消防官(大卒程度)

消防官は、自治体によって消防士、消防吏員、消防職員とも呼ばれます。

消防業務は市町村に設置される消防本部が担います。このため、消防官の採用試験も市町村単位が基本です。ただし、地方の市町村では、複数の自治体が共同で消防組合(一部事務組合、広域連合などの場合もある)を運営して消防本部を設置しており、この場合は採用試験も共同で実施されます。

なお、東京都の場合は事情が異なります。東京都特別区(本来の管轄地域)、および、市町村からの委託があった地域の消防業務は東京消防庁(東京都の内部機関です)が一括して担っており、この地域の採用試験も東京消防庁が実施します。

ただし、稲城市、大島町、三宅村、八丈町は、東京消防庁に委託を行っておらず、他の道府県の市町村の消防本部と同様に、市町村消防を維持しています。これらの自治体では、各自治体の消防本部が採用試験を行います。

(かつては東久留米市も消防本部を維持していましたが、2010年に東京消防庁に委託しました)

自治体によっては、消防官の採用試験において、消防士と救急救命士を分けて実施する場合もあります。

消防官は、大卒程度と高卒程度に分けて実施する自治体が多く、「大卒程度」と「高卒程度」、「上級」と「初級」などの名称を用いて区別しています。

さらに、東京消防庁など、短大卒程度も分けて募集する自治体が一部にあり、大卒程度・短大卒程度・高卒程度を「1類」(上級)「2類」(中級)「3類」(初級)と分けている自治体もあります。このほか、短大卒と高卒を分けずに「中・初級」という名称を用いる自治体もいくつかあります。

消防官の受験資格には、年齢要件、身体基準、住所要件などが挙げられます。また、男女別に採用試験を実施する自治体もあり、この場合は試験内容は同じですが、身体基準の一部の項目が異なるなどの違いが見られます。

消防官の年齢要件は、行政系・事務系より広めに取られる傾向があります。住所要件は、「市内在住者」「~キロ(あるいは1時間など)の通勤可能圏内」といった条件が要求されます。

消防官の身体基準の目安は以下の通りです。個々の自治体については、受験案内で明記されるため、必ず確認しましょう。

  • 身長:男性 おおむね160cm以上/女性 おおむね155cm以上
  • 体重:男性 おおむね50kg以上/女性 おおむね45kg以上
  • 胸囲:男性 身長の2分の1/女性 自治体によっては規定があります
  • 視力:両目で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上(矯正視力含む)、
  • 色覚、聴力:正常であること
  • 肺活量:男性 おおむね3,000cc以上/女性 おおむね2,500cc以上

消防官の採用試験では、教養試験、論文(作文)試験、適性検査、体力検査・身体検査、面接試験が一般的です。1次試験~2次試験まで行う自治体が一般的ですが、まれに3次試験を行う自治体もあります。

教養試験は、政令指定都市の場合、大部分が同一日に実施される行政系・事務系区分と共通の問題が課されます。政令指定都市以外の市役所、町村役場、共同で実施する消防組合の場合も、行政系・事務系と共通の試験であることが一般的です。

政令指定都市の行政系・事務系区分は都道府県や東京都特別区と合わせて「地方上級」と呼ばれ、教養試験と専門試験はいくつかの出題タイプに分類できます。

なお、東京消防庁の場合も東京都1類Bと同じ問題が数多く見られますが、東京都1類Bよりも自然科学の問題数が大幅に増えており、社会科学も若干増えており、そのぶんだけ総問題数が多くなっています。

消防官の論文(作文)試験は、多くの自治体では800文字程度が一般的です。ごく一部の自治体では、1000文字以上の試験を課す場合もあります。

面接試験は、個別面接が中心です。なかには、集団面接や集団討論を実施する自治体もあります。

適性検査は、性格検査の名称で課される自治体もあります。クレペリン検査、Y-G検査など、一般的な適性検査の内容であれば、特別な準備や試験勉強などは不要です。一部の自治体では、適性検査とは別に消防適性検査を行う場合がありますが、これも事前の準備は不要です。

消防官の体力検査で多く見られるのは、握力、上体起こし(腹筋)、腕立て伏せ、反復横跳び、立ち幅跳び、垂直跳び、20mシャトルラン、バーピーテスト、持久走などです。何が課されるかは自治体によって異なります。

体力検査とは別に、身体検査が男性・女性別にあります。身体基準の一例は、先ほど受験資格の際に触れた通りです。

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