東京都1類Bの学習計画(半年~1年/専願・併願とも対応)

今回は、全くの初学者が東京都1類Bを第一志望にしつつ、地方上級、市役所、国家一般職大卒、国立大学法人との併願も可能に出来る学習計画を取り上げます。

ここでは、大学3年~4年、既卒者、社会人を対象に、半年~1年程度の学習期間を想定しています。東京都の専願、あるいは、他の公務員試験との併願のどちらにも対応します。

特に、専門試験が記述式の東京都1類Bと、専門試験が択一式の公務員試験(地上、市役所、国一)との併願にも配慮しています。もちろん、専門試験が課されない市役所や国立大学法人との併願にも対応します。まずは、数的処理(判断推理、数的推理)、社会科学、専門試験に取り組みます。

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数的処理(判断推理、数的推理)

数的処理(判断推理、数的推理)は「新スーパー過去問ゼミ5 判断推理」「新スーパー過去問ゼミ5 数的推理」をおすすめします。要点整理と過去問演習がセットになった過去問集であり、これ1冊で基本から本試験までの試験勉強が可能です。

初学者の方は、1回目は要点整理を確認し、必修問題だけを解いて、先に一通りの解法パターンを理解しておくのも良いでしょう。2回目以降は必修問題に過去問演習を加えていきます。

社会科学

社会科学を先行して学習しておくと、専門試験の理解も進みやすく、時事対策の基礎固めにもつながります。社会科学の過去問集としては、「公務員試験過去問新クイックマスター 社会科学」がおすすめです。

クイマスは過去問集としては、要点整理の解説が詳しめで、標準問題に重きをおいています。高校の教科書~センター試験レベルが中心である一般知識(知識分野)では、クイマスが最適だと思います。

専門対策の概要

社会科学と並行して、専門試験に着手しましょう。専門対策は、東京都の専願と併願で若干異なります。

東京都の専門記述は10科目中3科目選択です。例年、基本問題が5科目、標準問題が3科目、難問が2科目前後と思います。各科目とも頻出項目がある一方、どの科目がどれだけの難易度かは年度によって異なります。このため、初めから3科目に絞って深く学習することは賢明とはいえません。

そこで、30~40程度の重要度・頻出度の高い論点を網羅的にカバーする本命科目(メイン科目)を2~3科目、5~10前後の基本・最頻出論点をまとめておき、本試験でメイン科目の課題が全く書けないものだった時に備える予備科目(サブ科目)を2~3科目、合わせて5~6科目で100論点(出来れば120論点程度)まとめることをおすすめします。

選択科目で地雷が出たら何も書けないのは、他の受験生も同じです。解答科目数より2~3つ多くサブ科目をやる代わりに、サブ科目には深入りせず「これが出れば書ける」という範囲で典型的な頻出論点に取り組みましょう。

受験生の多くは、やはり憲法、行政法、民法、政治学、行政学、経済学、財政学から選ぶ方が多いと思います。社会学、会計学、経営学は、学習経験のある方や併願との兼ね合いで勉強している方は選択しても良いと思います。

30~40論点のメイン科目に向いているのは憲法、行政法です。政治学も、20~30程度の論点でひと通り出来る科目です。一方、5~10のサブ科目には民法、行政学、財政学がおすすめできます。

民法は深入りせず、ごくごく頻出論点を最低限押さえれば良いと思います。財政学は知識だけで書ける論点も多く、経済系が苦手な方にも暗記だけで済む論点にとどめるサブ科目としておすすめできます。

行政学、社会学、経営学は専門記述に特化した参考書が無いものの、基本問題の確率が高く、他の科目が合わない場合はおすすめできます。

会計学は、簿記など学習経験のある方には、そう難しい難問が出ることが無いためおすすめできます。その一方、選択する気が無いなら、専願でも併願でも学習する必要の無い科目です。

東京都専願の方は、メインに選んだ科目をクリアしたあと、サブ科目に着手すれば良いでしょう。併願の方は、憲法、行政法、民法、政治学、経済学を先行させ、これらをクリアしたら、行政学、財政学、社会学、経営学に着手すれば良いでしょう。

専願なら、選択する気の無い科目は学習する必要がありません。併願なら、会計学以外の科目は順次取り組みます。どちらの場合も、記述対策は5~6科目行い、会計学を選択するつもりならこれに含めます。

専門試験の基礎固め・併願対策

専門科目は、まずは入門書で各科目の内容を理解し、併願の方はこれに加えて過去問集で本試験レベルまでの過去問演習を並行して行います。

憲法、民法、行政法の入門書は「まるごと講義生中継」をおすすめします。大手予備校TACの授業を再現した講義風の参考書であり、非常にわかりやすくて読みやすい良書です。

経済学の入門書としては、「最初でつまずかない経済学」(マクロ編/ミクロ編の2分冊)、「らくらく経済学入門 週刊住宅新聞社」(マクロ、ミクロ、計算問題編、記述・論文編の4分冊)、「速習!経済学 石川秀樹」(速習!マクロ経済学、速習!ミクロ経済学、基礎力トレーニング(マクロ&ミクロ)の3分冊)の各シリーズから1つ選んで読み込んでおくことをおすすめします。

どのシリーズの場合も、入門書としてはマクロ・ミクロの2冊で構いません。どれも受験生に幅広く使われており、初学者にも定評のある参考書です。見た目や値段で選んでも構いません。

政治学の入門書には、「公務員Vテキスト 政治学 TAC」をおすすめします。無駄な記述が無く、項目ごとに論点を整理しやすい良質のテキストです。

財政学は「井堀 財政学 新世社」、行政学、経営学、社会学は「公務員Vテキスト TAC」シリーズ、会計学は「らくらく会計入門 週刊住宅新聞社」をおすすめします。

どの参考書も、難解な事例問題が出ることは無い東京都の専門記述試験に適した入門書です。一行問題や説明問題が多い東京都の傾向に合わせた標準的なテキストであり、専願でも併願でも各科目を理解できる優れた参考書です。

なお、東京都以外に併願をする方は、過去問集として「新スーパー過去問ゼミ5」をおすすめします。専門試験の過去問集としては、問題の精度が高く、網羅性で優るスー過去がおすすめです。

専門記述対策

入門書(と択一対策)をクリアしたら、記述対策の参考書を使って論点整理を行います。

憲法は「公務員試験 専門記述式 憲法 答案完成ゼミ 実務教育出版」、行政法は「公務員試験論文答案集 専門記述 行政法」がおすすめです。主要な頻出論点を網羅した良書といえます。

民法は、予備科目(サブ科目)と考えるなら、最低限の基本論点はカバーできる「公務員試験 専門記述式 民法・行政法 答案完成ゼミ 実務教育出版」をおすすめします。

経済学は、メイン科目にするなら、一定の難問にも対応できる高度な内容も含んだ「試験攻略 新・経済学入門塾 論文マスター編」、サブ科目にするなら基本~標準的な論点はおさえた「らくらくミクロ・マクロ経済学入門 記述・論文編」をおすすめします。

財政学は、「井堀 財政学 新世社」と「新スーパー過去問ゼミ5 財政学」を併用して、重要度が高い項目から論点整理していく学習が効果的でおすすめです。

会計学は、「新スーパー過去問ゼミ5 会計学」が東京都/国税/財務の過去問から20問程度の典型問題を掲載し、基本論点の確認に最適な良書です。ただし、解答例が冗長で、会計基準そのままの記述があるのが難点です。

このため、わかりやすい解説で、より幅広く重要論点を一通り網羅した「らくらく会計入門 週刊住宅新聞社」との併用をおすすめします。スー過去とらくらく会計入門の併用は、受験生に幅広く使われている定番中の定番です。

社会学、政治学、行政学、経営学は、高度な難問が出ることは無いため、引き続き「公務員Vテキスト TAC」シリーズがおすすめできます。項目別に論点整理を行うことで、基本的な一行問題や説明問題に対応できます。

人文科学、自然科学

東京都が第一志望なら、社会科学と時事対策(社会事情)はまんべんなくしっかりと先行して取り組み、人文科学・自然科学は後回しでも構いません。人文科学は日本史、世界史、地理、思想、自然科学は生物、化学、地学、物理を、なるべく広く浅く学習します。

過去問集として人文科学は「公務員試験過去問新クイックマスター 人文科学」(2分冊)、自然科学はより解説が詳しく基本問題を重視した「だからカコモンで克服 自然科学」で良いと思います。

さらに、専願の方で学習時間に制約のある方は、人文科学・自然科学は、典型的な頻出問題に絞った過去問集の「上・中級公務員試験 20日間で学ぶ」、または、過去問を成文化した実践的な参考書「上・中級公務員試験 過去問ダイレクトナビ」から、どちらか一方のシリーズに替えても良いと思います。

前者を使う場合は要点整理を熟読した上で問題練習が可能ですし、後者を使う場合は過去問の問題文や選択肢からひとつひとつ知識をインプットしていくテキストです。どちらも頻出事項を抽出した優れた教材であり、値段や見た目といった好みで選んでも構いません。

時事対策

東京都では社会事情という形で時事問題が多めに出ています。ここで取り上げる時事対策は必ず行うべきですし、後述する併願科目で取り上げた社会政策の範囲からも出ています。出来れば社会政策も軽く学習しておくと良いでしょう。

時事対策は、受験生に幅広く使われている定番参考書の「公務員試験 速攻の時事 実務教育出版」がおすすめです。政治、経済、財政、国際、厚生、労働、文部科学、環境、司法警察、社会問題とカバーするだけでなく、公務員試験に特化した頻出事項のフォローが可能です。

本書には併用教材として「公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編」もあります。掲載問題の難易度にバラつきがあるものの、重要な時事用語・約400語をわかりやすく解説しており、強力な時事用語集として併用がおすすめできます。

また、「直前対策ブック 実務教育出版」もおすすめです。公務員試験では頻出ながら受験生が見落としがちな白書、法改正&新法、重要判例、各種統計やデータに強く、直前期の時事対策の補強に役立ちます。

併願科目の対策

先述の通り、併願の方は専門記述で選択する気がなくても、憲法、民法、行政法、経済学(経済原論、経済理論)あたりは入門書と「新スーパー過去問ゼミ5」の併用をおすすめします。

専門記述で選択する気がない場合も、社会科学を先行していれば憲法はスー過去だけで十分と思いますし、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学もスー過去だけで十分対応できる科目です。

また、社会政策は東京都の社会事情の対策に役立ちます。行政科目の人気参考書「行政5科目まるごとパスワード neo」の社会政策の部分だけでも読み込んでおくと良いでしょう。

ここまでの専門科目は、専門記述で選択する気が無くても、併願なら択一対策に取り組むべき科目といえます。

その一方、併願とは言え、東京都を第一志望に考えるのなら、社会政策、国際関係、刑法、労働法、経済政策、経済事情、経済史は、捨てても構わない科目です。

ただし、東京都の1次試験終了後、市役所や国立大学法人など併願先まで学習期間があれば、社会政策と国際関係は「行政5科目まるごとパスワード neo」と「過去問500」、刑法と労働法なら学習の負担が少ない労働法を「新スーパー過去問ゼミ5 労働法」で要点整理と必修問題・出来れば*1つの問題まで取り組んでも良いと思います。

社会政策、経済政策、経済事情、経済史は、一般知識の社会科学や日本史・世界史、時事対策で解ける問題が多く、特段の対策が要らない科目です。刑法は学習すべき量が多い割に学習対効果が高くない科目ですし、東京都が第一志望ならスルーしても構いません。

文章理解

文章理解はとりあえずスー過去の必修問題を何問か解いてみましょう。ここで英文を読むのが遅かったり、分からない英単語が多いと感じたら、「速読速聴・英単語 Core 1900」をおすすめします。

「速読速聴・英単語 Core 1900」は割と長めの例文を多数掲載して、速読と単語力の向上が練習できる良書です。同種の参考書として、大学受験で使った経験があるなら、「速読英単語(2)上級編」に替えても構いません。

このような参考書で速読と単語の習得を行う一方、「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」を少しづつ解いていきましょう。文章理解は暗記科目ではなく、問題を解く勘に慣れることで点が取れる科目です。いきなり過去問集から始めても構いません。

文章理解は1日あたりの学習時間は短くても構いません。あまり早い時期から学習する必要もありません。スー過去は現代文と英文を1日1~2問ずつ解き続け、問題を解く勘を失わないように勉強しない日を作らず、本試験まで毎日コツコツ解きましょう。

なお、古文は0~1問であり、公務員試験では学習する必要の無い科目です。スー過去を解き切ったら、「公務員試験過去問新クイックマスター 文章理解」または「過去問500」に入っても構いません。

資料解釈

資料解釈は、東京都を受験する方はしっかり学習すべきです。文章理解と同じ時期に同じ要領で、毎日コツコツ1~2問、本試験まで問題を解く勘を失わないように過去問集を解けば十分です。

資料解釈も習うより慣れたほうが良い科目です。過去問集は「新スーパー過去問ゼミ5 文章理解・資料解釈」がおすすめです。これをこなしきったら、「公務員試験過去問新クイックマスター 数的推理・資料解釈」または「過去問500」に入っても構いません。

論文対策

東京都1類Bの論文試験は全区分(行政区分、技術区分、その他の試験区分)共通問題です(課されない職種もあります)。ここ数年は、以下の形式で出題されています。

  1. 別添の資料から、~ために、あなたが重要と考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
  2. 1.で述べた課題に対して、都はどのような取組を進めるべきか、あなたの考えを述べよ。

この設問形式が毎年一貫して続いています。「~ために」の部分は、以下の出題例があります。

  • 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を踏まえ、東京を訪れる人の満足度をより高め、東京の魅力を世界に発信していくために
  • 将来にわたる東京の持続的な発展を実現するために
  • 東京において、誰もが安心して快適に利用できる交通を実現していくために

また、どの年度も、別添の資料は2つ添付され、文書であれ図表やグラフであれ、2つとも東京都の公文書からの引用が行われています。

この出題形式は、平成25年(2013年)から課されるようになっており、実際には東京都1類A(大学院卒程度)の論文試験と同じ形式です。この最大の対策は、「2020年の東京」を読み込むことです。

「2020年の東京」とは、東京都が平成23年(2011年)に策定した、東京都の長期都市戦略です。結構なボリュームのある冊子ですが、図表やイラストを数多く交え、東京都のさまざまな政策課題に対する中長期的な視点と戦略がよくわかる計画だといえます。

実際に東京都1類AあるいはBの論文試験において、「2020年の東京」の掲載資料から添付資料が出た例は少なくありません。この冊子は現在入手が難しいのですが、東京都の公式サイトからpdfファイルで公開されており、誰でも閲覧することができます。

なんといっても、この「2020年の東京」は、東京都が問題意識を持っているさまざまな課題とそれに対する長期的な取り組みを一通り知ることができるという点で、最大の論文対策としておすすめできる必須教材といえます。

もちろん、それと同時に、基本的な論文の書き方を参考書で理解することも必要です。特に東京都の場合、特定のテーマについて、現状を把握してそこから生じる課題を明記するとともに、それに対してどう取り組むべきかという論述に一貫性が要求されます。

こうした論文対策のうち、テーマ別対策は、「論文試験 頻出テーマのまとめ方」がおすすめです。幅広く読まれている人気の定番参考書ですが、情報量が膨大で、要求する答案例や記述内容が高レベルであるため、挫折率も高い参考書です。

とはいえ、本書は過去問を豊富に掲載し、幅広いテーマや全国自治体の直近の出題例を数多くカバーしています。なかなか本書に代わる参考書は無いと思います。

このため、答案例は参考程度に受けとめ、論点集と割り切って早いうちに読んでおけば、あとから初めて読んでみて膨大な内容に挫折することは回避できると思います。

なお、本書はテーマ別対策の良書ですが、基本的な論文試験のルール・心構えや合格に結びつく答案の作成方法といった記述がありません。そこで、「1週間で書ける!! 公務員合格作文」をおすすめします。

「1週間」は第1編で論文試験の最低限知るべきルールを形式面から解説し、第2編では問題の背景を探り当て、問題点から自己主張を打ち出すことで、合格に導く答案の書き方を解説した良書です。

なお、第3編は実践的な論点集ですが、市役所以外の方には内容不足だと思います。論点集に「頻出テーマのまとめ方」を使うなら、「1週間」の第3編は飛ばしても構いません。

このように論文対策は参考書を使って、合格できる答案の書き方と、実際の出題例や主要論点を理解しておきます。

これをやっておけば、余裕を持って答案練習ができるといえます。大手予備校、大学の学内講座・キャリアセンター、各自で頼れる先生・先輩などを活用して、答案練習と添削指導の機会は必ず確保すべきです。

面接対策

東京都1類Bの面接試験は、「東京都が取り組む基本施策を1つ挙げて説明してください」「東京都が推進している~分野についてどう思うか?」といった質問は必ずあります。東京都の公式サイトや刊行物のチェックは基本中の基本です。

東京都の刊行物のなかでも、特に「東京都長期ビジョン」はぜひとも読んでおくべき最上位の行政計画(基本計画)です。「本文」「概要版」「PR版」が出ており、効率性と網羅性を考慮すると、概要版とPR版を併用し、PR版で除外された部分を概要版で補充する使い方がおすすめです。

また、特に東京都の場合、わざと高圧的な態度で受験者に圧力をかけてみる「圧迫面接」、1つの回答を引用してその前の回答との矛盾点をつく、といったことが珍しくありません。

丸暗記した模範解答は面接官も見抜きますし、想定外の質問や突っ込みが多い東京都には全く通用しません。面接試験の実態を知り、自己分析によって自分の軸を作りながら、面接官の意図を探ることが絶対に必要です。

こうした面接試験の対策について、早いうちに参考書を読んでおくと、基本的なルール・心構え、実際のやり取り、実践的な対策を理解することができます。

面接・官庁訪問の秘伝」は国家・地方公務員ともに使えますし、個別面接、集団面接、集団討論、官庁訪問に幅広く対応した良書としておすすめです。自己分析を通じて自分のコアな部分を作り、あらゆる質問に対応できるアプローチを解説しています。

公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」は、コンピテンシー面接や採点側の意図について、ここまで詳しく説明した参考書は他にありません。本書が想定する国家公務員だけでなく、地方公務員の方にもおおいに参考になると思います。

自己分析による対策を解説した「面接・官庁訪問の秘伝」と、採用する側の本音から評価基準と対策を取り上げた「公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」を両方読み込めば、面接試験の実態を対照的な両面からしっかりと理解することができます。

その一方、大手予備校、大学のキャリアセンター、ハローワークなどで実施される模擬面接は、積極的に活用しましょう。早期に上記2冊の参考書を読み込んでおけば、その後の実践練習にもおおいに活かすことが出来ます。

模試

受験前年の秋(在学生は、大学3年の秋)から始めた方は、主要な科目をクリアした年末~年明け頃から模試の受験を検討して良いと思います。本格的な志望別の模試は受験年度(在学生は大学4年)の2~5月、市役所向け模試はそれ以降も実施されます。

この段階では学習の理解の度合いを確認し、足りない分野や科目の補強に活かします。模試は出来る限り受験して、試験勉強への活用に還元することをおすすめします。

東京都を第一志望にする方も、LECの「地上・国家一般職<行政系>スペシャル模試パック」やTACの「公務員 公開模試」がおすすめです。

これらの模試は、東京都など志望別の順位や合格可能性が表示され、詳細な成績表が提供されます。もちろんパックではなく、各回ごとの受験も可能です。単に受験するだけでなく、弱点を補強するといった試験勉強に活かすことが重要です。

過去問演習書/本試験問題集

過去問集を済ませた科目や、過去問集が無い科目、過去問集をやらなかった科目の問題演習には、総合的な過去問演習書である「過去問500」をおすすめします。解説が詳しく、試験別のラインナップがある定番教材として、直前期に科目別の演習量の上積みが出来る問題集です。

東京都に関しては、「東京都・特別区[1類]教養・専門試験 過去問500」が出ています。

このほか過去問500は、地方上級・教養、地方上級・専門、東京都・特別区1類(教養・専門)、市役所上・中級(教養・専門)、国家総合職・教養、国家総合職・専門、国家一般職大卒・教養、国家一般職大卒・専門、国家専門職大卒(教養・専門)、大卒警察官・教養(過去問350)という10冊が出ています。

本試験過去問題集 公務員試験 TAC」は、本試験を年度別に収録した復元型問題集です。問題が1年ごとに取り外し可能になっており、模試を受ける機会が無い方が本番同様に時間を測って「早く」「正確に」問題を解く練習用途におすすめできます。

こちらも東京都は、「本試験過去問題集 東京都1類B (行政・一般方式)」が出ています。収録年数がやや物足りないかと思いますが、本番の予行練習で使うには十分な教材です。

この問題集は、東京都1類B(行政・一般方式)、東京都特別区1類(事務)、裁判所一般職大卒、国税専門官、労働基準監督官A、国家一般職大卒(行政)が出ています。

国家一般職大卒と併願する場合

国家一般職大卒を併願先に含む場合、知能分野(一般知能)は東京都も国一も、基礎能力試験(教養試験)に占める出題比率が高い、数的処理・文章理解とも重要だが古文は0問で学習する必要が無い、資料解釈も3~4問出るためしっかり学習する、という同様の対策で対応できます。

また、知識分野(一般知識)に関しても、東京都も国一も各科目1問づつで出題比率が低く、国一は人文科学は日本史・世界史・地理、自然科学は生物・化学・物理しか出ません。国一は時事問題が3問、東京都も社会事情という科目で時事問題が6問課されます。

このように教養試験(基礎能力試験)対策は、東京都と国一のどちらを第一志望にする場合でも、知能と時事対策を重視して知識は集中的な効率学習で対応するという、今まで説明してきた学習で十分対応できます。

その一方、国一は基礎能力試験(教養試験)も専門試験も択一式です。どちらも今まで説明してきた、地方上級と併願する場合と同様の学習で対応できます。「地上」を「国一」に置き換えて対処すれば十分です。

基本的には地上との併願と同様に、まずは憲法、民法、行政法、経済学と数的処理、社会科学を先行させ、他の科目も、今回の記事で説明してきた通りの要領で順次取り組めば十分です。

なお、国一の専門試験は、民法や経済学が2科目に分かれて出る、社会政策、刑法、労働法、経済史、経済政策が出ない、経済事情が出る、という特徴があります。

このため、国一を受験する方は、過去問演習書や本試験問題集に取り組む段階で、「国家一般職大卒専門試験 過去問500」や「本試験過去問題集 国家一般職 大卒程度・行政 TAC」に一通り取り組むことをおすすめします。特に経済事情など、過去問集が無い科目はしっかりチェックしましょう。

東京都1類Bの学習計画(半年~1年/専願・併願とも対応):まとめ

東京都を目指すなら、まずは数的処理、社会科学、専門試験に取り組みます。このうち、専門試験は、専願の方は5~6科目、併願の方は優先順位を決めて取り組むべきです。

東京都の教養試験(基礎能力試験)は社会科学と社会事情の対策を先行させるべきです。社会事情は、時事対策や社会政策の学習が役立ちます。

東京都では文章理解だけでなく、資料解釈も重要です。本格的な演習は後からでも良いのですが、しっかりと取り組むべき科目です。

人文科学、自然科学は後回しでも構いませんし、基本的な典型問題をまとめた教材をこなすだけで十分です。

論文や面接は参考書で実践的な心構えと取り組み方を理解したうえで、模擬面接や添削指導の機会を確保すべきです。

一通りの学習をクリアした方は、模試や過去問演習書/本試験問題集を活用して本試験に備えます。この場合も、併願の方は東京都以外の受験先を考慮しましょう。

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