公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術

今回取り上げる公務員試験の参考書は、実務教育出版の「公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術」です(以下のリンクは、それぞれの名称によるアマゾン(Amazon.co.jp)の検索結果ページを含みます)。

公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術」は、A5判・約250ページで、毎年改訂されて最新版が出ている面接試験の参考書です。市役所の個別面接を想定した参考書ですが、地方上級(都道府県、政令指定都市)、町村役場など地方公務員ならどなたにもおすすめできます。国家公務員の方には向きません。

本書は、市役所OBで数多くの面接試験を経験してきた著者による、面接試験の参考書です。二色刷りで漫画を交えながら分かりやすく丁寧に面接試験のポイントを解説しています。

この参考書では冒頭に、多くの受験生にありがちな誤解を解くことから始めています。完璧に答える必要がある、回答は丸暗記で十分、ボロを出さないように短く答えればよい、などといった個別のケースごとに適切な指摘が記載されています。

面接で重視されるポイントでは、会話のキャッチボールの必要性、真面目さよりも明るさ、とりつくろった回答は必ずバレることなど、ひとつひとつ詳しく説明されます。

また、典型質問への回答、自分を売り込む「再質問」の引き出し方・攻め方、今年聞かれそうな質問も、一般的な地方公務員を前提にさまざまなケースが検討されています。

本書はひとつひとつの項目について原則見開き2ページ、あるいは4ページという構成で、漫画をふんだんに盛り込み、図解やイラストを交えて非常に見やすい参考書といえます。

この参考書で想定されている受験生のミスや悪い回答例は、ともするとかなり稚拙な例が数多く見受けられます。逆にいえば、読み手となる受験生の社会的な能力が試される本でもあるといえます。

公務員試験の再受験生や社会人・経験者採用試験の方の中には、「そんなことありえない」といった感想を持ち、本書では物足りないと感じる方も出てくるかもしれません。その一方、学生さんを中心に、本書の内容程度のこともわからない受験生も一定数存在することの裏返しかもしれません。

また、本書で説明している問答内容はやや都合が良すぎており、公務員試験の面接試験を定型的にまとめたものです。実際の質疑応答はこれほどパターン化されたものではなく、もっと想定外の事態や厳しい質問も考慮すべきだと思います。

とはいえ、公務員試験の予備校・スクールに通っていない方が、まずは公務員試験特有の面接試験とはどのようなものかを知るのに適切な導入本だといえます。本書だけでもひと通りの面接試験を知ることができます。

また、面接カードの書き方とポイント、面接当日までにすべきこと、身だしなみ、入室から退室までといった準備や心構えまで、巻末にまとめられています。

本書は面接対策の実態に即した本格的な参考書とは言いがたいのですが、公務員試験の面接試験とはどんなものだろうか、というひと通りのガイダンス的な入門書としてはおすすめできます。

このため、本書は試験勉強の早い時期にサッと通読して、「公務員試験の面接試験とはこういうものだ」「面接試験に備える準備・心構え」の一般的な基礎事項を知るのにおすすめできます。

その一方、この参考書だけで公務員試験の面接試験の厳しさを理解することは困難だと思います。本書を導入本として読んだ方は、人物試験対策(面接試験、集団討論、官庁訪問)(大卒程度)で取り上げた、もっと本格的な参考書で面接試験に備えることをおすすめします。

公務員試験 現職採点官が教える! 合格面接術」は面接試験の参考書のなかでもかなり入門的なレベルを取り扱っており、早いうちに読んで本格的な面接対策参考書に入る前の導入本としておすすめします。

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