年金は公務員の場合どうなるの?

この記事(ページ)の目次です。

今回は、年金の公務員の場合の扱いについて取り上げます。

年金制度と公務員

そもそも年金は、公務員や民間企業の会社員だけでなく、自営業、フリーターやアルバイト、学生さんでも、20歳以上の方なら誰もが加入義務があり、したがって誰もが受け取れる国民年金(基礎年金)があります。

これは老後における最低限の生活保障ですが、これだけで暮らしていくことは、現実的にはとても困難です。このため、年金の上積みといえる制度が用意されています。

年金の上積み部分は、2階部分と言われます。言うまでもなく、国民年金が1階部分です。1階部分の国民年金は誰もが受け取れる基礎年金ですが、2階部分は職業によって異なる制度が作られてきました。

2階部分の年金は従来、公務員は共済年金、民間企業のサラリーマンは厚生年金という枠組みで運営されてきました。その他の自営業者などの方は国民年金基金が2階部分に該当します。

しかし、公務員の共済年金には、職域加算と呼ばれる事実上の3階部分が存在し、公務員と民間企業との間の年金受給額の格差が問題となっていました。

このため、2015年(平成27年)10月から共済年金と厚生年金は統合され、厚生年金に統一するという「年金一元化」が実施されました。職域加算も廃止され、公務員も民間企業の会社員も厚生年金に一本化されています。

年金でも優遇される公務員

ここまで見てきた通り、公務員の年金は基礎年金(国民年金)の上に、民間企業と統合された厚生年金の部分がもらえるということになります。

その一方、年金制度上、公務員の優遇が問題視された職域加算は廃止されたものの、それに代わって年金払い退職給付というものが創設されました。

公務員で平成27年9月までに年金の加入期間がある方は、職域加算の対象であり、平成27年10月以降は年金払い退職給付の対象です。つまり、これから公務員になる方は年金払い退職給付のみですが、これまで公務員だった方は、両方とも受けられる方もおられます。

年金払い退職給付は公務員への退職給付の一部として支払われるものであり、実質的には3階部分の存続といえます。以下に述べる通り、若干の変更はあるものの、官民格差の劇的な解消には至っていません。

かつての職域加算は全て終身年金で、この部分の保険料はかからず、賦課方式というものでした。これに代わった年金払い退職給付は、半分が有期年金で半分は終身年金、この部分の保険料の負担が必要で、積立方式を採用しています。

このため、年金における公務員の負担が新たに増えていますし、受け取れる年金の金額も少し下がっています。とはいえ、根本的な制度改正とはいえず、相変わらず年金における公務員の優遇は続いています。

このように、年金制度上の公務員は、基礎年金である国民年金、2階建ての厚生年金、実質的に3階部分の年金払い退職給付を合わせた金額が受給でき、民間企業に比べるととても恵まれた制度だといえます。