地方初級・市役所高卒・国家一般職高卒の参考書

今回は、地方初級、市役所高卒、国家一般職高卒の参考書を取り上げます。必ず取り組むべきメイン教材、問題が解けない時に基礎から固める参考書、問題練習の上積みとなる演習書や、時事対策、作文試験、面接試験の参考書まで紹介します。

(以下のリンクは、それぞれの名称によるアマゾン(Amazon.co.jp)の検索結果ページを含みます)

必ずこなすべきメイン教材

公務員試験の教養試験(基礎能力試験)は、10科目以上を短期間で同時に理解する必要があります。そのため、知識や解法を習得しながら過去問演習を行うことができる、「過去問集」と呼ばれるメイン教材が出ており、まず真っ先にこれに取り組むのが定石といえます。

このうち高卒程度の公務員試験向けに、LECからとても良い過去問集が出ていたのですが、今は発売されていません。現在LECから「クイックマスター」として出ている教材は、大卒程度の公務員/警察官・消防官向けの過去問集です。

その一方、東京アカデミーの「国家公務員・地方初級 オープンセサミシリーズ」シリーズは、要点整理と練習問題で構成された優れた教材ですが、東京アカデミーの受講を想定した教材であり、問題の解説部分が簡素など、独学には向きません(ただし後述通り、知識補充の参考書としてはおすすめできます)。

そこでメイン教材(過去問集)としておすすめするのが、今から取り上げる実務教育出版の「新・初級スーパー過去問ゼミ」です。

初級スー過去

実務教育出版「スー過去」の高卒程度公務員版である「新・初級スーパー過去問ゼミ」は、地方初級、市役所高卒、国家一般職高卒など、高卒程度の公務員試験に最も幅広く対応できる科目別教材です。全然学習経験が無い科目でも、知識・解法を理解しながら本試験の問題演習を1冊で済ませることができるメイン教材の定番です。

本書は、問題を解くのに必要な重要事項のインプット部分と、難易度別・頻出度別に整理された過去問演習が一体となった「過去問集」と言われる一体型教材です。全く知識ゼロの初学者でも、本試験まで一貫して使えるオールラウンド型教材です。

公務員試験は10以上の科目を同時に短期間でクリアする必要があります。このため、インプットとアウトプットが一緒になった「過去問集」という一体型教材を使うことで、科目別に試験範囲をクリアすることが定石といえます。

特に高卒程度公務員試験の場合、市販で独学を想定した教材が少ない中、この「新・初級スーパー過去問ゼミ」は教養試験(基礎能力試験)が分野別・科目別に揃っており、問題の解説もとても詳しく、ほとんどの高卒程度公務員試験に幅広く対応できる定番教材として、真っ先におすすめします。

参考書

公務員試験は、過去問集をメイン教材と位置づけ、これを各科目こなすだけで、必要な実力は十分身につきます。ただし、過去問集だけでは分からないという科目・分野や、解説を何度読んでも過去問が解けないという科目・分野の場合には、参考書を使った知識や解法の補充を検討すべきです。

参考書は絶対必要とは言いません。まずは過去問集である「新・初級スーパー過去問ゼミ」を科目別に取り組んで、それだけでも多くの場合、公務員試験の合格が可能です。ただし、科目によっては参考書を併用し、基礎・重要事項の補強を行うという選択肢も考慮しておくことがおすすめです。

よくわかる数的推理/判断推理

数的推理や判断推理は、単純な暗記が通用せず、要求される解き方のパターンが一定の範囲から課される科目です。ただし中には、数字を見ただけで苦手意識を持つ方や、数的・論理的解法に慣れないという方も少なくありません。

数的推理も判断推理も、まずは過去問集をやってみて、自力で進められそうなら、それだけで本試験には十分です。その一方、算数や数学の知識が抜けていたり、何度過去問を解いてもできないという方には、入門書として実務教育出版の「初級公務員試験 よくわかる数的推理」「初級公務員試験 よくわかる判断推理」がおすすめです。

この2冊は非常に手堅く、堅実な正攻法を重視した真面目な入門書です。先に過去問集をやってみて問題が解ける受験生には必要ありませんが、数的推理や判断推理で必要な解き方のノウハウを類型化しており、典型的な基本~標準問題を使ってあらゆる解法を使いこなせるようになる良書です。

もちろん、実際の本試験問題は、定型的な問題だけではなく、派生的な問題や複数の解法の駆使が必要な問題も多くあります。また、「よくわかる数的推理/判断推理」は、長い間改訂されておらず、内容的にはやや古い参考書です。

このため本試験対策や最近の傾向を踏まえると、「初級公務員試験 よくわかる数的推理」「初級公務員試験 よくわかる判断推理」は基本的な解法を理解する入門書としては最適ですが、この参考書を使う場合でも、必ず過去問集である「新・初級スーパー過去問ゼミ」をメイン教材と位置づけて取り組むことをおすすめします。

オープンセサミシリーズ(一般知識/知識分野)

地方初級、市役所高卒、国家一般職高卒なら、知識分野(一般知識)の場合も、まずは過去問集(「新・初級スーパー過去問ゼミ」)をこなすことで、本試験に必要な実力が十分身につきます。ただし、これだけでは分からないという科目が出てきた場合、知識を補充する参考書の追加をおすすめします。

こうした入門書としては、東京アカデミーの「国家公務員・地方初級 オープンセサミシリーズ」をおすすめします。実は本来は「新・初級スーパー過去問ゼミ」と同じく、要点整理と問題部分が一体となった「過去問集」と呼ばれるオールラウンド型教材です。

この「オープンセサミ」は、東京アカデミーの公務員講座の受講を想定した教材です。このため、要点整理部分は二色刷りでわかりやすく、ポイントをインプットしやすいのですが、問題部分は練習問題が中心で、解答・解説が簡素なので独学には向かないと思います。

ただし本書は、過去問集だけでは分からない知識の補充には向いています。オープンセサミは単純な暗記が通用しない知能分野(一般知能)には不向きですし、問題部分は独学には使えませんが、知識分野(一般知識)のインプット用途の入門書と割り切れば、よく出来た優れたテキストだと思います。

オープンセサミは絶対に必要な教材ではありませんが、まずは過去問集をやってみて、知識の科目によっては分からないという場合、解説を読んでも分からなかった問題に関して調べてみたり、知識が足りないと感じた該当箇所を読み込むといった補助的な使い方がおすすめです。

こうしたことから「国家公務員・地方初級 オープンセサミシリーズ」は、過去問集だけでは分からないという科目が出た場合に、知識の補充や解法の理解のために追加的に投入する補助的なインプット教材としておすすめです。

もちろん、このテキストはあくまでもインプット用途です。実際の問題を解く実力を身につけるためには、過去問集の「新・初級スーパー過去問ゼミ」をメイン教材と位置づけ、知識を駆使して問題を解く能力を鍛える必要は変わりません。

過去問演習書:過去問350

地方初級、市役所高卒、国家一般職高卒であれば、メイン教材として過去問集の「新・初級スーパー過去問ゼミ」を科目別に取り組むだけで、本試験に必要な実力は十分身につきます。その上で、問題練習の量をさらに重ねたい方には、「過去問350」シリーズをおすすめします。

本書は、公務員試験の過去問演習書の定番であり、メイン教材をしっかりこなしてきた方が、直前期に最新の過去問で演習量を上積みするのに最適な過去問題集です。解説も詳しく、早く正確に解く練習にも使えます。

過去問350」シリーズは、地方初級、国家一般職高卒、高卒警察官があります。市役所高卒の方は地方初級を使うと良いでしょう。ちなみに、全く試験勉強を行ってこなかった方が、直前期にこれだけはやっておくという場合にも使われることが多い問題集でもあります。

当然ながら本来は「新・初級スーパー過去問ゼミ」をしっかりこなしておけば、それだけでも公務員試験には十分通用します。「過去問350」は絶対に必要ではありませんが、本番直前期に演習量を積み重ね、合格をより確実にするための演習書として十分おすすめできる良書といえます。

時事対策/総チェックの参考書

時事対策は公務員試験では絶対に必要ですし、普段からウェブサイトやテレビ、新聞などに目を通すことはもちろん、参考書としては「高卒程度公務員 直前必勝ゼミ」をおすすめします。

本書は毎年最新版が出版され、試験直前期の総チェックの定番として知られる参考書です。また、時事対策は政治(国際/国内)、経済、厚生・労働、環境、科学、社会の各分野を網羅しており、短時間で一通りのまとめが可能です。

また、この参考書は作文と面接の対策に関しても、毎年よくまとまっていてわかりやすい良書です。余談ですが、すぐ上で紹介した「過去問350」と同じく、試験勉強を行ってこなかった受験生が直前期に最低限の学習を行うのによく使われる参考書でもあります。

高卒程度公務員 直前必勝ゼミ」は教養試験(基礎能力試験)の項目別チェックや直前予想問題もありますし、試験直前期に一通り学習してきたことの再確認、総チェック、時事対策に最適な参考書として十分おすすめできます。

作文試験の参考書

作文試験の参考書として、まずは「1週間で書ける!! 公務員合格作文」をおすすめします。

本書は特に第1~2編で、ワンセンテンス・ワンテーマの原則や接続詞の使い方などの形式面と、問題点を洗い出して自己主張に結びつけるという内容面から見た作文の書き方を、とても分かりやすく解説しています。

また、テーマ別対策(第3編)では、20以上のテーマに関して、簡潔な関連知識を添えて、過去問と解答例を掲載しています。ここは大卒程度公務員では物足りないですが、地方初級、市役所高卒、国家一般職高卒の作文試験なら十分な内容です。

本書はとてもスマートにまとまった良書です。さすがに1週間で済むというほどではありませんが、作文における必要最低限のルールも取り上げていて、それに加えて合格できる作文の書き方を難しく考えること無く理解できる優れた参考書です。

1週間で書ける!! 公務員合格作文」は、作文試験に割く余裕が無い方でも、基本的な書き方や標準的な作文対策を、非常に効率よく済ませられる参考書として真っ先におすすめできます。

ほとんどの受験生の方は、この「1週間」で十分だと思います。ただし、なかにはこの参考書が合わなかったという方も出てくると思います。その場合には、「実戦添削例から学ぶ公務員試験 論文・作文」がおすすめです。

こちらのほうは、書き方のポイントをまとめた2つの章と、テーマ別に実際の書き方をまとめた5つの章で構成されています。添削スタイルの解説で、集中的に作文対策ができる参考書です。

実戦添削例から学ぶ公務員試験 論文・作文」も、高卒公務員の作文試験対策をしっかりと出来る参考書として人気があります。「1週間で書ける!! 公務員合格作文」より時間がかかるのが難点ですが、「1週間」が合わなかった方は、こちらに替えても良いでしょう。作文試験の参考書は、どちらか1冊をこなせば十分です。

面接試験の参考書

地方初級、市役所高卒、国家一般職高卒に適した面接対策の参考書としては、「初級公務員 面接・作文の完全マスター」をおすすめします。面接試験の準備・心構えや実際の流れ、注意すべきポイントをスマートにまとめた良書です。

本書は、空欄補充形式(穴埋め式)で要点を整理し、理解度テストで要点を繰り返し確認することが出来る要点整理型参考書です。面接のマナーや心得を初歩から丁寧に解説し、よく聞かれる質問を豊富に掲載しており、実戦対策に使える参考書といえます。

特に面接試験に関しては、例えば冗長だったり極端な回答は避けるべきですが、こうしたポイントをひとつひとつ、具体例を交えて丁寧に解説しています。実際の入室から質問・応答(受験者の様子の描写まで)がいくつか掲載しているのも、おおいに参考になります。

もちろん、本番の面接試験は本書通りの質問が出たり、模範的にいくとは限りません。しかし、基本的な面接試験の心構え・準備やマナーを理解し、複数のモデルケースを通じた面接試験のシュミレーションを行う上では、本書は非常に有益な参考書だといえます。

初級公務員 面接・作文の完全マスター」は長い間改訂されておらず、やや古い本ではあります。しかし10年以上も受験生の間で根強い人気がある参考書で、高卒程度(初級)公務員ならどなたにもおすすめできる定番の面接対策参考書といえます。