ学習法に一覧表がありますし、該当問題にはマークがついています)に絞って繰り返します。本試験まで3~1ヶ月未満という方は、これで精一杯だと思います。

本試験まで3ヶ月以上という方は、これに過去問演習を加えます。国総の問題は飛ばしても構いませんし、市役所の方は応用レベルの問題を飛ばしても構いません。社会科学は暗記事項が多いため、要点整理部分も随時チェックしましょう。

また、各章の冒頭で示された志望先の出題数が無い項目(セクション)を飛ばしたり、問題ごとに表示された志望先別の頻出度が低い問題は飛ばして構いません。クイマスの場合、市役所の方は「地上」を参考にします。

クイマスの場合は、必修問題と直前復習問題は必ず自力で解けるようにします。そのほかの問題は、志望先に応じて絞り込んだ上で、やはり2回も3回も解説を見てわからない問題は省き、解説を読んで理解できる問題は自力で解けることを目指します。

社会科学は一般知識の中では落とすことが許されず、後述する時事対策と連動して学習効果を高め、数的処理と同様に真っ先に取り組むべき重要分野といえます。

文章理解

文章理解は、大半の市役所では現代文と英文が2~4問ずつ合計6問、古文は1問です。現代文と英文だけ学習すれば良く、古文は学習の負担と出題数を考慮すれば、学習しない受験生が多い科目です。

文章理解は出題数を考えればとても重要な科目です。まずは「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」で現代文と英文の必修問題を何問づつか解いてみましょう。

ここで英文を早く読むのが苦手と感じたり、分からない英単語が多いと感じたら、「速読速聴・英単語 Core 1900」をおすすめします。大学受験で使った経験がある方なら、「速読英単語(2)上級編」に替えてもよいでしょう。

これらは、比較的長めの英文を多数掲載し、速読の練習と英単語の習得を両立させた良書です。早いうちから投入し、試験勉強の細かなスキマ時間を活用して、どんどん読み進めておきましょう。

文章理解自体は暗記的な要素が皆無に近く、いきなり過去問集から始めてもよい科目です。今回想定する短期学習計画なら、「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」の過去問をどんどん進めましょう。毎日英文と現代文を1~2問づつ、コツコツと解き進めます。

文章理解は「習うより慣れろ」の要領で、問題を解くうちに点が取れる感覚が身についていく科目です。1日あたりの学習量は短くて良いので、勉強しない日を作らず、問題を解く勘を鈍らせないことが肝要な科目です。

スー過去をクリアしたら、「公務員試験過去問新クイックマスター 文章理解」または「市役所上・中級 教養・専門試験 過去問500」に入っても構いません。文章理解は出題数の多い重要科目ですし、とにかく本試験まで継続して問題を解き続けましょう。

人文科学

人文科学は日本史、世界史、地理を学習すれば十分です。市役所も国立大学法人も、これらの科目が2~3問づつ、合計6~7問出ることが一般的です。

6月実施の市役所で思想が1問、国立大学法人で文学・芸術が1問出る以外は、思想、文学・芸術、国語が課されることが無く、これらの科目は学習する必要がありません。

人文科学の過去問集も、社会科学と同じく「公務員試験過去問新クイックマスター 人文科学」(2分冊)をおすすめします。社会科学で説明したのと同じ要領で進めれば十分です。

人文科学は、社会科学ほどでは無いものの、文系の受験生を中心に、取りこぼすことが少ない分野です。数的処理や社会科学をクリアした時期で良いので、しっかり取り組んで基本~標準レベルは漏れ無く学習すべき分野といえます。

自然科学

自然科学は、市役所も国立大学法人も、生物が2問で化学・物理・地学・数学が1問づつです。典型的な基本問題が頻出ですが、1科目あたりの出題数がとても少ないため、後回しにして最低限の学習に絞っても構わない分野です。

自然科学はメイン教材も、「だからカコモンで克服 自然科学」をおすすめします。過去問集としては要点整理が丁寧で基本問題を重視しており、定型的で基礎的な問題が多い自然科学には最適な教材です。

「カコモン」を使う場合、要点整理と典型問題は必ず取り組み、1回目はこれに絞って基礎レベルを攻略します。本試験まで3ヶ月~1ヶ月未満の方はこれを繰り返せば良いと思います。

2回目以降は典型問題と過去問演習を繰り返します。過去問部分は、国総の問題は飛ばしても構いませんし、問題ごとに3段階表示された試験別の重要度のうち、志望先の重要度が最も高い問題に絞って取り組みます。市役所の方は「地上」を参照します。

さらに、各章の冒頭にテーマ別の出題頻度の一覧があります。自然科学なら、志望先で○~◎のテーマだけに絞り込んで取り組んでも良いでしょう。ここでも市役所の方は、「地上」を参考にします。

自然科学はとても基礎的で典型的な問題が頻出です。社会科学や人文科学は「重要度が低い問題を省く」のに対し、自然科学は「重要度が高い問題に絞る」で良いと思います。

自然科学も「カコモン」の典型問題は必ず自力で解けるようにします。他の問題は、志望先に応じて絞り込み、2回3回と解説を読んでも分からない問題は飛ばして構いませんが、解説を読んで分かる問題は自力で解けるようにしましょう。

自然科学は優先度が低く、着手するのはここまで説明してきた科目をクリアしたあとでも構いません。基礎的な問題と暗記を要する問題が頻出であり、直前期に短期集中的にこなして良い分野です。

時事対策

市役所では時事対策が非常に重要です。「時事」「社会事情」などの科目として出る試験がありますし、筆記試験以外でも論文や面接で時事的な課題を問われることがあります。また、社会科学と連動すると互いの学習効果が高まります。

時事対策には、「公務員試験 速攻の時事 実務教育出版」をおすすめします。公務員試験に特化した時事対策の参考書として、長い間幅広く受験生に使われてきた定番中の定番です。

「速攻」は、政治、経済、財政、国際、厚生、労働、文部科学、環境、司法警察、社会問題を幅広くカバーしており、市役所でも必須の教材といえます。なお、本書には、「公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編」という併用教材もあります。

「トレーニング編」は、収録問題の難易度にバラつきがあるため、問題の出来不出来は気にする必要はありません。市販の教材で同種の時事問題集が無く、出題可能性が高い時事項目を知る貴重な情報源としておすすめします。

また、トレーニング編は約400語の重要時事用語をスマートに解説しています。コンパクトな時事用語集として優れており、「速攻の時事」と併用すれば高い学習効果が得られると思います。

これとは別に、「直前対策ブック 実務教育出版」も、公務員試験に特化した時事対策の総合本としておすすめします。

「直前対策ブック」は、法改正・新法&重要判例、各種白書・審議会の答申、主要な統計・データなど、公務員試験にしか出ない特有の時事項目をカバーしており、受験生が見落としやすい情報をしっかり収録した良書としておすすめです。

公務員試験の時事対策に「いつ始めるか」ということはありません。さまざまな参考書を駆使しつつ、ちょっとスキマ時間も無駄にせず、試験勉強の早期から気づいたときに随時読み込んで時事項目を攻略していきましょう。

資料解釈

資料解釈は市役所も国立大学法人も1問しか出ません。無理に学習する必要の無い科目です。ただ、いきなり過去問集から始めても良く、点が取りやすい科目ではあるため、学習時間に余裕のある方は取り組んでも良いでしょう。

資料解釈の過去問集も「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」をおすすすめします。これを文章理解と同じ時期に同じ要領で、1日1~2問、毎日コツコツと勉強しない日を作らず、問題を解く感覚を鈍らせないように解き続けます。

しかし、出題数を考慮すると資料解釈は、やはり他の科目を犠牲にしてまで学習する科目ではありません。学習するにしても、直前期にちょっと必修問題を解いておく、という程度で良いと思います。

論文対策

論文対策にはまず、「1週間で書ける!! 公務員合格作文」をおすすめします。論文試験の必ず知っておくべきルールや、合格答案に結びつく書き方を習得できる優れた参考書です。

本書は第1編で、接続詞の使い方、望ましい字数や分量、ワンセンテンス・ワンテーマといった、形式面から最低限知っておくべき論文のルールを解説しています。ここで論文の形式を整え、減点されない答案づくりが理解できます。

第2編は内容面から解説し、全体像を把握して先に定義付けを行い、問題点から背景を探り当て、問題点と自己主張を結びつけることで結論を導き出すという、合格ラインに到達する論文の組み立て方・書き方を詳しく解説しています。

第3編は論点集です。20以上のテーマにおいて、実際の問題例を提示しています。各テーマは解説だけでなく、解説をビジュアル的に図表化した答案構成も掲載して、実際の答案構成の練習におおいに役立ちます。

各問題の解答例は、100点満点のものではありません。現実的に受験生が書けるレベルで、合格には十分な内容の妥当な解答例が提示されています。これにより、むやみに難解な答案を求めず、限られた時間のなかで効率よく合格答案を目指すことが可能です。

1週間で書ける!! 公務員合格作文」は、一般的な市役所なら本書1冊で一般的な論文のルール・心構え、実践的な合格答案の書き方、テーマ別の問題研究と答案練習ができる定番の参考書としておすすめします。

「1週間」は、なるべく試験勉強の初期のうちに読み込んでおくことをおすすめします。これをやっておくと、実際の答案練習も、余裕を持って進めることが可能です。答案練習自体は、学習時間に限りのある方は直前期でも良いので、必ず取り組みましょう。

答案練習は、大手の受験予備校を利用する以外にも、大学の学内講座・キャリアセンター、あるいは、知り合いの方にお願いするなど、各自で必ず添削指導を受ける機会の確保をおすすめします。

面接対策

市役所の面接試験は、個別面接、集団面接、集団討論など、自治体によって異なります。受験案内(募集要項)でどの形式が課されるのか、しっかり確かめておきましょう。もちろん、市役所では官庁訪問は無いため、参考書でも官庁訪問の部分は飛ばして構いません。

面接対策には、自己分析を通じて自分のコアな部分を作り、あらゆる質問に対応できるアプローチの「面接・官庁訪問の秘伝」、面接官の事情や本音を探り、評価されている点は何かを知ることができる「公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」の併用をおすすめします。

両書は、自分でできる面接対策のノウハウを伝授する「秘伝」、採用する側が求めている回答を吟味する「現職人事」という、受験生と面接官の立場に立った非常に好対照な参考書です。

どちらも、面接試験の実態を明らかにして受験生が出来る対処法を解説した良書といえます。2冊あわせて読めば、面接試験の全体像が見えてくる非常に強力な面接対策となります。

もちろん、どちらの参考書も、実際の面接試験の流れ、基本的なルール・心構え・準備すべきものも解説しています。想定問答集もありますし、1つの質問に対して複数の回答例を提示してその是非を検討しており、受験生がさまざまな見方を検討するのに最適です。

市役所の方なら、「秘伝」は1章で面接試験の基本を確認し、官庁訪問に関する2章は飛ばして、面接対策の中核となる3章では、「コア」な部分の作り方や想定問答集など、早期から何度も読み込みましょう。4章は、集団討論が課される方は読んでおきましょう。

また、「現職人事」は、1章は最低限の当たり前の事柄を確認し、2章は官庁訪問以外の部分を参考に読み込みます。3章で、面接官が何を思ってどこを評価基準にしているか、あるいは、コンピテンシー面接への対処法をしっかり理解します。4章が想定問答集、5~6章も参考にして欠かさず読んでおきます。

面接対策も、こうした参考書は、スキマ時間を活用して試験勉強の早期から読み込みます。こうして一定の心構えを作っておくと、あとになって模擬面接も受けやすくなります。

模擬面接は、大手の受験予備校を利用する手もありますが、大学の学内講座・キャリアセンターを利用したり、ハローワークで実施されているものを申し込むなど、各自で必ず受ける機会を確保することをおすすめします。

過去問演習書/模試

過去問演習書には、「市役所上・中級 教養・専門試験 過去問500」をおすすめします。直近の過去問を豊富に掲載した総合問題集であり、各科目の学習を一通りクリアしたら、本書に取り組んで本試験に備えます。

なお、国立大学法人を併願する方は、「国立大学法人等職員採用試験攻略ブック」も追加しましょう。こちらも実際の過去問を豊富に掲載しており、試験を控えた時期になるべく多くの科目に一度に取り組むことで、総合的な実力向上に役立ちます。

また、市役所や国立大学法人の模試としては、LECの「地上・国家一般職<行政系>スペシャル模試パック」やTACの「公務員 公開模試」がおすすめできます。

もちろん、模試はパックではなく、各回ごとに申し込むことができます。このように、科目ごとの学習をクリアした方は、過去問演習書や模試を活用し、総合的な得点力のアップをはかるとともに、弱点項目を発見して補強に活かすことが重要です。

市役所(教養のみ)の学習計画(5ヶ月~超短期):まとめ

市役所(教養のみ)を5ヶ月未満で目指す場合、国立大学法人とも併願ができます。まずは出題数が多い数的処理や、一般知識で最も重要な社会科学を攻略します。

これらの理解のめどがついたら、やはり同様に人文科学に取り組みます。自然科学は後回しで最低限の学習で構いません。

文章理解も出題数が多い重要科目で、試験勉強の初めから着手します。1日あたりの学習量は少なくても構いませんので、本試験まで毎日コツコツ過去問集を解き続けます。古文や資料解釈は、無理に学習する必要はありません。

論文対策、面接対策とも、参考書を早いうちに読み込んでおき、答案練習と添削指導や模擬面接の機会を設けることをおすすめします。

各科目の学習をクリアしたら、模試や過去問演習書を活用し、総合的な得点力の引き上げを目指して本試験に備えます。

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