公務員試験の数的処理の対策

今回は、公務員試験の数的処理の対策を取り上げます。特に、苦手とする方が多い数的推理、判断推理を中心に説明します。

公務員試験の数的処理は、数的推理、判断推理、資料解釈に分かれます。3科目合わせて国家公務員、東京都、東京都特別区、大部分の地方上級では16~17問、市役所でも40問中13問出ており、教養試験(基礎能力試験)の3~4割を占める最重要科目です。

数的処理は、苦手とする方が非常に多い科目でもあります。対策としては、取れるところを取って、合格に必要な部分を手堅く拾う戦略で十分だといえます。捨てることは許されない科目ですが、無理に得意科目にする必要はありません。

数的処理の苦手を克服する対策

数的処理を苦手とする方の多くは、絶対的な練習量の不足、または、数的処理に必要な知識・解法の不足だといえます。

まず、数的処理の苦手意識を克服する対策としては、公務員試験で出題される一通りの出題パターンを練習し、それぞれに応じた解き方の練習を通じて、一定の出題範囲に対応できる解法パターンを習得することが望ましいといえます。

これは、数的処理も公務員試験という就職試験の一種である以上、毎年安定的なレベルの人材を確保する必要があるため、出題される問題も結果として一定の範囲に収まっているためです。

また、教養試験(基礎能力試験)は2~3時間で40~50問解答が一般的です。一般知識(知識分野)をサッと済ませられることを考慮しても、5分もかかって解けない問題は飛ばすべきでしょう。

公務員試験は合格ラインが6~7割だと言われます。暗記だけでも通用する一般知識(知識分野)や点数が取りやすい文章理解でどんどん点数を稼ぎ、数的処理はどれだけ苦手な方でも5~6割取ることを目指せば十分です。

数的処理が苦手な方は、基本~標準問題に絞っても6割クリアは可能です。それでも苦手だという方は、基本問題に絞って5割クリアを目指し、足りない分は他の科目に力を入れることで合格することも十分可能です。

どれが基本問題でどれが難問かを見極める力も、これは数的処理の練習量を積み上げ、あらゆるパターン練習を基本から段階的に行うことで自然と身についていきます。経験値を上げることで幅広く見通す能力を習得できるのが数的処理です。

初めのうちは必修問題を一通り練習し、その後過去問演習を易しい問題から段階的にこなします。数的処理が苦手な方は基本から標準問題までこなして難問は省いて構いません。

さらに重要なことは、数的処理に取り組んだらやりっ放しにせず、徹底して繰り返すことです。一通りの解法パターンを、問題を見ただけで解き方が浮かぶくらいまで何度も繰り返すことで、実際の問題を見て適用すべき解法を駆使する、本当の「解く力」を身につけることができます。

また、あれこれと教材に手を出して数的処理の理解が中途半端になれば、一向に問題を解く力に繋がらず、ますます苦手意識が膨らんで悪循環に陥ります。数的推理、判断推理それぞれにおいて、これという1冊に絞り込み、メインの教材と位置づけて徹底的に繰り返すことが肝要です。

さて、数的処理が苦手だという方には、算数や数学への苦手意識を挙げる方も多いと思います。確かに、数的推理では方程式や整数、速さ・距離・時間、確立や平面図形、判断推理では論理と集合や空間図形が含まれます。

ただし、数的処理で必要な算数・数学の知識は、小~中学校の範囲から、ごく一部の初歩的な部分だけです。先述の通り、数的処理は類型化された解き方さえ練習を通じて習得すれば、数学のセンスなど関係なく解くことができる科目です。

もちろん、「数的処理に必要な算数・数学の知識さえおぼつかない」という方もおられるでしょう。なかには小学校の算数レベルも不安だという受験生もおられます。こうした方には、メインの教材とは別に最適な入門書がありますし、本格的な過去問演習の前に基礎レベルを学習しておけば良いでしょう。

今回の記事では後ほど、数的処理に最適なメイン教材だけでなく、こうした方にも安心できる、独学でサッと必要な部分だけ基礎知識を学習できる参考書も取り上げていきます。

数的処理の過去問

数的処理においても、過去問の攻略が定石です。これは先述通り、数的処理においては、一定の解法パターンの範囲から外れた問題が出ることは無いためです。現在では、要点整理と過去問演習が一体となった過去問集と呼ばれる優れた教材が各社から出ています。

数的処理に関しても、過去問の徹底分析に基づき、公務員試験で要求される解法を一通り分類して編集した過去問集が、数的推理、判断推理、資料解釈という科目別に出ています。

数的処理の過去問集として特に数的推理・判断推理でおすすめできるのが、スー過去の「新スーパー過去問ゼミ4 数的推理」および「新スーパー過去問ゼミ4 判断推理」です。

スー過去は同種の過去問集のなかで最も網羅性が高く、公務員試験で出題可能性がある出題パターンを漏れなくカバーしています。また、標準的な問題を中心にしつつ、初歩的な基本問題から国家総合職の問題まで、あらゆる公務員試験に対応できる良書といえます。

また、国総、地方上級(東京都、特別区を含む)・市役所、国家一般職、裁事、国家専門職(国税/財務など)といった、さまざまな公務員試験にオールラウンドで対応できる過去問集としても、スー過去はメイン教材として十分におすすめできます。

スー過去を使う場合、初めのうちは要点整理と必修問題を一通りこなしていけば、初学者の方や数的処理が苦手な方でも基礎固めができます。2回目以降は必修問題と過去問演習部分を取り組み、本試験まで3回でも5回でも徹底して繰り返します。

数的処理が苦手な方でも、必修問題と星1つの問題は何度でも繰り返して何も見ないで自力で解けることを目指します。星2つの問題も一度は取り組み、自力で出来る問題を1問でも多く増やすことを目指します。

国家総合職以外の方は、星3つの問題は飛ばしても構いません。また、星2~3つの問題は、2回も3回も繰り返しているのに解説を読んでも自力で解けないような問題は飛ばして構いません。

先ほども触れた通り、公務員試験はトータルで合格ラインを目指す試験です。星2~3つの過去問のうち、2度めも3度目も5~6分もかかるような問題は、試験本番でも飛ばすことが望ましい問題です。このような問題は割り切って飛ばして構いません。

その一方、基本問題は手堅く出来るようにすべきですし、標準問題は1問でも多くできるようにしましょう。スー過去は、試験勉強の初めから真っ先に投入し、本試験までに5回でも6回でも繰り返して、問題を見てすぐにどの解法を適用すべきかが浮かんでくるまで自力で解けるようにするメイン教材としておすすめです。

数的処理の参考書

数的処理の参考書としては、「玉手箱」シリーズの2冊をおすすめします。「数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱」および「判断推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱」です。

「玉手箱」シリーズは、数的処理を苦手とする方の入門書として最適な参考書です。スー過去をやっていて、解説を読んでも、書いてることがさっぱりわからない方には、本書から取り組むことをおすすめします。

「玉手箱」シリーズ自体は、数的推理と判断推理の非常に初歩的な過去問をパターン別に掲載した入門書的な参考書です。非常に丁寧で易しい解説を加えた基礎問題集といえます。

玉手箱は実際の問題よりも難易度をとても低くおさえており、本格的なメイン教材には向きません。しかし、基本問題だけ先にこなしておいて数的処理の苦手意識を払拭したい方には、時間的な余裕があれば、スー過去の前の入門書として2~3回繰り返し、典型問題の解法パターンを習得する導入本としておすすめできます。

特に、数的処理に必要な小中学校の算数・数学の必須項目を学び直したい方には、「数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱」だけでもこなしておくことをおすすめします。

こちらの数的推理の玉手箱には、「第0章 いまさらですが…算数・数学のおさらい」という章が設けられています。数学どころか算数も不安だという方は、スー過去の前にここをやるだけでも、必要な知識を十分身につけることができます。

公務員試験の数的処理:まとめ

公務員試験の数的処理を苦手とする方の多くは、解法パターンが身についていない、あるいは、基礎知識の不足だといえます。過去問をやみくもに解くのではなく、基本から標準問題まで、一通りの解き方を習得するまで教材を絞って徹底的に繰り返すことが重要です。

数的処理は短期的にすぐ成果が出る科目ではありません。その一方で、難問に何分も時間をかける必要もありません。必要なら参考書で基礎知識だけでもインプットしておきますが、過去問集をメイン教材と位置づけ、本試験まで何度でも解き直し、我慢強く自力で解けることを目指せば十分実力がつきます。