地方公務員福祉職(地方上級、市役所)

ここでは、地方上級(都道府県、政令指定都市、東京都特別区)、および、政令指定都市以外の一般的な市役所における福祉職(福祉系区分)の採用試験を取り上げます。

これら地方公務員の福祉系区分は、独立した区分として採用する自治体、技術系の区分として位置づけている自治体、資格免許職の区分として位置づけている自治体、福祉系・心理系区分を1つの区分として採用する自治体があります。

この福祉系区分の名称は、自治体によって異なります。多くの自治体では「福祉」または「社会福祉」区分ですが、なかには「福祉コース」など独自の名称の自治体もあります。

地方公務員の福祉系区分の専門試験は、地方上級の場合、択一式で40問・全問解答制が最も一般的な基本形です。市役所の場合も、40問・全問解答制が一般的で、地方上級に準じた試験傾向を示します。

その一方、自治体の中には、総問題数や解答数を増やしたり、選択解答制を導入している自治体もあります。また、福祉系区分では、専門試験で記述式を課す自治体も少なくありません。なかには択一式が30問という自治体もあります。

福祉系区分の場合も、同日実施の自治体どうしでは、全国的に共通問題が幅広く出題されています。

地方上級は国家一般職大卒とともに、標準的な大卒公務員試験の出題内容です。市役所は、地方上級と同等かやや易しい問題だといえます。

地方公務員の福祉系区分は、社会福祉士国家試験と重なる試験内容が多くを占めており、大学などでの知識を前提にすれば、過去問メインの学習で十分対応できます。あとは、公務員試験特有の科目対策を加味すれば十分です。

ここで、地方公務員の福祉系区分における、択一式の場合の専門試験の一般的な基本形を取り上げます(40問・全問解答制の場合)。これは、各科目の重要度のひとつの目安として参考になります。

  • 社会福祉概論(社会保障を含む)22、社会学概論6、心理学概論(社会心理学を含む)(「社会心理学・一般心理学」と告知する自治体もあります)8、社会調査4

なお、過去の出題例を見る限り、社会福祉概論22のうち社会保障は2~4問、心理学概論8のうち一般心理学が5~6問、社会心理学は2~3問出ています。

ここで、地方公務員・福祉職の専門試験対策を取り上げます(以下のリンクは、それぞれの名称によるアマゾン(Amazon.co.jp)の検索結果ページを含みます)。

専門試験は社会福祉概論、社会保障、社会学概論、社会心理学、一般心理学、社会調査と、どれも社会福祉士国家試験の範囲と変わりなく、社会福祉士受験用の教材がそのまま使えます。

公務員福祉職・心理職の合格知識」は、公務員の福祉職向けに出されている唯一のテキストです。これは○×式の一問一答集がメインで、記述式対策も少し加味されたコンパクトな参考書です。福祉系の受験生に幅広く使われており、スキマ時間を活用して何度でも挑戦できる手軽な良書といえます。

これは本当によく出るところ、間違えやすいところが凝縮されており、本書を徹底すれば相当の得点力が身につきます。ただし、長い間改訂されておらず法改正や各種統計はとても古くなっており、こうした点は各自で書き込んで使うことをおすすめします。

社会福祉士 国家試験受験ワークブック 中央法規」(2分冊)は、多くの社会福祉士受験者が使用しているテキストブックです。精神保健福祉士との共通科目編と社会福祉士受験者のみの専門科目編の2冊にわかれていますが、公務員試験では2冊とも必要です。

「ワークブック」は、社会福祉士受験者なら誰もが知っているといっても過言ではない定番教材です。地方上級の福祉職においても必要十分な定番教材であり、基本事項のインプットに用いるメインテキストといえます。

テキストを読み進めながら、何を理解したか、どこまで理解したかの確認用として一問一答集を使いたいものです。おすすめは1冊で済ませられる「U-CANの社会福祉士これだけ!一問一答&要点まとめ」です。中央法規の一問一答集はA5サイズですが、こちらは新書サイズであり、時間や場所を問わず時間を有効活用できます。

その一方、問題演習としては、中央法規の「社会福祉士国家試験過去問解説集」「社会福祉士国家試験模擬問題集」が「過去問」「模擬問」と呼ばれて定評のある問題集です。テキストだけではメリハリがなく単調になりがちですが、問題集をメインにして必要な知識を補強することで、重要事項に絞り込んだ学習が進められます。

ただし、この2冊は合わせて900問もあります。もっと問題を絞りたい方なら、「U-CANの社会福祉士これだけは解いておきたい!直近3年450問+厳選過去150問」に替えることもおすすめできます。これなら問題集は1冊で済みます。どちらにせよ、問題集は実際に問題を解く力を身につけるため必須だといえます。

学習した事柄を総整理・再確認するには、「らくらく暗記マスター 社会福祉士国家試験」がおすすめできます。こちらも新書サイズの要点整理型参考書で、付属の赤シートを使って重要事項のチェックが手軽にできる1冊です。また、メインテキストを読み込む余裕が無い方が、本書でざっくりとインプットを行う用途にもおすすめです。

ここまでまとめると、「合格知識」は公務員福祉職で唯一の教材であり、試験勉強を通じて何度も繰り返しチェックし、どこを学習すべきかの目安とすべき必須教材です。「ワークブック」と一問一答集で重要事項のインプットと理解度チェックを行い、問題集で実践的な得点力を身につけます。要点整理型参考書は、直前期の知識の総整理・再確認や時間的に余裕が無い方のテキスト代わりに使用します。

その一方、教養試験は択一式が一般的で、一部の自治体や区分を除き、区分を問わず共通の試験内容が課される試験です。このため、どの区分の方も、同じような試験勉強で対応することができます。

大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)は、区分(職種)を問わず共通の試験内容が一般的です。教養試験対策(大卒)に使える参考書・問題集について、当サイトでは、大卒公務員の教養試験(基礎能力試験)で対応しています。

このほか、地方公務員の場合、福祉系区分でも論文(作文)試験や面接試験が課されることが少なくありません。

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