地方上級・市役所大卒・国家一般職大卒の参考書

今回は、地方上級、市役所大卒、国家一般職大卒の参考書を取り上げます。必ずこなすべきメイン教材や、分からなかったところが出てきたときに助けとなる参考書、演習量の上積みとなる演習書を紹介します。

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必ずこなすべきメイン教材

公務員試験は、教養試験(基礎能力試験)・専門試験合わせて十数科目を短い期間で習得する必要があります。このため、基礎知識や解き方を理解しながら過去問演習を行うことができる「過去問集」と呼ばれるメイン用途の教材が各社から出ており、まずは真っ先にこれに取り組むことが定石といえます。

スー過去

新スーパー過去問ゼミ5」(実務教育出版)は、大卒程度の公務員試験に最も幅広く対応できる科目別教材です。初学者でも知識ゼロから本試験直前まで使えるメイン教材の定番といえます。

本書は、試験に必要な知識のインプット部分と、難易度別・頻出度別に整理された過去問演習が一体となった、「過去問集」と言われるオールラウンド型教材です。全く学習経験の無い科目でも、知識を習得しながら本試験の問題演習を1冊で済ませることができます。

公務員試験では、教養試験(基礎能力試験)・専門試験合わせて十数科目を短期間でこなす必要があります。このためインプットとアウトプットが一緒になった「過去問集」と呼ばれる一体型教材で、科目別に一通り効率良くこなすことが定石といえます。

過去問集は各社から良い教材が出ていますが、どれか迷うようであれば、まずはこの「スー過去」がおすすめです。教養・専門合わせて科目別に20冊以上出ており、地方上級・市役所大卒や国家一般職大卒はもちろん、非常に幅広い公務員試験に対応できます。

過去問集はすべての科目を同じシリーズで揃える必要はありません。スー過去が合わなかった科目は後述する他社のものに切り替えて構いません。ただ、「まずはどれから?」という場合、真っ先におすすめできるのがこの「新スーパー過去問ゼミ5」といえます。

クイマス

一方、LEC東京リーガルマインドから出ている「公務員試験過去問新クイックマスター」も、先ほどの「スー過去」と同じコンセプトで作られた一体型教材(過去問集)としておすすめできます。

こちらも必要な知識をインプットしながら本試験の過去問演習をこなすことで、初学者が短期間で合格に必要な実力を身につけることができる科目別教材となっています。やはり地方上級、市役所大卒や国家一般職大卒を中心に、大卒程度の公務員試験に幅広く対応します。

「クイマス」と「新スーパー過去問ゼミ5」を比べると、収録問題の網羅性や厳選した過去問の精度の高さはスー過去が上だと思います。また、クイマスも主要科目は漏れなくおさえていますが、スー過去からは出ている国際関係、経営学、会計学などが出ていません。

その一方、「クイマス」のほうがインプット部分はより優しく、ビジュアル的には見やすくて読みやすい工夫がされています。このため、スー過去では挫折した科目があった場合、これに代わるメイン教材として、「公務員試験過去問新クイックマスター」は十分おすすめできる良書だといえます。

カコモン

TACの「だからカコモンで克服」も知識や解法の解説部分と、過去問演習で構成された過去問集と言われる一体型教材です。

こちらのほうはインプットに相当する要点整理部分がイラストや図表を交えてとてもわかり易く、問題の解説に関してもとても詳しく記述されています。収録問題は基本~標準問題を重視しており、地上・国一・市役所大卒に本書1冊ではやや物足りないかもしれません。

このため、「だからカコモンで克服」は、出題数が少なくても基本問題がほとんどで、捨て科目にすべきでない自然科学には「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」に代えておすすめできる過去問集といえます。

参考書

公務員試験では、メイン教材である過去問集を各科目こなすだけで、合格に必要な実力は十分身につきます。ただし、過去問集だけでは理解しにくかったり、解説を何度読んでも過去問が解けない科目の場合には、参考書で補充することを検討すべきです。

参考書は必ず必要なものではありません。まずは過去問集(「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」など)だけ進めることで、公務員試験の合格は十分可能です。しかし、科目によっては参考書を追加して、知識や解き方の理解を補充することも頭に入れておきましょう。

まるごと講義生中継

スー過去もクイマスもメイン教材の定番教材であり、各科目どちらかをこなすことで、本試験の問題を解くことができる実力を身につけることができます。初学者でも効率よく攻略できる良書ですが、これだけでは分からないという場合、テキストを補助的に使うこともおすすめできます。

こうした入門書としては、TACの「まるごと講義生中継」をおすすめします。TACの人気講師の公務員講義を再現した文体で、知識ゼロの初学者でも非常に分かり易い参考書といえます。

本書は講義調の文体で非常に読みやすく、授業を受けているかのようなライブ感で学習経験が無い科目でも基本から噛み砕いて理解できる良書です。二色刷りでイラストや図表を多用して非常に分かりやすく、一気に読んで各科目のおおまかな概要を頭にいれることもできます。

「まるごと講義生中継」は入門書的なテキストですからこれだけで本試験の問題が解けるわけではなく、メイン教材としてはやはり過去問集(「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」など)で徹底した重要事項の確認と過去問演習が不可欠です。

本書は絶対に必要な教材ではありませんが、まずは過去問集をやってみて、科目によってはついていけないという場合、解説を読んでも分からなかった問題に関して調べてみたり、知識が足りないと感じたら該当箇所を読み込むといった補助的な使い方がおすすめです。

この参考書は一般知能(知能分野)と法律・行政・経済系の各科目が出ており、問題を解く中で実力をつけていく一般知能は不要かと思いますが、特に出題数が多く体系的な理解が実力向上の助けになる憲法、民法、行政法、マクロ経済学・ミクロ経済学がおすすめです。

こうしたことから「まるごと講義生中継」は、過去問集だけでは分からないという科目が出た場合に、知識の補充や解法の理解のために追加的に投入する補助的なインプット教材としておすすめです。

経済学の参考書

公務員試験の経済学は、ある程度体系的な理解が必要ですし、単純な暗記では通用しない問題が含まれます。こうした問題も、過去問集(「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」など)だけで解けるようになりますが、時間的な余裕があれば、参考書を併用するとスムーズに理解できます。

こうした用途の参考書は、過去問集が自力でこなせる方には不要です。しかし、過去問演習で躓くことが多い場合は、インプットの補充として「まるごと講義生中継」ではなく、以下の3つのシリーズから1つ選んで追加することをおすすめします。

1.「速習!経済学 石川秀樹」(速習!マクロ経済学、速習!ミクロ経済学、基礎力トレーニング(マクロ&ミクロ)の3分冊)は、3つのなかで最も網羅性が高く、踏み込んだ内容を含んでいます。時間的余裕があり、経済学を得点源にしたい方におすすめです。

2.「らくらく経済学入門 週刊住宅新聞社」(マクロ、ミクロ、計算問題編、記述・論文編の4分冊)は、3つのなかで最も標準的な内容といえます。地方上級や国家一般職大卒が第一志望で、経済学の攻略に悩む方に幅広くおすすめできます。

3.「最初でつまずかない経済学」(マクロ編/ミクロ編の2分冊)は、経済学がとても苦手な方におすすめです。3つのなかで最も基本的な内容を重視しており、最低限の得点は確保したい方に向いています。

3つの経済学の参考書それぞれについて、同じ項目でも解法へのアプローチが異なっており、難しいからといって合わないとか、易しい内容だから自分に合うということはありません。このため、1つのシリーズが合わなかったら、他のシリーズを検討することもおすすめできます。

もちろん、これら経済学の参考書も「知識の習得」が中心のインプット本であって、必ずしも必要な教材ではありません。公務員試験の基本は過去問演習であり、最終的には必ず過去問集(「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」など)に取り組むべきです。

解法の玉手箱(数的推理/判断推理)

数的推理と判断推理も、単純な暗記が通用せず、求められる解法パターンが一定の範囲のなかから課される科目です。しかし、数字が出てきただけで苦手意識を持つ方や、計算や論理的思考に慣れないという方も少なくありません。

数的推理も判断推理も、過去問集だけでこなせる方もたくさんおられます。その一方で、算数や数学の知識が抜けていたり、何度過去問を解いてもできないという方には、入門書として実務教育出版の「玉手箱」シリーズ(数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱判断推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱の2分冊)がおすすめです。

この参考書は、小・中の算数・数学レベルのうち数的推理・判断推理に必要な部分だけを抽出して無理なく学び直しが出来る良書です。それとともに、本試験で出題される問題を、必要な解き方のパターンごとに類型化した問題部分で、あらゆる解法を駆使できるようになります。

数的推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱」「判断推理がみるみるわかる! 解法の玉手箱」は、数的推理や判断推理の本試験を解くのに必要な知識と解法を、ごく基本的な典型問題の練習を通じて全く学習経験が無い時点から習得できる入門書です。過去問集がさっぱり解けない方には、基礎固めの定番として十分おすすめできます。

もちろん、これら定型問題だけをやっていたのでは本試験には足りませんし、この参考書をこなす場合でも、過去問集(「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」など)で本格的な問題演習を欠かさないようにしましょう。

文章理解の英単語集

地方上級・市役所大卒・国家一般職大卒の文章理解の場合、英文は高校の教科書~センター試験レベルが中心です。高校・大学受験や英語の資格試験(TOEIC、英検など)でしっかりした学習経験のある方であれば、いきなり過去問集から進めても難なく解けると思います。

その一方、まずは過去問集を解いてみて、語彙・速読・文法など英語力に不安を感じた方には、「速読速聴・英単語 Core 1900」をおすすめします。または、大学受験で使った経験があるなら、「速読英単語(2)上級編」でも構いません。

どちらか1冊で良いのですが、両書とも比較的長めで良質の英文を多数掲載し、単語力だけでなく速読力も含めた英語力を身につけることができる良書です。英単語集ではありますが、公務員試験に必要な英語力を固めるのに最適な参考書といえます。

公務員試験の英文は長めの課題文ですが、文法や構文的にはさほど高度で難解な内容が盛り込まれず、早く正確に読む速読力と、標準的な語彙さえ理解できていれば、さほど難しい英文ではありません。

このため、大学受験や英検、TOEICなどの学習経験があれば、過去問集(「新スーパー過去問ゼミ5」や「公務員試験過去問新クイックマスター」など)だけでも十分に公務員試験に対応できる実力が身につきます。ただし、過去問の英文がうまく読み取れないという方は、こうした英単語集を追加して基礎固めを並行することをおすすめします。

時事対策の参考書

時事対策は公務員試験では絶対に必要な試験勉強といえます。公務員試験の時事対策に特化した定番中の定番として、「公務員試験 速攻の時事 実務教育出版」に必ず取り組むことをおすすめします。

「速攻の時事」は、政治、経済、財政、国際、厚生、労働、文部科学、環境、司法警察、社会問題を幅広くカバーしており、毎年最新版に改訂される参考書です。特に、公務員受験生が敬遠しがちな経済や財政に関するデータも本書で整理することができます。

論・作文(教養論文)の参考書

論文(作文)試験は、専門試験の記述式試験と区別するために教養論文と言われることもあります。まずは入門書として、「1週間で書ける!! 公務員合格作文」に必ず取り組むことをおすすめします。

本書は第1~2編で、ワンセンテンス・ワンテーマの原則や接続詞の使い方といった形式面だけでなく、内容面から論文試験における実践的な答案の組み立て方・書き方を説明しています。

1週間で書ける!! 公務員合格作文」は論文の必要最低限のルールや、合格できる論文をどう書くかというアプローチを非常にわかりやすく丁寧に習得できる必須の入門書としておすすめです。

その一方、「1週間」のテーマ別対策(第3編)は、過去問を取り上げてそれに対する関連知識と解答例をまとめた非常にシンプルであるため、実際の課題別対策としては、以下に挙げる2冊の参考書から一方に取り組むことをおすすめします。

1.実務教育出版の「論文試験 頻出テーマのまとめ方」はとにかく多くの受験生が購入する人気の参考書であり、地方上級・国家一般職大卒・市役所大卒を想定した定番参考書です。

本書は、同種の論文の参考書に比べ、より高度な知識や記述を要求しており、答案例も非常に深い洞察や具体的な統計データに触れる高いレベルといえます。挫折率の高い本でもありますが、論文(作文)が得意という方はじっくり取り組める良書です。

論文試験 頻出テーマのまとめ方」は、国一や全国の自治体の直近の試験問題一覧を掲載し、各テーマにも類題を掲載しています。非常に奥深い徹底的なテーマ別研究ができる参考書として、過去問研究や実践的なテーマ別対策に十分におすすめできる参考書といえます。

2.TACの「公務員 論文試験の秘伝」は、「頻出テーマのまとめ方」と競合する参考書です。「1週間」で基本的なアプローチを学んだら、どちらか一方で過去問研究やテーマ別対策に取り組むと良いでしょう。

本書は「まとめ方」に比べると、多くの受験生の現実的な目線に立った優れた参考書です。TACの公務員講座の人気講師・山下純一氏と生徒が対話形式で課題を検討する構成になっており、わかりやすさ・読みやすさという点でも、実に優れた良書といえます。

公務員 論文試験の秘伝」は国家一般職大卒、地方上級、裁判所事務官一般職大卒を対象にしており、市役所大卒でも十分に使える参考書といえます。20以上のテーマを網羅しており、毎年改訂されていることから、論文が苦手な受験生でも安心しておすすめできる良書といえます。

面接試験の参考書

地上・国一・市役所大卒における面接試験の参考書としては、以下の2冊をおすすめします。ただし、以下の通り面接対策に活かせる目的を考慮して、できれば両方読むことをおすすめします。

1.「公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」は、国家総合職や国家一般職の面接試験、官庁訪問、集団討論を想定した面接本ですが、地上・市役所大卒の方にも大いにおすすめできる人気の定番参考書といえます。

本書は、公務員試験の面接官の本音=採用する側から見た「求められる回答」へのアプローチや、公務員特有のコンピテンシー面接に触れている点で、国家公務員だけでなく、地方上級や市役所といった地方公務員の方にも必見の参考書といえます。

もちろん、面接試験の準備・心構え、面接カード・個別面接・集団面接・集団討論・官庁訪問の進め方や極意について、基本から実践的な内容をカバーしています。「公務員試験 現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」は国家・地方問わず、あらゆる大卒程度の公務員受験生におすすめできる人気の面接本といえます。

2.「面接・官庁訪問の秘伝」は、TACの人気講師・山下純一氏による非常にわかりやすく読みやすい参考書です。

本書は毎年改訂されて最新版が出ており、国一、地上、市役所、町村役場、国税、裁判所一般職、国家専門職、国家特別職など、国家総合職を除く大卒程度の公務員試験を対象にした定番参考書です。個別面接はもちろん、集団面接、集団討論や官庁訪問にも対応しています。

こちらの本は自己分析を通じて「自分だけのコアな部分」を作り、面接カードやエントリシートの記述から実際の面接の応答に至るまで、一貫したブレない軸をベースに、あらゆる質問や場面に対応しようとする手法を解説した良書といえます。

また、想定問答集が25問掲載されており、回答例は複数のダメな回答と無難な回答が提示され、著者の指摘がポイントとしてまとめられています。このため、徹底した自己分析やセルフシミュレーションなど、より試験本番に近い面接対策本として使えます。

もちろん、面接試験の基本的なマナーや心構えから学べます。「面接・官庁訪問の秘伝」は二色刷りで豊富な図解やイラストを交え、非常に読みやすい面接・官庁訪問の人気参考書です。どんな質問にも対応できる自分のコアづくりというアプローチで、しっかりと備えることが出来る定番のメイン参考書としておすすめします。